香港と広東のアート特集1・香港アートフェスティバル
伝統絵画に中国陶器、現代美術や映画、音楽、ダンス、建築・・・。一口にアートといっても、その幅は限りない。
香港では近年、金融だけではなく、アジアにおけるアートの中心地を目指そうと、国を挙げてのアートマーケットへの参入が盛り上がりを見せている。2年前からはアジア最大級の現代アートフェア「アートバーゼル香港」が開催されるなど、1年を通して大規模なアートフェスティバルを楽しむことができるようになってきているほか、アジアだけではなく欧米アーティストのギャラリーが各地に続々とオープンするなど、世界のアートが着実に香港に集まってきており、アート市場において、今後アジアのアートシーンを牽引する都市として世界から注目を集めている。
今回はそんな香港のアートシーンの現在を広東とともにご紹介!香港・広東の新たな一面を覗いてみよう!
香港アートフェスティバル
世界の一流パフォーマーが大集合!
年に1度のビッグな芸術祭まもなく開催!!
2月27日~3月29日まで、約1ヵ月にわたり開催される「香港藝術節(香港アートフェスティバル)」。普段なかなかチケットが手に入らない有名アーティストの公演も開催されるため、毎年注目を集めている。1973年に始まり43回目を迎える今回は、世界各国から集結した約140のパフォーマンスと170以上もの講演会やワークショップが、香港文化中心や香港シティーホールなど計28会場で行われる。
ここで今年の話題のプログラムをいくつかご紹介しよう。
Opera:Cantonese Opera(3月8日・12~15日)
中国の古典演劇「京劇」の広東版ともいえる広東オペラ。世界無形文化遺産にも登録され、今や香港を代表する伝統芸能だ。3月12~14日は広東オペラの王道をいくClassics Revisited、8日と15日は夫婦の愛の悲劇を描いたLovers’ Tearsの演目を楽しめる。
Music:Bobby McFerrin ‒ spirityoual(l 3月13~14日)
これまで幾度もグラミー賞を獲得しているアメリカのジャズシンガー、ボビー・マクファーリン。胸や頬を叩きながら歌うなど、独特な技巧とジャズの固定観念にとらわれない歌声で世界中にファンを持つ「声の魔術師」は、香港でどんなライブを見せてくれるのだろう。
Music:Gustavo Dudamel and the Los Angeles Philharmonic(3月19~20日)
名門ロサンジェルス・フィルハーモニックによるオーケストラ。指揮は、ベネズエラ出身のグスターボ・ドゥダメルだ。タイムズ紙の「世界で最も影響力のある100人」の1人にも選ばれた若き天才マエストロによる壮大な世界観に酔いしれよう。
Theater:Complicite ‒ Lionboy(2月27~3月1日)
日本語版も発売されるなど世界30ヶ国以上で翻訳されているイギリスのベストセラー小説「ライオンボーイ」は、ネコ語を話す11歳の少年が、誘拐された両親を探し出すためロンドンからアフリカを旅する冒険ファンタジー。創立30年の演劇団Compliciteとしては初となるファミリー向けの演目で、子供から大人まで楽しめる。
Ballet:The Bolshoi Ballet ‒ The Flames of Paris/Jewels(3月24~26日・28~29日)
バレエ好きでなくとも誰もが1度はその名を耳にしたことがあるだろうロシアのボリジョイバレエ団。今回はフランス革命などを題材にしたThe Flames of Paris(パリの炎)と、エメラルド、ルビー、ダイアの3つの宝石を題材にしたJewels(ジュエルズ)を上演。その美しい衣装にも注目が集まる。
また各公演にちなんだ様々な関連イベントが楽しめる「フェスティバル・プラス」も同時開催。実際に舞台で使うセットや衣装、小道具が見学できるバックステージツアーや、バレエ団スタッフによる講演会、音楽家が作曲のコツやアレンジアドバイスをしてくれるワークショップ、トップバレリーナやフラメンコダンサーによる技術指導セミナー、広東オペラの演舞者による演劇解説など、アートフェスティバルをより深く楽しめるイベントが盛りだくさん。
チケットのお求めは、ウェブにて。人気の演目はすぐに定員となってしまうのでお早めに。
香港藝術節 Hong Kong Arts Festival
ウェブ:http://www.hk.artsfestival.org
FESTIVAL PLUS +
ウェブ:http://www.hk.artsfestivalplus.org