香港サッカー 香港代表は東アジア杯の予選大会に出場

2014/11/24

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FIFA(国際サッカー連盟)が定める国際Aマッチ週間になると、世界中の各国A代表チームが国際試合を行なっている。各大陸連盟主催の本大会や予選、何も大会がない場合でも親善試合が組まれている。

11月の国際Aマッチ週間には、例えば日本代表はホンジュラス代表とオーストラリア代表を日本に招待して親善試合を行ない、香港代表は台湾で開催された東アジア杯の予選大会に出場していた。

国際Aマッチ週間になると、各国の国内リーグ戦(トップカテゴリーのみ)は行なわれない事が通例となっている。リーグ戦で活躍するA代表クラスの選手たちを、A代表チームに召集させ易くする目的で、国内リーグ戦を中断させる規約が存在する。

この期間中、世間一般はA代表チームの国際試合に目を向けるものだが、筆者は別の試合に足を運ばなければならない。香港プレミアリーグが中断する週末は、すぐ下のカテゴリーである香港1部リーグ(実質2部)が通常開催されているからだ。

今季の香港1部リーグは、15チームによる総当たり戦が行なわれており、プレミアリーグに参戦しなかった5つのチームと、昨季の2部リーグから上位10チームが加わり、白熱のリーグ展開を見せている。

リーグ戦全体の三分の一を消化した時点で、来季のプレミアリーグ昇格を狙っていると噂されるチームが首位を走り、昨季までの2部リーグ常連勢もプレミアリーグに参戦しなかったチーム勢を抑えて上位に顔を並べている。

筆者の視察目的も、来季のプレミアリーグ昇格を狙い戦力を拡充した首位のチームにある。選手たち個々の待遇までは現時点で未確認だが、今季のプレミア下位勢と対等に戦える戦力を保有している。

香港のプレミアリーグはプロ選手たちで構成されているが、下部カテゴリーは基本的にアマチュア選手主体の構成で、試合会場は公共の人工芝ピッチなどを使用して、入場料も取らない。

普段は草レベルの一般市民がサッカーをする場所で、草レベルとは明らかに違う集団が、本気の戦いを繰り広げている光景は一見の価値がある。プロと遜色のない選手、プロを目指す若い選手、そして外国人選手も混在。ピッチの間近で観戦できる臨場感もよろしい。

今季は9チームで開催されている香港プレミアリーグは、来季以降のチーム数拡大の意向を表明しており、将来的には12チーム程度での運営を視野に入れている。

筆者が視察したチームがプレミアリーグに昇格した場合、1部リーグに降格するプレミア最下位のチームにリーグ残留の特別措置が為され、来季は試合の日程が組み易く消化日程が公平になる偶数の10チームで運営される可能性が噂されている。

この筋書きは、香港のサッカー関係者の間では実しやかに語られており、降格阻止に向けたチーム強化費を、既に金庫に戻したプレミア下位チームが複数存在するとの事。

「最下位でも下部への降格がないのなら補強なんかしない。」香港リーグを長く戦うチームの本心が垣間見えている。今冬のプレミアリーグの移籍市場は極めて寒々しい取引になるに違いない。

≪つづく≫

文/池田宣雄(香港サッカー協会 賛助会員)

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