香港・孟意堂の風水シリーズ!見上げてごらん夜の星を

2015/06/09

第38回見上げてごらん夜の星をの巻
中国で生まれ五千年以上の歴史ある風水。ここでは便利な風水の道具(ツール)をご紹介しながら風水の奥義に迫ります

◆高野山での不思議体験◆
先回に続き高野山での話。
高野山の宿坊で早めの夕食を終えた後、まだ陽も明るかったので奥の院に行くことにしました。無知とは恐ろしいもので、陽のあるうちに弘法大師様の眠る御廟に行けるだろうと軽い気持ちで奥の院を元気よく歩いて行きました。
ところが、歩いても歩いても目的地に到達することができません。そうこうしているうちに陽も沈み暗くなっていきました。その上、右を向いてもお墓、左を向いてもお墓、歩けども歩けどもお墓の奥の院。さすがの筆者も怖くて引き返すわけにもいきません。
しかし、陽が沈んだ後も意外と明るく「◯◯の墓」という文字が見えるほどです。ふと空を見上げてみると、香港では決して見ることができないような明るい月と満天の星が見えるではありませんか。月と星の明かりがこんなにありがたいものだったと改めて気がつき、つたない天文知識を頼りに東西南北を見失わないよう、時おり空を見上げながら歩いて行きました。「昔の人はこんな風に星を頼りに歩いていたのかもしれない。」といにしえの時代にタイムスリップしたようで、なんだかうきうきした気持ちすらなれたのです。
その後無事に御廟に行くことができましたが、この不思議体験の後宿坊に戻ったのは出かけてから2時間半後のことでした。

◆風水で光を建物に取り入れること◆
風水の世界では、光の照らす明るい場所には陰陽の「陽エネルギー」が存在し、光の当たらない暗闇の中は「陰エネルギー」が存在すると言われています。「陰」が強いとそこにいる人に活気がなくなり、動作も鈍くなり、外に出かけるのも人に会うのも億劫になってしまいます。よって住まいでも店舗でもできるだけ「陰」の気が強くならないように創意工夫されています。
例えば、右の写真のように天井がガラス張りになっている商業施設を香港ではよく見かけることができます。こうした建物は昼間は太陽光を、夜は月光を、つまり昼夜を問わず自然な光を建物内に取り込んでいます。
太陽や月の自然光は人工的な光とは違って、単に明るいだけではなく、人々を生き生きとさせ活気をもたらすことができるのです。

◆久美子的天と地の輝きを活用する奥義◆
高野山の奥の院は森に囲まれ中間に一定の空間があり、そこに沢山のお墓があります。それらのお墓は、前述の天井がガラス張りの建物のように昼間は太陽光を、夜は月光を浴び、永続的に太陽と月のエネルギーを取り込んでいます。ある意味これはすごいことで、これらお墓は先ほどの生き生きパワーを永続的に受けているのです。
風水では住まいや商業施設、事務所など今を生きている我々が生活する場所を「陽宅」と呼び、我々のご先祖様のようにこの世にいない方々が眠る場所を「陰宅」と呼んでいます。「陰宅」は実はその子孫である我々に大きく影響するため、香港では「陽宅」以上に重視しています。奥の院のように素晴らしい環境に陰宅があり、その子孫が繁栄しているのは、当然と言えば当然のことかもしれません。
ところで、あの日の夜の奥の院がとても明るく見えたのは月や星の明かりのせいだとずっと思っていました。しかし、生き生きとしたエリアというものはまるで時の人が輝いているようにとても明るく見えます。あの明るさはもしかしたら天から受けている明るさだけではなく、あのエリア自身の明るさなのかもしれません。弘法大師様が高野山を開いて1200年経った今、天のエネルギーのみならずあのエリアの人々の力によって、その輝きはさらにパワーアップしているのです。
空間

彦坂 久美子
<プ ロフィー ル >
愛知県名古屋市出身。中国古代からの知恵である風水に魅かれ、著名ブランドが認めた風水師デビッド•ソー先生の弟子として無常派風水に師事。易経、四柱推命も含めた玄学に長年携わる。住宅、事務所、店舗等の風水の他、店舗の開店日や引越し、結婚の日取り等の選定、四柱推命を使い、結婚、子育て、ビジネス、健康等人生における様々な問題やニーズに対応している。
孟意堂孟意堂
<問い合わせ先>
住所:Rm. 2912, Tower 2, Times Square,
1 Matheson St., Causeway Bay
電話:(852)9841-6366
ファクス:(852)2961-4800
電子メール:kumiko6ring@gmail.com

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