アパレル会社「Advance Wave Limited」勤務、菊地麻由さんインタビュー

2015/09/21

菊地麻由香港、広東で輝き続ける女性に合いたい!

香港でアパレル会社に勤務する菊地麻由さん。
いつも笑顔の彼女は、周囲を楽しい雰囲気にしてくれるオーラのようなものが漂うが、「ディズニーランドでダンサーとして働いていたため、笑っているのがクセになってしまった」のだそう。
ダンサーからどうしてアパレル業界に?香港にきたきっかけは?
菊地さんにお話を伺った。

Advance Wave Limited勤務
菊地麻由さんインタビュー

小さい頃から好奇心旺盛だったそうですね。
はい。周りの人からは、好奇心が旺盛すぎて、落ち着きがないといわれていました(笑)。何でもやりたがりで、代表を決めるときは必ず立候補。他人事みたいですが、いろいろやってみたかったのでしょうね。学校の生徒会にも入っていましたし、学校対抗のスポーツチームを作るときもいつも参加していたくらいです。スポーツは3歳から水泳を、10歳からダンスを習い、中学校ではバスケットボール部に、高校ではチアダンス部に所属していました。

菊地麻由 仕事モード積極的なお子さんだったんですね。香港に来る前はどんな仕事をされていたのですか。
香港に来る直前は、アパレルの店舗コーディネートや販売の仕事をしていましたが、もとはオリエンタルランドのテーマパークのダンサーでした。
ずっとディズニーランドのダンサーになりたいと憧れていたのですが、そのオーディションが受けられるのは18歳からでしたので、高校3年生のときにオーディションを受験。受かれば19歳の春から就職できるはずだったのですが、その年はダメでした。オーディションは年に1回しかないので、受からないと次の機会は1年後になります。結局4回目で受かりました。そろそろあきらめないと―、と思い始めたときでした。でも受かるまでの間も、ダンサーとして仕事していました。

未経験の業界で働くことは常に新しい刺激に満ちている

ディズニーランドのオーディションは厳しいものなのでしょうね。
書類審査に始まり、一次、二次のダンス審査や面接があります。ダンスの審査では、ゼッケンをつけて、体育館で1回10人くらいが一斉に踊ります。1,000人くらい受けて、受かるのは50人ほどでしょうか。
ショーダンスは、バレエやヒップホップなど、ひとつのジャンルができれば受かるというものでもありません。臨機応援に対応できるベースも求められます。オーディションのために、ジャズダンスにコンテンポラリーダンスなど、いろんなジャンルのレッスンを受けましたね。オーディションを受ける中で、踊りをうまく踊るだけでなく、踊りの楽しさをゲストの皆さんに伝えられるかどうかが、合否の伴になることに気づきました。それが転機になったと思います。
ダンサーは1年契約で、毎年、オーディションを受けなければいけませんでした。契約のときは「あなたとの契約は○○円になります」「はい」という具合で、緊張感がありました。他にも大変なこともあったと思うのですが、今は美化されて楽しい思い出しか残っていません(笑)。ディズニーランドでショーをするときは、何万人というゲストをみると、自然に楽しくなって、盛り上がっていましたね。
ショービジネスの世界にいたので、ニューヨークやロサンゼルスの舞台にも憧れていました。もちろんいつかはいきたいと思っていたけれど、なかなかいけまKey Woman 輝き続ける女性に会いたい!香港、広東でせんでした。世界のトップダンサーが集まる街に行ったら、ダンスをあきらめたくなってしまうのではないか―、そう思うと怖くて行けなかったのです。
菊地麻由 ディズニーダンサー 菊地麻由 ディズニーダンサー2
東京ディズニーランドでダンサーとして活躍

そのダンサーの仕事を辞めてアパレル業界へ。
はい、ダンサーは、ずっとできることではないので、切り替えて、20代のうちに次のステップにいけたらと思っていました。それで香港に来る前にやっていたのがアパレル関係の仕事でした。

どういうきっかけで香港へ?
飲食関係の仕事をされている方から「香港にはショーパブがないので、それを作ってみたい。そこで踊ってくれないか」と声をかけていただきました。再びダンスでお仕事のお話をいただけたので、その年に香港・日本間で開始されたワーキング・ホリデーのビザを取って2010年10月に香港へ。
友達からはニューヨークでもなく「なぜアジアなの?」と驚かれましたが、応援してくれました。以前、旅行では訪れた香港は、高層ビルが立ち並んだ風景が、ちょっとニューヨークっぽいなという印象でした。そんなことも香港行きを決心するきっかけになったかもしれません。
菊地麻由 フラダンス    菊地麻由 フラダンス2
現在はパーティーなどでフラダンスを披露している。

