深圳の小さな鎌倉「官湖村」 - 広東総合投稿

鎌倉と言えばアニメ『SLAM DUNK』や漫画から映画化され大ヒットを記録した『海街diary』の舞台として有名だ。さらに、鶴岡八幡宮で祈りをささげる人々、由比ヶ浜で波乗りをするサーファー、江ノ電の写真を撮る撮り鉄の人々は、鎌倉の日常風景に自然と溶け込み、古都に人情味を持たせている。
実は、深圳にも「小鎌倉」と言われる村があるのをご存知だろうか？透き通るように青い海や空があり、さらさらの白い砂浜があり、情緒溢れる駅前ロータリーがある。ここは中国の「最も行く価値のある場所114選」に選ばれ、中国で最も美しい八大海岸の一つに面する「官湖村」である。

海と空、カラフルな街並み
ここに着くと、田園風景が広がり、車も少なく、高いビルもない、風情のある街並みが目に飛び込んでくる。綺麗でのんびりとしていて、街を歩くと日本の鎌倉にいるような錯覚を持つほどだ。確かに地理的にも鎌倉と似ている点がいくつかある。それは道の果てに海が続き、さらに青い空に接するまでその青く広い一面が続くことだ。
広くはない官湖村では、必ず海辺の小道に出る。ある瞬間、自分が『スラムダンク』のワンシーン中にいるような感覚を持つか、もしくはサザンの曲をくちずさんでしまうかもしれない。海を背にした道の側は低い民家や商店などが並び、かわいらしい花や草花が植えられている。とにかくたくさんの色がひしめき、民家の壁にすら意外な驚きを見つけることができる。写真が苦手な方でも、ここでなら映える一枚を撮ることはさほど難しくないだろう。

延々と続く海岸線
カラフルな街並みを通り抜けて道の果てまで行くと、美しいビーチがある。数百メートルに渡る真っ白な砂浜は、砂が柔らかく、海水も澄んでいる。遠くには香港の島が見え、目の前には波に揺れるボートの景色が広がっている。
ここではウニが豊富に採れ、浜を歩いていると、かわいい貝殻やウニの殻（気をつけて）をたくさん拾うことができる。漁師が自発的に値段交渉をし、海釣りのお誘いをしてくるので、興味があれば行ってみるのもいいかもしれない。

海と村を一望できる「望魚嶺」
ビーチのそばには小さな山があり、地元の人は「望魚嶺」と呼ぶ。ここからはビーチと官湖村が一望できる。山に登るには石段を10分ほど登るだけと簡単に絶景スポットへと到着だ。頂上から魚の群れがどこで活動しているのかを見るために昔は漁師が頂上に登って海を眺めていたそうで、そこから望魚嶺と名付けられた。

国際アートエリアで芸術に触れる
官官湖村から少し離れたところに、「芸象ID TOWN国際芸術区」がある。官湖村に行くついでに訪れる人の多い観光地でもあり、ここには多くの芸術的要素が集まっている。前身は1989年に建設された深圳鴻華捺染工場で、19棟の旧工場から構成され、現在は芸術園区へとリノベーションされている。アートエリアの壁面にはそれぞれ特色のあるウォールアートが描かれ、“映えスポット”となっている。中に入ると、ギャラリー、カフェ、ユースホステルなど、文芸青年が好むであろう場所がたくさん隠されている。

大満足のシーフード
もともと漁村である官湖村。ホテルの海鮮はすべて海から引き揚げたばかりの新鮮な魚介とあって、シーフード好きには楽園のようなところだ。また、ここには屋台や夜市がたくさんあり、海の景色を見ながらバーベキューを楽しむこともできる。身も心もお腹いっぱいになる満足な旅が叶うわけだ。

風情ある民宿が人気
この村にはたくさんの民宿がある。色とりどりの建物が並ぶ様は、まるでカラフルな童話の町のようだ。どの民宿にも独自のスタイルがあるので、住みかを変えながら何日か滞在するのもいいかもしれない。
もしあなたが海が好きで、青い空や白い雲が好きで、人の多い場所に疲れてしまっていたら、ここが最高の目的地といえる。深圳の「小鎌倉」へ足を運ぼう。

住所：広州省深圳市龙岗区官湖路
交通：市内からE11または観光5号線などのバスで葵湧センターに行き、B 956バスに乗り換え到着。
注意事項：
1、ビーチにテントを張ることは禁止。満潮の時は水位が高くなるので注意しよう。
2、海辺にバーベキュー使用スペースがあり、価格は200元前後。バーベキューグリルと炭火が提供されるが、食べ物は持参する必要あり。
3、ハイシーズン時の民宿は事前予約が必要。
4、ビーチにはライフセーバーがいないので、遊泳の場合は各自で気をつけよう。