西環(サイワン)特集6・摩星嶺と不動産事情

2014/06/26

現代中国の父の足跡を訪ねる孫文歴史散策トレイル

現代中国の父の足跡を訪ねる

 

 

 

 

 

 

 

日本では「孫文」の名で知られる孫中山。中国の政治家・革命家で、辛亥革命を起こし中華民国(台湾)を建国した張本人だ。日本に亡命していたこともあり、よく知られた人物だろう。

香港には孫中山に関係する史跡、建物が多くあり、それらをめぐる散歩コースも人気。孫中山記念館をスタート地点に15の史跡や建物を巡るこのコース、全てまわると120分かかる。もっと手軽に散策したい人には青年時代に縁のある史跡のみを巡る45分コースがおすすめ。15の史跡には標識が立てられているので分かりやすい。コース内には急斜面の坂や、道が細くなっているところがあるので、動きやすい服装、歩きやすい靴でで出掛よう。日焼け対策も忘れずに。

孫中山ゆかりの地@西環

香港華人西医書院

1911年に創立された、香港一古い大学。孫中山は前身の「香港華人西医書院」の学生だった。1923年には母校の歴史ある本館で演説を行った。

ほかにもセントラル(中環)に孫中山に関係する地が多数存在する。例えば、西洋教育を行う香港初の政府創立の中学校「中央書院」は、彼が1884年から2年間在席した場所。また「美国公理會福音堂旧址」は、1883年に洗礼を受けキリスト教徒となった場所で、翌年からここに滞在し中央書院に通った。士丹頓街にある「香港興中會總會旧址」は、孫中山が創設した革命団体、興中会(こうちゅうかい)の本部があった場所で、ここで最初の革命の試みが計画された。1905年に設立された「同盟會招待所旧址」は、孫中山を始め当時の革命家達の非難場所だった。

 

Original site of Diocesan Home & Orphanage
(拔萃男書院旧址)

現在のDiocesan Boys’ School(拔萃男書院)。1883年に孫中山が香港で最初に通った学校で香港屈指のエリート男子校だ。1869年に創立された後、1926年に現在の場所に移築された。

ちょっと番外

砲台の山、マウント・デイヴィス(摩星嶺)に登る

マウント・デイヴィス(摩星嶺)

マウント・デイヴィスとは香港島最西端、ケネディタウンの西に位置する山とその周辺のエリアを指す。この山の名前の由来は1844年から1848年に在任した、第2代香港総督、ジョン・フランシス・デイヴィスにちなんでいる。19世紀後半は他国による海からの侵略の危険があったため、英国政府は香港島南西方面から香港へ出入港する全ての船舶を監視できるこの山に砲台を築くことを決定した。

1800年代の終わりになると、マウント・ディヴィスには5基の9.2インチ砲が設置された。東部に比べ幅の広い西部の水道をカバーするため重砲が必要だったのだ。1909年に砲台の建設が開始され、初めに4基の砲台を設置。この4基がほぼ完成と言う段階で、もう1基の砲台建設が決定、1912年にすべての砲台が完成した。その後、マウント・デイヴィス側に西部砲兵隊の本部が設立された。しかし1930年代半ばにはすでに旧式となったこの砲台の戦術的価値は低くなり、5基のうち、2基はスタンレー(赤柱)へ移された。

マウント・デイヴィス・パス(摩星嶺徑)の入り口

現在でも砲台跡はこの山に残されている。銅鑼湾とを結ぶ5番バスの終点が、標高269mの山頂へ通じるマウント・デイヴィス・パス(摩星嶺徑)の入り口だ。車一台が通れるほどの整備された道を、小鳥のさえずりを聴きながら登っていくと、時折木々の切れ間から、ゆっくりと海を行き交うコンテナ船の姿が見える。道なりにゆるい坂道を登り続けると、円形の強固なコンクリート製の砲台跡が見つけられるはずだ。今では樹木に視界を遮られているが、往時はラマ島の遥か向こうまで見渡せたことだろう。さらにユースホステルの先の急坂を登りきると、道は平坦となり最上部の砲台跡に着く。ここが頂上だ。その先へ進むと兵舎等、軍事施設の廃墟がひっそりと残されている。亜熱帯の植物に絡め取られてしまったかのようなその姿は、「天空の城・ラピュタ」の廃墟を思い出させる。

頂上までゆっくり歩いても約1時間弱で、散歩の延長程度でさほどきつくない行程。涼しい季節におにぎりを持って登りたい。出かける前に香港の歴史を調べておくと、目に映る風景も少し変わって見えるかも知れない。

専門家に伺った!

西環地区の不動産事情

第一不動産のビンセントさん

高層マンション

日本人に人気な香港島エリアといえば、不動の地位を占めているタイクー(太古)。同じく香港島にいても、サイワン(西環)地区は日本人に対してまだ新しい土地的なイメージではないか。

香港の日本人マーケット不動産業界で20年以上も働いているビンセントさんは、日本人が香港に住むならやはりタイクーかホンハム(紅磡)がいいと聞くそうだ。その比例は9:1=東区:西区。「日本人が物件を選ぶとき、大体2つのポイントで決める。1つ目は物件の新しさ。2つ目は交通の便利さ。タイクー、サイワンホーのあたりは築浅の物件があちこちにありまして、お馴染みの日系デパートもありますし、その人気は続きますね。」

一方、これからMTRが開通されるサイワンに対し、ビンセントさんはこう考える。「これまで人気だった物件、宝翠園(ベルチャーズ)は古くなってきて、あそこに暮らす日本人も少なくなると予想しています。ほかに新築物件もありますし、交通はきっと便利になりますが、日系デパートはまだありません。日本人学校に通うスクールバスもありません。家族連れの駐在員さんたちにはいろいろ不便でしょう。タイクー、ホンハムのように日本人で賑わう風景はまだ待ち遠しいと思います。」だが、単身赴任か子供がいなければ、ここもいいチョイスか

◆高士台 The Summaザ・サンマ
文教地区に新しくできたマンションです。周囲には香港大学等の格式高い有名校が林立しています。各地往来のバスやミニバスが近くを通過しており、この地域には2014年末より地下鉄が開通予定で、交通が今後更に便利になります。また付近にマーケットや商店も多くあります。
◆縉城峰 Island Crestアイランド・クレスト
2009年完成のマンションです。九龍へのアクセスも含めた交通が非常に便利です。豊富な設備があって、各フラットにバルコニーがあり、高層階からはハーバービューを楽しめるお部屋もあります。周囲にはマーケット、ファーストフード店、レストランが並び、買い物やお食事に便利です。

第一不動産 ディレクター ビンセント氏

 

第一不動産
もっと多くの物件紹介ビデオ、YouTubeで公開中!
http://www.youtube.com/user/HKApartments
ディレクター ビンセント氏
20年以上不動産経験を持ってる。2004年2月に第一不
動産を設立して、流暢な日本語を活かして香港の駐在
員たちに快適なお住まいのお手伝いしている。

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