中国・香港地区で働く人のための資産運用術

2013/11/11

中国・香港地区で働く人のための資産運用術

あなたと家族の人生を守る資産防衛策の第一の優先課題として、海外へ移動した資産は世界的に信用が高く、巨大な支店ネットワークを誇り、通貨の分散保有ができる「HSBC香港」。そして、為替の先高感があると同時に高金利でもある人民元の定期預金ができる「中国銀行」に口座を持つことの意義を説明しました。

これで世界三カ所の「場所の分散」が実行されたことになります。

そしてHSBC香港と中国銀行はそれぞれ複数種類の通貨の預金ができるマルチカレンシー口座を備えているので口座内で様々な通貨を持つことにより、「通貨の分散」も達成することができます。

次の段階はいよいよそのお金を増やしてゆく行為、つまり資産運用をはじめるということになりました。

その第一歩として、独自の年金を作ってゆくために時間と投資対象の分散でリスクを極力抑え、専門家に運用を任せることもできる「長期積立ファンド」という投資手法があることを説明しました。だが、自分で試行錯誤をして、各国の市場や産業、経済状況を研究し果敢に取引をしたいという人もいるでしょう。

広い世界には短期間で数倍になるような個別株や株式を取引するようにすばやく売買が可能なETF(上場投資信託)など、魅力的な銘柄が数多くあります。日本で証券会社に口座を持って自分の判断で売買をするように、積極的な個別銘柄の取引で大きなリターンを狙ってゆくことは海外でももちろん可能です。

HSBC香港にも投資口座と呼ばれるものがあり、その口座を持てば、香港・米国株、ファンド(投資信託)に投資ができるので、一応の世界分散投資は可能になります。しかしさらにマルチマーケット(多市場)、マルチカレンシー(他通貨)で投資可能な証券会社を使いこなすことで、より低コストで柔軟なトレーディングができようになります。

香港を拠点とする証券会社には以下13の市場に上場されている株式の取引をすることができるところもあります。

香港、アメリカ、オーストラリア、上海B株、深センB株、インドネシア、日本、韓国、マレーシア、フィリピン、シンガポール、台湾、タイ。地元の香港はもちろんのこと、先進国のアメリカ、日本、成長著しい中国株、東南アジア地域の株式を直接取引することが可能。

馴染みの薄い各市場の株式取引で上手に運用するにはある程度の勉強が必要ですが、これだけのバリエーションと柔軟性を兼ね備えた証券会社は世界でもそれほど多くはありません。

こうした証券会社を使いこなすことができれば、海外投資をおこなううえで大きな武器となるのは間違いないでしょう。特に「ETF(上場投資信託)」の取引が可能なアメリカ市場が含まれているというのは大きなメリットです。

近年、日本の証券会社でも取り扱いが増えていてその存在が注目を浴びているETF(上場投資信託)とは、文字通り株式市場に上場されていて、普通株式とまったく同じように取引ができるファンド(投資信託)です。

通常の投資信託は売却するときにファンド運営会社に買い取ってもらうかたちになるので、現金化に数日かかることもあります。しかしこのETFは市場に買い手が現れればすぐに現金化できるので、頻繁に売買をする投資家にとっては流動性の高さという点で優れています。

アメリカ市場のETFには、地域別や産業別の株式はもちろんのこと、平均株価に連動するインデックスや債券、不動産、通貨、原油などさまざまな市場に特化したもの、また株価が下がったときに利益の出るショート(空売り)タイプ等様々な銘柄が用意されています。

上手に使いこなすことができれば景気拡大期でも景気後退期でも、世界経済が安定しているときでも、金融危機の最中でも、どんな局面においてもリターンを獲得することが可能になります。ヘッジファンドのファンドマネージャーのような運用が自分のパソコン上で可能になるといったら言いすぎでしょうか。

いずれにしても自分で世界の経済状況や産業のトレンド、個々の企業の活動を学び、ニュースや情報を消化して自ら運用する投資家にとっては大変役立つ投資ツールとなるに違いないでしょう。

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