殿方 育児あそばせ!第54回

2022/08/17

殿方育児あそばせ

 ライチ狩り

6月後半に会社のイベントでライチ狩りに行くことになり、せっかくなので妻とチビも連れて行くことにした。当日の朝、自分は仕事で行くのでいつもより早めに起床し、身支度をして家を出た。家を出る時「爸爸、拜拜~」とチビが言ってきたので「あとでな」と返事をして会社へ向かった。

会社に着き準備をしていると、「集合場所を送って」と妻から連絡が入った。片手間に地図アプリで場所を妻に送信して準備に戻った。

15分後、また妻から連絡が入った。

 

妻「着いた、どこで待てばいい?」

平「え?集合までまだ30分はあるぞ?」

妻「打车した、朝だからすぐ着いた」

平「じゃあ正門で待ってなさい、すぐ行くから」

 

 

急いで準備を終わらせ集合場所で合流。妻が買ってきた小籠包を食べながらお客さん達を待った。

お客さん達が集まり、バスが到着したのでさぁ出発だ。周りが知らない人ばかりなのと、朝早いのでチビは大人しい。ライチ狩りの場所まで1時間半ほど移動するのでチビは少し寝ることに……。

 

photo1バスは順調に進み、ライチ農園に到着。眼前に広がるライチ農園にお客さんは「ライチだ~」の声をあげていたが、チビは借りてきた猫ならぬ犬の様に大人しい。(チビは戌年)

「ここら一帯は全部うちのライチなので、どれでもOKですよ」

と農園スタッフの説明にお客さんビックリ、チビはきょとん。とりあえず入園して良さそうな木を探す。チビはお気に入りのウルトラマンリュックを背負い鼻歌まじりで歩いている。

photo2

少し奥へ入った所で「桂味(Gui wei)」や「糯米糍(Nuo mi ci)」と言った美味しいと評判の木を見つけた。妻が一つ採り皮を剥きチビが一口。

チビ「好甜」

どうやら気に入ったようだ。それからは高い位置にある赤く色付いたライチを見つけて手を伸ばすが、もちろん届かないので妻が採りチビが食べる、という“作業”を繰り返していた。

暫くしてチビの所に行くと、食べ過ぎたのか若干飽きていた。農園は広く、天気も良く、木の木陰があるとはいえかなり暑かったので汗だくになっているチビ。毎回出かける時は背中に当てるタオル(汗巾Han Jin)を数枚と替えのTシャツを持っていないと安心できないほど。この日も汗巾を数回取り替えたが、びっくりするぐらいビショビショになっていた。

photo3

そうこうしている間に約1時間ほどが経ち、周りには自分達が来た時にはいなかった他のライチ狩りのお客さんが増え、農園内は賑わっていた。

「そろそろ終わりましょうか」

と会社の同僚から提案があったので、お客さん達に声をかけて周りバスへ向かった。希望者は農園入口でライチを購入する事ができたが今年はライチの値段が特に高いらしく、妻は「高すぎる、近所の果物屋さんで買った方が良かった」と買ったあとにぼやいていた。

 

一息つき、そろそろ戻ろうかというとき、

妻「友達がこれからここに来るから、そのまま違うとこに行ってくる」

と言ってバスには乗らず、友達の車で別の観光地へ向かった。

チビ「爸爸、拜拜~」

と朝にも見た光景で元気良く手を振るチビ。友達の子供と会えるので楽しそうに父へお別れの挨拶をしていた。

 

その日の夜はおじさんの家へライチを持っていき夕食を食べた。チビにとっては朝早くから夜までスケジュールパンパンな一日だったので、夜はいつもより早く電池切れとなり就寝。

平「こんだけ遊んだら当たり前だな」

いびきをかいて寝るチビを見て、また時間があればどっかに遊びにいかないとなぁ、と思った週末だった。

photo4

小小~、パパも少し頑張るはんで、これがらもあっちゃこっちゃさ連れで行ぐど。色んたとごさ行って色んたことすべしな。

 


photo prof平太郎
日本の東北出身で中国語がまったくできないまま中国に来ちゃった無計画男。寒い所と雪かきが嫌で南国広州で定住をほぼ決めている。最近はコピーロボット的な振る舞いの息子に同族嫌悪を覚えながら似たもの親子で一緒に妻に怒られつつも子育てに奮闘中。趣味というかライフワークになりつつあるクラフトビールを片手に夜な夜なビアバーを探し、せこせこリスト作りに励んでいる変人に果たしてまともな人間に育てられるのかと禅問答を繰り返す日々。

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