風水・中秋特集

2023/09/13

香港・風水事情

fuusui風水によって作られた街と言っても過言ではない香港。そもそも風水とは何か、また人々の生活にどのように関係しているのか-。知っているようで知らない風水について、専門家の話も交えながらその謎を紐解く今回の特集。旧暦8月15日(2023年は9月29日)に行われる伝統的行事で、風水とも関係の深い「中秋節」についても取り上げる。世界屈指の風水都市で、いいエネルギーに触れて運気を上げよう!

風水とは?
森羅万象は相反する「陰」と「陽」の2つの要素を持ち、相互に対立、依存しながら絶えず変化していると考える「陰陽論」。自然界に存在するあらゆるものは「木・火・土・金・水」の「五行」というエネルギーにつかさどられていると考える「五行説」。これらは古代中国に生まれた思想で、2つを合わせて「陰陽五行説」という。風水はこの陰陽五行を把握・分析して、生活や仕事などに生かす方法として中華圏では広く利用されている。

陰陽太極図
陰と陽を示したシンボルマーク「陰陽太極図(いんようたいきょくず)」。どこかで一度は目にしたことがあるだろう。太極図黒色は陰を、白色は陽を表し曲線で区切られているが、これは陰と陽の要素が真ん中ではっきりと分けられるものではなく、陰に傾いているものもあれば、陽に傾いているものもあり、流動的にお互いの過不足を補いながら最適なバランスを保っていることを表す。またそれぞれの中央に反対色の丸い点があるが、これは陰のなかにも陽があり、陽のなかにも陰があって、どちらかに100%傾くものではないということを示している。

五元素の性質
五行説の五元素は、それぞれが異なる性質や色などをもつ。五行 木:草木が育つように広がる性質。季節は春で、色は青・緑。
火:炎のように盛んな性質。季節は夏で、色は赤。
土:物事を育む豊かな性質。季節は土用(立春・立夏・立秋・立冬の前18日間)で、色は黄。
金:硬いものが変化する性質。季節は秋で、色は白。
水:生命の源となり流れていく性質。季節は冬で、色は黒。

繁栄する国づくりに活用された風水
風水の本来の目的は、繁栄する都市づくり、ひいては繁栄する国家づくり。そのために大地の気脈(エネルギーライン)を読む学問(気学)だった。現代に置き換えると、環境工学、都市工学、建築学に、地理学、天文学、地政学が加わったものといえるだろう。最大の使命は、国の首都を決めること。そして山や川の配置、方位から、大地のエネルギーが噴出する場所「龍穴」を導き出し、その上に宮廷、あるいは皇居をつくることだった。よってこれら古代都市の宮殿などは、すべて龍穴のエネルギースポットに建てられている。香港 龍穴の気脈を読むための基本とされているのが「四神相応」だ。玄武、青龍、朱雀、白虎の4つの神獣に囲まれた場所は栄えるとされ、それぞれの神獣に地形があてられている。たとえば、背後に高い山(玄武)、前方に河川などの水(朱雀)、左右に低い山や大きな道(青龍・白虎)がある所は最良地とされ、そのような土地は風と水に恵まれ、都市を建設するにはうってつけの場所なのだという。これら風水学は、古代中国の皇帝はもちろん、日本の支配者たちも都市づくりに利用した。

東京の発展は風水のおかげ?
風水学は、日本でも推古朝(602年頃)に伝来し、藤原京、平安京、江戸、東照宮、そのほか高名な神社の場所決めや計画内容に深く関わってきた。なかでも東京は最強とされており、国際的経済都市へと発展したのも風水学を取り入れた都市計画にあると考える人もいる。一方、豊臣秀吉が城を建てた大阪には風水が導入されていないという説もあり、そのため短命に終わったとも言われている。東京

日本で活躍した陰陽師
今から1300年以上前、日本で官職の1つとして確立されたのが「陰陽師」だ。陰陽師は風水と同じ陰陽五行の思想に基づいた陰陽道によって占いや地相などを行い、宮中において建築を行う際の吉日を選定したり、遷都の際に土地・方角などの吉凶を占ったりするだけでなく、占術・呪術・祭祀全般をつかさどっていた。
古代中国と同様、9世紀初頭の平安時代初期まで、陰陽道は国家機密として管理される。政治運営や人事決定から天皇の譲位に至るまで、政治の要となるあらゆる任務を担っていたからだ。中世以降は日本各地において民間で占術・呪術・祭祀を行う者も出てくるようになり、現代においては私的祈祷や占術を行う神職の一種として定義付けられている。

風水とは異なる四柱推命
陰陽五行説をベースとしたもののなかに「四柱推命(しちゅうすいめい)」があるが、これは生年月日や生まれた時間をもとに運勢を占う占術。形あるものからその形状がどのような過去をたどり、延長上の未来がどのように進むのか環境を読み解く風水とは異なる。起源は1,100年代の中国だが、四柱推命という呼称は日本で考案されたものとされている。

現代の香港人は風水を信じる?
香港では風水の番組がゴールデンタイムに放映されたり、専門誌が年間何冊も発行されたりと、風水を生活の一部と捉える人が多い。また香港大学専業進修学院には風水学コースがあるほか、風水専門の学校や教室がいくつも存在する。あるフランス系銀行では、毎年旧正月前に風水を駆使して1年の株式市場や香港経済の動きを占っているようだ。風水は建築やビジネス、心理学など様々な場面で参考にされている。

出産も風水で決める
生まれるその瞬間から風水が重んじられる場合もある。出産日や出産時間を風水によって決定し、帝王切開で最良の瞬間に生むのだ。
また風水師に名前を付けてもらうことも一般的。風水師が子供の誕生年月日、時刻、干支などを診断して命名する。最近では日本同様、親が期待や願いを込めて直接名付けることも多いが、のちにその名前を風水師に診断してもらい、五行から欠落しているものを見つけ出して、属性に関連する文字を名前に加えることもあるという。たとえば五行の水が欠落している場合、名前には溪、沙、淼などを加える。土が欠落している場合は佳など。現在でもこの習慣は香港のみならず広東省などで盛んに行われている。baby

 

 

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