「日本経済新聞国際版ニュースの活用方法」日発投資有限公司 総経理 吉田暁

2015/06/29

「朝一番に読みたい!」を電子版で。自宅と会社ではパソコン、出張先ではスマホでチェック。

香港・華南地区をはじめ、海外で活躍する日系企業の方たちに不可欠な情報源となっているのが「日本経済新聞国際版」。
今回は日発投資有限公司 総経理の吉田暁さんに、ニュースを仕事や生活に活かす読み方のポイントを聞いた。

日本経済新聞を長く愛読されているそうですね。
はい、社会人になってからずっと読み続けています。公平中立な立場で書かれており、日本はもとより世界の経済情勢を知ることができるので、朝一番に読みたい新聞です。特に中国では日本語書籍を扱う書店が少ないので、日本の情報を得ることができる、大事な情報ソースとなっています。
今は電子版ができて便利になりましたね。電子版ができる前、広州では1、2日遅れで届いた日本経済新聞国際版をみんなで回し読みしていました。電子版ができてからは日本人駐在員はすぐ電子版が使えるように切り替えました。朝、パソコンを開いたら、まず電子版に目を通すのが習慣になっています。家と会社ではパソコンですが、出張先ではスマートフォンで使って電子版を読んでいます。

どのような記事をチェックされているのですか。
まずは一面のニュースと社説。そして、弊社は、ばねを中心に自動車関連部品等を取り扱う会社の中国統括会社なので、自動車や中国経済に関係する記事には必ず目を通します。ビジネスリーダーに関する特集は、他の経営者の考え方などが分かるため、よく読んでいます。「私の履歴書」は書かれている方にもよります。
日本経済新聞では、メールで最新ニュースのリストを配信してくれるので、どんなことが起こったのか、タイムリーに知ることができるのがいいですね。気になるニュースは、リンク先にアクセスしてチェックしています。電子版に速報ニュースの配信など、サービスの内容がどんどん進化してきてるのがすごいなあといつも思っています。

日発投資有限公司 総経理の吉田暁さん「読んでいてよかった」と思ったことがありますか。
ビジネスをしている方は、皆さん、日本経済新聞を読んでいらっしゃるので、出張者や偉い方とお会いするとき、「紙面に○○について載っていましたね」というふうに、情報共有がスムーズにできます。話題づくりにも役立っています。

日本経済新聞を「紙」で読みたいという人もいるようです。
そう思います。長く日本経済新聞を愛用している人たちは、アナログになれているので、紙で読みたいという人も多いのではないでしょうか。広州でも、朝一番で配布してくれるシステムができたら、多少高くても購読すると思います。ただ日本人が6,000人の町なので、採算が合わないのかもしれませんね。

ローカルの新聞はお読みになりますか?
ローカルの新聞は、中国人のスタッフに訳してもらい、社内のポータルネットで配信しています。ローカルの新聞と日本経済新聞国際版を読み比べると、観点が180度異なることもあり、いろいろなモノの見方があることを知ることができます。

貴社の事業についてお聞かせ下さい。
弊社は、ばねを中心にサスペンション、シートなど自動車関連事業や情報通信事業、産業・生活に関する事業を手掛けるメーカー「日本発条株式会社」の中国統括会社です。中国内にある20拠点の工場がモノづくりに専念できるように、「地域本社」という位置づけで4年前に設立されました。
多くの大企業は北京や上海に各拠点を統括する地域本社を置く中、広州に置いたのは日系企業では初めてだったそうです。広州には自動車会社が多くあることから、ここに拠点を設けたのですが…。ちょうど広州で進出する企業に対する優遇策を始めたときでしたので、いいタイミングでしたね。
中国では、工場を作ると現地法人を設立しなければならず、それぞれの拠点で会計、労務、人事など様々な業務を担わなければならなくなります。駐在員からは「モノを作るつもりできたのに、半分が総務関係の業務に時間を取られてしまう」という声も聞かれました。労務・採用など規定がなかったり、あったとしてもバラバラだったり…。弊社では統括会社として、そうしたルールを決めて、サポート体制を整備しています。

いろいろな相談も寄せられるのでしょうね。
はい、コンサルタントの役割も担っています。起こりがちなトラブルなど踏まえて、工場の経営・財務・法律問題等を解決する方法をアドバイスしています。弁護士やコンサルタント会社とも契約をして対処できるようにしています。
20拠点のうち、4拠点は、弊社がサポートしながら立ち上げた会社です。新会社設立のノウハウも蓄積しています。
地域統括会社として、スケールメリットを利用して、航空会社と契約したり、保険に加入したり、現地社員向けの教育を行ったり、グループファイナンスを作ったり…。様々な取組みを行ってきました。私の座右の銘は、上杉鷹山の「なせば成る 為さねば成らぬ…」という言葉です。今後も地域統括会社として、積極的に動いて、工場がモノづくりに集中できる環境づくりをしていきたいと思っています。

吉田暁日発投資有限公司 総経理
吉田暁さん
1992年にみずほ銀行の行員として上海に赴任。以後、上海・深セン・青島・香港での駐在を経験。2011年より現職。銀行員時代に培ったノウハウを活かし同社で中国20拠点のグループファイナンスを確立。現在も中国各地を飛び回る生活を送る。

日発投資有限公司
世界的に業界トップクラスのばねメーカー「日本発条
株式会社」の中国統括会社。中国で、自動車のバネ、
サスペンション、シートなどの製造を担う20拠点の
「地域本社」という位置づけで2011年に設立された。

住所:広州市天河区体育東路138号
金利来ビル1511室
電話:(86)20-3826-7062(內線番号8011)

日本経済新聞 国際版、電子版のお問い合わせは日経中国(香港)社まで Tel:(852)2598-1771 E-mail:nikkei@nikkei.com.hk

 

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