香港での生活はいかがでしたか。
これまで関わったことがない、いろんな人と接する機会がありました。例えば駐在員の方たちです。会社の看板を背負って、語学も駆使しながら、異国の地で働く方たちに触発されました。ダンス以外でも、海外で働くというイメージが描けるようにもなった気がします。
ショーパブの仕事では、一日に何回か舞台に立っていました。1年間、このお手伝いをするつもりでしたが、お店は早い段階で撤退してしまったのです。

その時、香港に残る選択をされたのですね。
はい、実際に香港で暮らしてみて、もっといたいと思うようになりました。まだワーホリビザの期間も残っていましたので、仕事探しをスタート。知人に「仕事はありませんか?」と聞いてみると、口コミでいくつか、お話をいただきました。「ワーホリビザで来た人を使ってみたい」という事業主の方もいましたね。今働いているアパレル会社「Advance Wave Limited」からもお話があり、アルバイトを経て、社員として雇用していただいたのです。

どんな仕事をされているのですか。
会社ではOEMでニット製品を生産しています。有名ブランドのOEM製品も作っているのですよ。私が担っているのは、広東省にある自社工場の生産管理や、各バイヤーから届くデザインの仕様書の通訳、製品を作るにあたっての素材・材料の手配などです。大きな会社ではないので、会計や物流の仕事を手伝うこともあり、貿易業務なども学ぶことができます。

仕事はいかがですか。
紙面に書かれたデザインが、形あるものへと変化していく工程を目にできるので、物づくりの面白さを日々感じています。女性にとってファッション関連は大好きなジャンルだと思います。ファッション業界にいると、世界の流行に敏感でいられるので、とても刺激的です。また国を越えて協力し合い1つの物を作り上げる作業を通して、日々多くのことを学んでいます。
活き活きと仕事をする中国人スタッフの方たちも新鮮でした。日本人のように器用ではないので、疑問点など思ったことをストレートに言ってくれるので、その場で答えることができます。なので、かえってスムーズに仕事ができる気がします。日本人は論理的にモノを考えますが、中国人は発想は柔軟で、どう飛躍したら、その発想が出てくるのだろう(笑)というようなアイディアが出てくることもあります。
大変だと思うのはどんなときでしょうか。
言葉の壁を感じるときですね。香港オフィスには、日本語を話せる香港人がいないので、こまかい要望を伝えたいときは苦労しています。自分がブラッシュアップすればいい問題なので、半年前から広東語を習い始めました。
大きな荷物を抱えて、日帰りで中国に行くこともあります。「一人で中国に行くの?」といわれることもありますが、それはぜんぜん苦になりません。

どんなふうにリフレッシュしていますか?
毎朝のYOGAとダンスが私のリフレッシュ方法です。ダンスはずっとやってきたので、時間があると踊っています。今はがむしゃらに踊ってスキルアップを図るのではなく楽しみながら、ですね。趣味でしているフラ/タヒチアンダンスのイベントにも月に数回出演させてもらっていることも、気分転換になっています。

今後の目標はをお聞かせください。
私は海外旅行へよく出かけますが、時間ができるとハワイへも行くことも多いですね。ハワイの雰囲気やフラに惹かれています。日本にはハワイアンコーヒーやハワイアン雑貨などを販売していますが、香港ではあまり見かけませんよね。フラを踊ったり、ウクレレを演奏したり、ハワイの料理を振舞ったり、PMQなどでハワイに関するイベントをできたらいいなと思っています。
香港はいろいろな可能性を秘めている場所です。今こうして香港にいられること自体をチャンスと捉え、色々なことにチャレンジしていきたいですね。

菊地麻由(きくちまゆ)さん
Advance Wave Limited勤務
学校を卒業後、ダンサーの仕事をしながら、ディズニーランドのショーダンサーのオーディションを受け4回目で合格。ディズニーランドのショーダンサーを経て、アパレルの店舗コーディネートや販売の仕事に従事。知人に香港でショーパブのダンサーをしないかと声をかけてもらい、2010年10月香港へ。現在はニット製品をOEMで生産しているアパレル会社に勤務。香港在住歴5年。

Advance Wave Limited
住所:Unit C,10/F., Easy Tower, No.609-611 Tai Nan West St., Kowloon
電話:(852)2959-3408

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