広東伝統の婚礼衣装ブランド「夢幻婚紗」 林美玲へのインタビュー

2015/09/22

夢幻婚紗 総経理林美玲さんインタビュー

中国ブランドが世界の舞台でも美しく輝いてほしい、広東伝統の婚礼衣装を後世に伝えたいという熱い思いで『夢幻婚紗』ブランドを立ち上げた林美玲(リン・メイリン)さん。まじめな職人気質でプランドの夢を追いかける林さんに広東の結婚事情について尋ねてみた。

深セン市聖夢幻文化発展有限公司Q.広東の婚礼衣裳について教えていただけますか?
A.広東人の婚礼衣裳には、西洋式のウェディングドレスのほか、「龍鳳褂」(ロンフォングワ)という独自の伝統花嫁衣装があります。「裙褂」(チュングワ)「褂後」(グワホウ)とも呼ばれ、その多くは手縫いで仕立てられます。高級品の場合、手縫い作業に9ヶ月もの歳月を要し、金糸銀糸の密度が高ければ高いほどその価値も高くなります。金龍、金鳳、牡丹、祥雲、福鼠など、商売繁盛・立身出世といった幸運を願うおめでたい柄が刺繍されます。そのため、この花嫁衣装は家から邪鬼を追い払う縁起物として次の代へと受け継がれていきます。制作に長い時間を要するため、高い技を伝承する縫師が減少しており、現在ではたいへん高価のものとなっています。

Q.結婚式のスタイルにはどのような変化がみられますか?
A.ブライダルプランが広く利用されるようになった現在、5つ星ホテルでの披露宴のほか、教会での挙式を希望するカップルも多くなっています。中国人は全体的にやや保守的ですし、宗教上の理由もあって、多くの人が教会で挙式できることを知りませんでした。しかし、西洋文化が広く受け入れられるとともに、多くの女性たちが教会での挙式を望むようになってきました。広東にはカトリック教会が幾つかあり、クリスチャンではない人たちの挙式も受け入れています。最近、広東人に特に人気の教会は深センの「宝安天主堂」です。
ウェディングドレス1 ウェディングドレス2

Q.広東の結婚式シーズンはいつですか?日取りにはこだわりますか?
A.結婚式シーズンは9、10月です。交際中のカップルは年末や旧正月に帰省して親に挨拶し、式の話を進めます。そして、旧正月が明けてから式の準備にとりかかり、中秋節(旧暦8月15日、今年は9月27日)や国慶節(10月1日)などの休日に挙式します。これらの休日が選ばれるのは、親戚や友人も出席しやすいなどの理由によります。ほかに、陰陽道で良い日とされる「黄道吉日」(「六曜」とは異なる)や、八字占い(干支占い)でもっとも良い日柄が選ばれます。この習慣は華南地方でよくみられます。
広東伝統の花嫁衣装1 広東伝統の花嫁衣装2広東伝統の花嫁衣装3
広東伝統の花嫁衣装「龍鳳褂」

林美玲(リン・メイリン)Q.中国の若者はどのような結婚観をもっていますか?
A.若い世代では、様々な交際スタイルが受け入れられています。結婚前に多くの経験を積み、自分の結婚観・人生観を見つけ、それに合った結婚相手を探し、結婚後自分の選んだその道を貫くタイプが多いようです。また、中国では結婚までの交際期間が長いことが多く、お互いの相性の”慣らし期間“を経てから、一生添い遂げる選択をします。私の接してきたお客さまの多くは5年以上の交際を経て結婚されています。中国ではこうしたケースがまだ多いようです
「結婚は長く続く道のりだ」と語る林さん。その道ではたくさんの困難や苦労という雨風に遭遇する。たくさんのカップルと接してきて、愛の大切さ、三観(世界観・人生観・価値観)の一致の大切さに気づいたという。最後に「どんな境遇にも安んじる気持ちで自分を磨いていればきっと良い人に巡り会えるはずです」と語ってくれた。

深セン市聖夢幻文化発展有限公司
深セン市聖夢幻文化発展有限公司
住所:深セン市福田区金中環商務大厦主楼A917(915~919室)
電話:(86)755-8252-5011
ウェブ:http://www.dreamw.com.cn
アクセス:深セン地下鉄「会展中心」駅E出口

Pocket
LINEで送る