総合健康診断サービス「メディポート」健康コラム:内視鏡検査を受けよう

2021/10/20

健康コラム 内視鏡検査を受けよう!

 内視鏡検査と聞いて、とても苦しい検査だと思い込んでいる人はいませんか? 日本で一度でも受けた経験がある多くの人は、「あんな苦しい検査は二度と受けたくない」と口をそろえます。しかし、香港では一般に鎮静剤を使うので、ほとんど寝ている間に検査は終了してしまい、初めて受診された方はあまりに楽なので驚きが大きいようです。もちろんリアルタイムで自分の胃や大腸内を見るわけにはいきませんから、鎮静剤なしの場合に比べて若干の不満がある方もないわけではありません。しかし、とにかく楽だからというのはもちろん、「気持ちが良い」「不思議な感覚」といった理由を挙げて、内視鏡検査が楽しみで健康診断を受けるといわれる方が少なからずおられます。ほとんど寝ている間に終了する内視鏡検査は、すでに健康診断の中心的項目として定着しています。

 

バリウム検査ではダメなの?

 中年期以降の多くの人が毎年1回バリウム検査を受ける日本では、胃の検査と言えば「バリウムを飲むものだ」と思い込んでいる人も少なくないでしょう。粘っこくて飲みにくい無機質の液体を胃に流し込むのは苦手な人も多いものです。私が初めて健康診断の仕事に就いた初日は、横浜市の郊外にある大きな工場の健診におけるバリウム検査補助でした。早い話、規定量のバリウムをセットする係です。ある受診者の中年女性から「もう一杯なんておかわりをねだったらすごいよね。でも、ご褒美にビール欲しいな」ってからかわれたものです。皆さん辛そうでした。耐えられずに吐き出してガウンを汚してしまった人もいます。ガウンにバリウムが付着すると、それが写真に写り込んでしまうのでレントゲン技師から怒られてしまいます。そして、飲んだバリウムは当然下から出てくるもの。水分が抜けて固まったバリウムは通常の便より肛門を通過しにくい。飲むにも出すにも辛くて大変です。

 そんなバリウム検査なのにメリットはそれほど大きくありません。がんの早期発見という目的達成には少々力不足。萎縮性胃炎を見つけて内視鏡検査で確認したら早期がんだったというケースは考えられますが、レントゲン技師の腕と読影医の眼力のコンビネーションが最高レベルで結びついても、100%治癒できるごく早期のがんを発見するのは至難の業のようです。

 

日本でバリウム検査が盛んな理由

 健康診断のシステムが日本ほど整っている国はなく、秋の健康診断シーズン真っ盛りの今頃は、バリウム検査のできるレントゲン車が日本中を走り回っています。これは春の定期健康診断に対して、中高年向けの生活習慣病健診ともいえる少し詳しい検査が行われるためです。低コストで行えるバリウム検査は胃がんのスクリーニング検査として広く普及しました。レントゲン車内でレントゲン技師によって実施できる簡便性もその普及を後押ししたに違いありません。内視鏡検査に比べて「楽に」受診できると思っている人がほとんどですが、実は必ずしもそうではありません。香港での内視鏡検査は、バリウムを飲むよりずっと楽なのです。

 

とにかく騙されたと思って

 日本で、一度でも内視鏡検査を受けた経験がある人は、二度と受けたくはないと口をそろえます。喉をほんの少し麻酔した程度で内視鏡検査が楽になるとは思えません。そんな麻酔は、それこそカメラの「通過」儀礼にすぎないのです。しかし、香港では鎮静剤を点滴します。マウスピースをくわえさせられて喉に麻酔薬をスプレーされ、次は手の甲に刺された小さな注射針から鎮静剤が入れられます。検査はいつ始まるんだろうと思っていても、多くの受診者は検査を受けていること自体に気付かないうちに終わってリカバリールームで寝かされています。実に不思議です。この感覚に、個人的には年に一度の内視鏡検査を楽しみにしています。まさかと思うかもしれませんが、特に私がおかしいのではなく、多くの受診者からも同じような話を聞きます。とにかく騙されたと思って受けてみてください。もしかしたら病みつきになってしまうかもしれませんよ。

 

 内視鏡検査は早期がんの発見にとても大きな威力を発揮します。今もがん死の上位を占めている胃がんと大腸がんの多くは、内視鏡検査で容易に発見できます。今後20年もするとがんは高血圧や糖尿病などと同じく、「薬でコントロールできる慢性疾患」になって、死を恐れなくても良くなるそうです。しかし、それまでは早期発見がとても重要です。ぜひ内視鏡検査を受けて欲しいものです。


堀様1 藤田医科大学卒業。臨床検査技師。
日本医科大学付属病院勤務の後、青年海外協力隊に参加し、南太平洋ソロモン諸島ガダルカナル島に2年間派遣される。世界保健機関WHOのプログラムの下でマラリア対策プロジェクトに従事。帰国後に就職した巡回健診事業を行う会社にて香港に赴任。健康に対する自身の理念を実現するため、1999年3月メディポートを設立し現在に至る。


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