香港人に愛される滋養強壮食材 「ヘビ」スープ

2023/01/04

寒くなればヘビ屋が儲かる! ?
香港人に愛される滋養強壮食材
「ヘビ」スープIMG_3244

冬の風物詩・ヘビスープ
この寒い時期は身体の芯から温まりたいもの。そんなとき、香港では蛇羹(セイカン)と呼ばれるヘビのスープが最強とされている。ヘビの肉や鶏肉、生姜などを数時間煮込んで作るとろみのあるスープで、お好みで薄脆(ボクチョイ)と呼ばれる薄くて脆い揚げ煎餅のようなものと、レモングラスを散らすと、違う食感と香りが楽しめさらに美味しくなるという。

香港人の間でも好き嫌いは分かれるらしい・・・
当然のことだが、香港人の間でもヘビに対して好き嫌いは分かれる。好きな人は、寒さが厳しくなるこの時季、「ヘビ、行っとく?」とばかりに家族連れ立って毎週のように足繁く通うのだとか。

香港で食べられるお店
香港内にはいくつかヘビ料理をいただける店がある。中環の「蛇王芬」は、漢方医の先祖を持つ100年続く老舗店。その昔はリヤカーを引いて路上でヘビスープを売っていたそうで、時代は変わり路上販売こそしなくなったが、100年経ったいまもレシピはほとんど変わっていないのだとか。ほかにも、幼少期から先代である父親と山でヘビを捕まえていたというヘビ通の店主が切り盛りする湾仔の「蛇王」や、おしゃれな内装の店内でヘビスープがいただける希少なお店、沙田の「四季芬芳」など様々だ。

初ヘビを食しにいざ!
編集部が訪れたのは佐敦にあるヘビスープ店「蛇王弟」。昼食どきに訪れると、平日にも関わらず店内は満席状態だ。やはり香港人はこの時季ヘビを食べるのかと関心し、愛想のいい店員さんに「ヘビが食べたい」と言うと、「これだね!」と遠くのメニューを指差す。よく分からないが、香港では珍しいほどの人当たりのよさに「じゃあそれで」と従う。注文し終えたところでふと周りを見渡すと、周囲の人たちはカレーやら麺やら普通のメニューを注文しており、ヘビスープを注文しているのは我々だけ・・・。ヘビは大抵寒い日に食べるものなので、この日のようなそれほど気温の低くない日は、普通の茶餐廳(チャーチャンテン)として機能しているようだ。IMG_1839IMG_1844

果たしてそのお味やいかに
さっそく目の前に運ばれるヘビスープ。かなりゴロっとした大きめカットのヘビ肉が入ったスープを出す店もあるようだが、同店のそれは、どれがヘビ肉なのか分からないほど小ぶり。気になるそのお味は、臭みもなく鶏肉のようだ。とろっとしたスープとの相性もよく、普通に美味しくいただける。
しかし、とにかく量が多い。どんぶり鉢になみなみと注がれたスープは、とてもじゃないが食べ切れず、半分を過ぎたところで断念。そろそろマイタンかな?と思っていたころ、さらにてんこ盛りになったおこわがやってきた。セットを注文してしまっていたのだ。もうお腹はたっぷたぷなのだけれど・・・と戸惑いつつも、この組み合わせは定番らしい。箸を伸ばしてみると、もちもちのおこわにピーナツのカリカリとした食感がアクセントになっており、こちらもなかなかいける。価格は、蛇スープ(大)とおこわのセットでHKD102。よくよくメニューを見ると、スープは小さいサイズもあったので、それで十分かもしれない。IMG_3253

その効果が現れた!・・・かも?
さあその後、会社に戻りデスクに向かっていると・・・、何だか身体が変な感じ。腸の内側から熱が上がってくるというか、とにかく内臓が温まっている気がするのだ。これはヘビ効果なのか!?それともヘビを食べたという事実からくるプラシーボ効果なのか?どちらかは定かではないが、同行したもうひとりの編集部員も「お腹が温まって、何なら暑い」と言っていたので、いずれにせよヘビの効果はあったようだ。
日本より暖かいとはいえ、日によっては凍えるような寒さになることもある香港。今晩、ヘビスープ、行っとく?

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