遊び心溢れる【クラフトビール】現場レポート!

2023/10/18
アワード多数! 誰もが憩うくつろぎの場所
DEADMANdead

_WKN3329キュートなドクロマークがアイコンのブルワリー。商品パッケージには、ミイラやフランケンシュタイン、魔女やモンスターなど、こわカワイイキャラクターが満載だ。2018年創業と、香港クラフトビール業界では遅めのスタートとなったが、斬新なデザインや企画力では他社を凌駕する勢いがある。社名の「Deadman」は、元パイロットだった創業者の、「ワークホリックのように働くことに警笛を鳴らし、もっとリラックスして生活を楽しもう」という思いが込められているという。
新蒲崗にある工業ビルの広大なフロアに同ブルワリーはある。入り口にはドクロマークがこちらを見つめ、来訪者を歓迎しているようにも見える。コロナ以後、多くのブルワリーでは工場見学をストップしているところが多い中、Deadmanでは毎週金曜日の夜に予約制で、飲み放題のツアーを開催しているのも嬉しいところ。ブルワリー内には、タップルーム、ビリヤード台、ソファなどが置かれ、くつろぎの場所としても利用できる。Interior-1Interior-2 ファクトリー内には500ℓのタンク12台を有し、生産するビールの種類は50種類以上、香港中のタップルームやレストラン、小売店へと卸している。それ以外にも日本をはじめ、台湾、タイなどへの輸出も好調だという。IMG_4799 ブルワリーの実力は今まで獲得したアワードの数が実証している。例えば、ホップの苦味が特徴のダブルIPA(アルコール度数8%)「HOP ROBBER」は、Asia Beer Championship 2020で金賞含む6アワード、さらにフルーティーで女性ウケのいいアメリカンペールエール(アルコール度数5.4%) 「MIRROR MIRROR」はAustralia International Beer Award 2022で金賞含む5アワードを獲得。レストランやスーパーとのOEM商品や、シーズンごとのイベント向け開発にも力を入れている。
www.deadmanbrewery.com

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香港の空を飛ぶ鳥からインスパイア
BLACK KITE breweryblack

IMG_4780香港生まれの兄弟が2014年に創業。それ以前、金融業界で働いていた兄弟の1人がオフィスの窓から見えた、気持ちよさそうに飛ぶトンビ(鳶)を見て、脱サラしブルワリーを始めようと思いついたことが「BLACK KITE」の名の由来になった。その後、他の事業にシフトすることを決めた創業者に代わり、3年前友人であったイギリス人のトムさん(現在のヘッドブリュワー)が、ブルワリーを引き継ぐことを決意。自身も大のビール好きだというトムさんは、ここ香港で7年ほどビール作りに携わってきた。創業当時より変わらず黄竹坑のファクトリーでは、朝早くから夜遅くまで、丁寧なビール作りが行われている。タンクが11台(計900ℓ)と、ファクトリーとしては小規模だが、香港全土およびシンガポールなどの近隣諸国にも輸送販売を行なっているそうだ。IMG_4787IMG_4791 同ブルワリーの売れ筋はIPAの「Birds of Prey」がダントツ一位。ホップを豊かに使用した芳醇さとシトラスのみずみずしい香り、そしてすっきりとした後味が特徴だ。色は淡い琥珀色で、味・見た目ともにビールラバーのハートをがっつり掴んで離さない。「BLACK KITE」のこだわりは、悠々と空を飛ぶトンビのように、自由を愛し、創造欲を絶やさぬこと。「ビールを誰かと乾杯し、楽しいひと時を分かち合うように、コミュニティに愛される存在であり続けたい」とトムさんは語る。また現在は、世界でも注目されている、りんごを発酵して作るアルコール飲料「サイダー」とビールをミックスして熟成させる新商品を企画製作中だ。人材も規模もこれから拡大化を図る同ブルワリーの成長が楽しみでならない。
https://blackkite.hk

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日本にもタップルームを持つブルワリー
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IMG_4807火炭にある天井の高い広々としたブルワリー「Carbon Brews」。場所の名から由来したブランド名でもあり、また私たちが生活する上で欠かせない物質という意味合いもある。同ブルワリーは香港クラフトビールブランドの中でも有数の施設規模を誇り、香港に数ヶ所、日本にも独自のタップルームを有している。フロア面積は1,000㎡、一度に生産可能な麦芽汁は3,500ℓという。IMG_4815 この巨大なタンク群やオートメーション生産ラインの管理を行うのは、ヘッドブリュワーのディアスさん。カザフスタン出身の彼は、フランスで食品学を学び、ビール醸造の知識を積んだ。クラフトビールシーンの盛り上がる香港をキャリアの場と決め来港し、4年前から同ブルワリーで指揮をとっている。
写真にある3種類のビールはすべて、Hong Kong International Wine & Spirit Competition 2021にて金賞を受賞したもの。中でも黄色がキャッチーなデザインの「crazy rich lupulins」(Double Hazy IPA、アルコール度数8.2%)はグラスに注ぐと、向こう側が見えないほど濁っており、Hazy Beer好きをうならせる見た目でもある。味わいは、控えめな苦味とフルーティーさを感じられ、一口含むごとにホップの香りを楽しめる。IMG_4828 同ブルワリーのコンセプトは、スタッフ皆が意見を出し合い、より良い商品作りを目指すこと。会計セクションスタッフのアイデアが新商品のネーミングに採用されるなど、社内にボーダーはなく、和気あいあいと楽しむように働く社風。またこのラフな雰囲気が、ブランド力に創造性を生み出すのだろう。ブルワリーは現在、一般向けに一部改装中なので、近い将来本格的な工場見学を行えるようになる。乞うご期待!
www.carbonbrews.com

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