ヴィクトリア ハーバー特集16・Star Ferryと巡るハーバー

2015/03/25

ヴィクトリアハーバー物語

24時間、大小さまざまな船が行き交う、ヴィクトリアハーバー…。英国女王の名を冠するこの港の歴史は、そのまま香港の歴史でもある。当たり前のように、ここに暮らす私たちにとって身近な存在ではあるが、実はまだまだ知らない事が沢山あるはずだ。ここで働く人々、海の番人、楽しみ方、人々が心待ちにする海上イベント・・・港に立つ波のように様々な顔を持つ物語のページを捲ってみよう。

ノスタルジックな気持ちに酔いしれて・・・歴史とロマンが詰まった市民の足

Star Ferry約120年の歴史を持つ「スターフェリー」。今となってはバスやMTRで簡単に行き来ができる九龍半島~香港島間だが、その昔、船はこれらを繋ぐ貴重な交通手段だった。運賃が安いことから現在も地元民の足として重宝されているスターフェリーだが、たった数分の手軽なクルージングで、ヴィクトリアハーバーや香港両サイドの街並み、その背後に佇む山々を一度に味わえることから今では観光客にも人気の乗り物だ。

特に日没後はおすすめ。ハーバーに吹き込む夜風にあたりながら水面に映る摩天楼の夜景に酔いしれ、陸からのそれとはまた一味違った香港をしっとりとかみ締めることができる。センチメンタルな気分が浸りたい、そんな夜にはぜひこの短い船旅に出掛けてみよう。

定期船は、九龍側のチムサーチョイ(尖沙咀)と香港島のセントラル(中環)およびワンチャイ(湾仔)をいずれも10分弱で繋いでおり、セントラル便は6:30~23:30まで約10分間隔、ワンチャイ便は7:30頃~23:00頃まで15分前後間隔で運行。ワンチャイ便は2階席のみ、セントラル便は運賃が安い1階席と景色のいい2階席に分かれており、2階はHKD2.5(土日祝HKD3.4)、1階はHKD2(土日祝HKD2.8)で利用できる。チムサーチョイの乗り場はハーバーシティ横にあるバスターミナルの奥、セントラルは7番埠頭だ。ワンチャイのターミナルは、昨年、旧乗り場のすぐ隣に移転した。

チムサーチョイ~セントラル間で香港らしい景色を楽しみたいのなら、チムサーチョイからは進行方向左側、セントラルからは右側の席がおすすめ。またシートの刻印や煙突、乗組員の制服など、フェリーの至るところに「スター」マークが。ディズニーの隠れミッキーのように、隠れたお星さまを探してみて!

10分だけではもの足りない!スターフェリーをもっと楽しみたい!という人には、特別便も運行している。1つは、ビクトリア港を時間をかけてゆっくりと堪能できる「ハーバーツアー」。3つの定期乗船場を経由し、ビクトリアハーバーを1時間でまわるこのツアーは、12:00頃~20:00頃まで運行しており、日中はHKD90、夜はHKD170で乗船できる。さらハーバーツアーを120%楽しみたい人には、毎晩開催される光のショー「シンフォニー・オブ・ライツ」が船上賞できる便(HKD195)がおすすめ。チケットはチムサーチョイ乗り場やセントラル7番埠頭のツアーチケットカンターで購入可能。ウェブ予約などはできず、支払いは現金のみなのでご注意を。

そしてもう1つご紹介したいのが、スターフェリーを貸し切ることができる「フェリーハイヤー」だ。特別なパーティーや誕生日会を開催しい人におすすめなこのハイヤーサービス。ビュッフェテーブルなどを用意してくれ料理の持込みもできるほか、アコン完備なので暑い季節も快適だ。チャーターする船によって価格やサービス内容は異なるが、例えば最大150人まで乗船可能なクラシックフェリー号なら、最大3時間の利用で平日HKD4,700、土日祝HKD6,100で利用できる。別料金で、時間延長や定期乗船場以外の接岸など細かな要望にも応じてくれるので、どこにもないオリジナルパーティーを考えている人には最適だ。

今後ホンハム(紅磡)とワンチャイを繋ぐMTRラインが開通予定など、さらに容易になるハーバー越えだが、香港民に愛されるこのスターフェリーはこれからも変わらずロマンを運び続けてくれることだろう。

天星小輪有限公司 The Star Ferry Company
ウェブ:http://www.starferry.com.hk

 

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