旧正月を祝う「春節の縁起物」で新年を迎えよう
19日の春節を前に、街はお祝いモード一色だ。色鮮やかな飾り物や食品など”縁起の良さそうなもの“が街に溢れているが、それらが一体どのような意味を持っているのか詳しく知っている日本人は多くはないだろう。街の賑やかな春節の雰囲気に溶けこむように、あちこちで見ることのでき”縁起物“をじっくりと眺めてみるのも面白いかもしれない。
まるで門松のような飾り物!
【金柑の木】
広東語で幸運と財力を意味する「金吉」(ガム・カッ)と同じ発音の「キンカン(金柑)」。昔から「吉祥と富をもたらす」ものとされ、広東地方一帯で縁起の良い飾り物として多くの人に好まれてきた。広東省や香港では春節のこの時期になると、ほとんどの建物の入口やベランダに金柑の木が飾られる。どれも日本の門松のように左右対称に置かれ、枝にはお年玉用の紅包が括りつけられている。
鯉のぼりにも似た縁起物?!
【サトウキビ】
年末になると広東省の家々では根と葉が付いたサトウキビを2本用意して、春節の終わりまで部屋の隅に置く。サトウキビは、味は甘く、節目を増やしながら真っ直ぐと高く育つことから、新しい1年の生活を楽しく、子供たちの背丈も、大人たちの社会的地位もどんどんと高くなるようにとの願いを込めて飾られる。
いつもニコニコ笑顔でいられるように!
【笑口棗(ナツメの形をした揚げ菓子)】
ドーナツのような揚げ菓子。表面にゴマがまぶされていて、ピンポン球くらいの大きさの丸いスナックだ。「笑口」という字の如く、笑っている人の口元のような裂け目ができることから縁起物とされている。1年を通して食べることができるこちらのお菓子は、広州でも人気のスナックなのでどこにでも売っている。
お金も家族も大事にしたい!
【煎堆(チェントイー)】
広州の家庭では、一般的に春節の2週間ほど前からこの「煎堆」を揚げ始めるという。拳ほどの大きさで、柔らかく甘いお菓子だ。「黄金色の煎堆が机の上いっぱい積み上がった様子は、あたかも黄金が部屋にいっぱいに溢れているようだ。」と詠う有名な中国版川柳の1つ”煎堆轆轆、金銀満屋“にもあるように非常に縁起の良いものとして大事にされている。また、まるまるとした煎堆は、家族が仲良く暮らせるようにという意味も持つ。
金運、健康。新年を迎えるにあたり、人々が祈ることは万国共通なのかもしれない。春節モードのせわしない街に繰り出し、中国の縁起物をGETして2度目の”お正月“を迎えてみるのも良いかもしれない。