エッセーの瀬!Vol.135「ウクレレ弾き語り」

2022/10/19

essay (2)

~在中邦人の感賞的後日談~
音楽、文藝、料理、絵画…世の中のありとあらゆる藝術を、市井の目線から解いてゆく…
気鋭のライター4人が送る痛快リレーエッセイ

 

「NO MUSIC NO LIFE」……なんつって~

前回まで「森のようちえん」について綴らせてもらったが、これからを生きる子ども達にもはやメリットしか感じない「森のようちえん」。その「森のようちえん」から大人である僕自身も一つ大きく影響を受けたことがある。

一般的な幼稚園や学校は、言うまでもなく園舎や校舎を構えているのが普通である。どんな幼稚園や学校でもカリキュラム内やHRの時など、園舎内・校舎内に置いてあるピアノやオルガンなんかの伴奏で歌を歌うという経験はみんなしているんじゃないかな。前回までのエッセイ内でも前述したが、森のようちえん・小学校はそれぞれの園や学校によって異なるが、園舎や校舎を持たないところもある。園舎や校舎がないということは、ピアノやオルガンなどの大きな楽器は用意することができないし、そもそも活動は基本的に野外。でも、森のようちえん・小学校でもみんなで歌を歌うということは一般の幼稚園・学校同様にある。じゃあ何の伴奏で歌うのか? そう、「ウクレレ」である。森のようちえん・小学校の子ども達が、スタッフのウクレレの伴奏で楽しく歌っているのを見て、ここ最近、僕がハマりにハマっている正体はまさに「ウクレレ」!!

ハマった一番の理由は、他の楽器に比べると明らかに簡単ということ。僕も過去にはそのカッコの良さの“見てくれ”だけに憧れ、アコギやエレキにも手を出した経験がある。が、経験者なら誰もが首を縦に振ると思うが、2コード目くらいに出てくる初心者殺しのコード「F」、これが弾けずにギター開始間も無くギター破壊パフォーマンスばりにギターをめちゃくちゃにしたくなるくらいマジで押さえることができない。無理矢理押さえたところで奏でられる気持ちの悪い音。ギターを弾ける人が本当にあの「F」を押さえられているのかと今でも不思議でしょうがない。

ウクレレ初心者のバイブル

ウクレレ初心者のバイブル

で、ウクレレだが、そのギターと比べるとまず弦の数が少ない。なんと3分の2!! しかも柔らかい弦なので、弦楽器初心者のブヨブヨの指先にも優しい。そして肝心なコードだが、最初にほんの3コード覚えてしまえば、なんと世界中の数万曲が弾けるとかなんとか。例のギターでは初心者殺しの「F」でさえも、ウクレレなら2弦をちょいちょいと押さえれば気持ちのいい音を奏でることができる。初心者向けの楽譜を広げ、覚えたたった3コードで、知っている曲を次々「弾き語り」なんてしちゃったもんならもう楽しくて楽しくて!!「  これが“音を楽しむ”で“音楽”か!!」なんて手垢だらけのフレーズを携え40歳手前にして音楽に目覚めたわけで。

そしてこのアラフォーおじさん、次に何をしたかというとYouTubeで「ウクレレ あいみょん マリーゴールド」を検索、その中でも特に簡単そうな「超かんたん版コード」を選んで練習スタート。前述の3コードにプラス2コードの計たったの5コードで弾けるという本当に簡単にアレンジされたコードなので、ウクレレを始めてたったの1~2週間でも、手前味噌ながら80%くらいの完成度までもってこれたかな!? という達成感。アラフォーのおじさんがあいみょんの弾き語りなんて、その“見てくれ”はギター初心者のコード「F」ばりに気持ちが悪いかもしれないけど、そんなの全然気にしません、自分がいかに“音を楽しむ”かだから!
「いや~、音楽って本当にいいもんですね~」

あいみょんbyアラフォー

あいみょんbyアラフォー


スクリーンショット (1691)

Mami&さとけん
ほんの一時帰国のつもりがコロナの影響で戻れなくなり“元”在中邦人に。夫婦間の会話での口癖は「中国だったら……」と、なんでも中国ベースで思考。
老珠江(珠江ビール)を片手に小炒肉や麻辣烫や东北饺子や花甲粉や炒面や抄手や重庆小面や猪杂汤や烧烤が食べられる日をただただ待ち焦がれる。

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