路線バス特集6・バスで国境を越える

2015/07/15

オープンタイプの観光バス【広州発】
知られざる“巴士”事情
香港やロンドンでおなじみの2階建てバス、実はここ広州でも乗車できる!雨の多い広州にも対応したオープンタイプの観光バスに注目するとともに、路線バス利用者に役立つ“車来了”アプリや、冒険心くすぐるベトナム国境越えについてご報告!

“空飛ぶ感覚”が新鮮!
2階建てオープンバスから珠江沿いを眺めよう!
【広州双層旅遊観光巴士
旅遊観光1線】

2階建てオープンバスから珠江沿いを眺めよう!広東のバスも体験してみたい!広州では1993年ころから2階建てバスが走っていた。ところが、街路樹や電線、陸橋などの制限のため、やむなく休止に追い込まれていたのだ。十数年の時が流れて、2013年2月から運行が再開!まず6台が投入され、運行本数を充実させるためにさらに改良型7台が追加投入された。
すべてがオープンバスなので、これまで屋根に遮られて見ることのできなかった、ダイナミックな景観や美しい街路樹を、まるで空中を飛んでいるかのように眺めることができる。普段のバスではわからない香りや音などが感じられて新鮮なのだ!この特徴を最大限いかせる路線として選ばれたのは「旅遊観光1線」。赤崗塔、広州タワー、黄埔古港古村といった海珠区の景観スポットが網羅されている。時速40キロ以下でゆっくりと風景を楽しめるだけでなく、珠江沿いのうつりゆく季節の香り、街の音やさわやかな風も感じられるはずだ。
2階席を利用するなら天気の良い日がオススメ!雨天の場合は可動式ルーフで覆われるので2階席は少々蒸し暑くなる。そんな時は冷房の効いた1階席を利用しよう。交通手段としてしか認識していなかったバスが、まるで遊園地のアトラクションになったような感覚を体感しよう!
仕様・特徴:車体はロンドンバス風の外観でオレンジ色。雨の多い広州にあわせて可動式ルーフが取り付けられており、雨が降るとすぐに覆われるようになっている。改良型は、2階部分の側面に安全ガラスが取り付けられている。これにより横から吹き付ける雨や風を防いでくれるほか、車外に頭や手を出すことでけがをする事故や街路樹の伸びた枝などが車内に入り込んでくる事故を防いでいる。1階席も含めた定員は38名。最高速度は時速40キロ以内と規定されているので、ゆっくりと風景を楽しめる。このほか、“巴姐”と呼ばれる乗務員が2階席の安全のために乗車している。巴姐は2階席の全乗客のシートベルト着用を確認後、ボタンを押して運転手に知らせるシステムとなっている。
広州双層旅遊観光巴士 旅遊観光1線注意・案内:2階席では必ずシートベルトを着用しなければならず、完全に停止するまでは席を立つことができない。前もって“巴姐”(乗務員)に下車することを伝える必要がある。始発7:00、終発21:00 運賃3元。
■路線データ
珠江泳場総站→黄埔古村総站:珠江泳場総站-中大北門西-中大北門-珠江広場-広州大橋底-新鴻花園-赤崗塔-広州塔東-閲江西路西-閲江西路中-閲江西路東-会展公園-閲江中路-会展中心碼頭-会展中心北-閲江中路東-琶洲塔-琶洲村-黄埔技工学校-楊青村-黄埔古村総站
黄埔古村総站→珠江泳場総站:黄埔古村総站-黄埔村-楊青村-黄埔技工学校-琶洲村-琶洲塔公園-閲江中路東-会展中心北-会展中心碼頭-閲江中路-会展公園-閲江西路東-閲江西路中-閲江西路西-広州塔碼頭-広州塔西-赤崗塔-広州大橋底-珠江広場-中大北門-珠江泳場総站

広州から陸路でベトナム・ハノイへ広州から陸路でベトナム・ハノイへGO!!
バスを乗り継ぎ20時間!
ちょっぴりスリリングなバスの旅。
広州から南寧へ向かう寝台バスの車内には、カーテンのない通路を挟んで細長いアルミ製の2段ベッドが並ぶ。後方にあるトイレはドアが閉まらず、バスがブレーキを掛ける度にバタンバタンと開き、臭いが漂うためなるべく前のベッドを確保する。
広州から南寧へ向かう寝台バス 寝台バスの車内 広州から南寧へ
20時20分。乗客を満載にしたバスは出発と同時に消灯。「それじゃぁしょうがねえ。」と荷物を枕に寝ることにする。横になりながら夜の街並みを眺めるのは、列車では味わえないバスの旅ならではの醍醐味だ。途中、何回かのトイレ休憩を挟み約13時間、バスは早朝の南寧市内に入る。ここでハノイ行きのバスに乗り換え、中国側の国境・憑祥(ピンシャン)を目指す。途中、畑を走るトラックやゴツゴツとした岩山の風景を眺めながら改めて中国大陸の大きさを実感する。国境に到着すると首から下げるタグを渡され、これを目印にベトナム側の国境へ向かうミニバスに呼び込まれる。出入国審査を終えるとまたバスに乗り込み、ハノイを目指す。
ベトナム側に入ると車窓の景色は一変。藁葺き屋根の家々、機械化のされていない田園地帯、中国との格差を目の当たりにした気分だ。日系企業の工場が並ぶハノイ近郊を抜け、夥しい数のカブが行き交う市内に到着する頃にはもう夕暮れ時。よくよく車内を見れば広州からずっと一緒の顔ぶれもいる。「もうちょっと乗っていたいな」と呟き、ちょっぴり寂しい気持ちになりながら約20時間にも及ぶ国境越えのバスの旅が幕を閉じる。
バスの車窓から 出入国審査 ベトナムの街
【旅程】
広州市→南寧市→憑祥(
→ベトナム入国→ハノイ市

車来了バスアプリ「車来了」で
乗りたいバスをロックオン!

広東省で利用できる都市:広州、深セン、中山、東莞、佛山、恵州

Q:「車来了」はどんなアプリ?
A:路線バスの待ち時間を節約するのに役立つアプリ。これを使えば乗りたいバスがいつ到着するかが一目で分かっちゃう!

Q:どんな時に使うの?
A:例えば、コンビニで買い物をしている時、カフェで休憩している時でも、乗りたいバスが決まっていれば、このアプリで次のバスの到着予想が確認できるので、余裕を持って行動できる。急いで店を出て喘ぎながらバス停に向かうこともなくなるはず。

Q:使い方は?
A:まずは、スマホの位置情報が使えるように設定しておこう。アプリを開いて乗りたいバスの路線番号を入力する。路線が表示されたら、自分のいる場所から一番近いバス停に向かっているバスが今どこを走っているかが一目瞭然!

Q:ほかに便利な機能は?
A:よく利用する路線には、すぐ探せるように☆のマークを押してお気に入り設定しておくと便利。ラベルも付けられるので、通勤や通学などで分類もできる。乗りたいバスに乗り遅れないようにアプリのアラーム設定を利用するのもオススメ。
車来了アプリ画面 車来了アプリ画面 車来了アプリ画面

 

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