ペット特集4・香港へ連れてくる、日本へ連れて帰るには

2015/10/08

ペットとの楽しい生活のために、知っておきたい事・知っておくべき事

犬や猫を香港へ連れてくる、or日本に連れて帰るために必要な手続きと、その流れ

■犬猫は手荷物でなく貨物として香港へ
香港へ犬や猫を連れてくるとき、飛行機で手荷物(ハンドキャリー)として機内へ連れていくことはできないため、貨物としての輸送になる。航空会社に犬猫を連れていく場合の手続き等を確認しておこう。またブルドックなど鼻の短い短頭犬種は、高温多湿の環境下では呼吸困難や熱中症を起こしやすいため、航空会社ごとに受け入れを禁止する期間等を設けているので、要チェック。さらに、香港へは生後60日未満または妊娠4ヶ月以上だと連れて行くことができない。60日未満の場合は60日になるまで香港で係留される。

■日本を出国するまでに…
日本を出国するまでに必要な手続きは、マイクロチップ(MC)の装着、香港への犬猫の持ち込み許可を行なっている「香港漁農自然護理署(AFCD)」からの特別許可書の取得(6ヶ月間有効)、AFCD様式の健康証明書(出発前2週間以内、獣医師に書いてもらう)、予防接種(出発前1年~14日)、輸出検査申請書の空港の動物検疫所へ提出(出発前7日まで)だ。これらの手続きが済んでいれば、香港到着後に係留されることはない。しかし、書類に不備などがあると、係留期間が発生する。一連の手続きは煩雑なため、AFCDでは運送業者等へ業務を依頼することを勧めている。いくつかのポイントを整理しておこう。

■AFCDからの特別許可書の取得について
この特別許可書がないと、香港へ犬猫を持ち込むことはできない。許可書の申請書はインターネット等から入手できる。許可書発行の費用は一匹がHKD432で、複数の場合は、さらに1匹ごとにHKD102がかかる。この許可書発行の費用は現金の郵送による支払いは不可で、海外からは香港ドル建ての銀行手形での支払いとなる。AFCDが申請書と許可書発行費用を受領後、許可書を発行するまでに5営業日を要する。日本と香港で郵便物が行き来する時間も考えて、申請の準備を進めたい。

■日本vs香港のマイクロチップについて
日本でも香港でも検疫制度や条例により、海外から持ち込む(輸入される)犬や猫にマイクロチップ(MC)の装着が義務付けられている。チップの番号は、AFCD様式の健康証明書にも記載しなければいけない。
日本で農林水産省動物検疫所が指定するのはISO規格のチップだ。一方、香港ではAVID社製のチップを使用している。香港の空港でチップを読み取る時、AVID社製とISO規格以外のチップは読み取ることができない。この場合チップがついていないと判断されて、輸入が認められなくなる。また犬にはAVID社製のチップの装着が義務付けられているため、他のチップの場合は、香港到着後、AVID社製のチップが装着される。

■必要な予防接種について
日本から香港へ持ち込む犬猫に必要な予防接種は、犬が犬ジステンバー、犬伝染性肝炎、犬パルボウィルス、猫は猫汎白血球減少症、猫呼吸器疾患。また香港到着後、AFCDの検疫で犬猫ともに、もう一度狂犬病の予防接種を受ける。

■香港空港でのペットのピックアップ方法
香港空港では、普段あまりなじみのない貨物ターミナルへ行き、特別許可書や身分証明書等の必要書類を提示して、犬猫を空港のAFCD輸出部に届ける手続きをしてもらう。その後、AFCD輸出部へ。問題がなければ係留されることはない。

ペットと一緒に帰国■日本へ連れて帰る場合はどうすればいいの?
香港からペットを連れて帰る際の主なポイントは以下の通り。
1.  マイクロチップ装着が完了していること。
2.  2回以上狂犬病ワクチンを接種していること。
3.  狂犬病の血清中和抗体検査を終了していること。
4.  連れ帰り等に関する「届出書」を動物検疫所宛に提出していること。
5.  獣医師による狂犬病の臨床検査を受けること。

具体的な届出書や手順は以下のホームページで確認しよう!
くわしい情報はココでチェック!
◆在香港日本国総領事館
日本から香港・マカオに犬や猫を連れて行くには?
ウェブ:http://www.hk.emb-japan.go.jp/jp/20090114_discuss_jb.html
◆農林水産省動物検疫所
ウェブ:http://www.maff.go.jp/aqs/animal/index.html
◆香港漁農自然護理署(AFCD)※英語・中国
ウェブ:http://www.afcd.gov.hk

ライセンスについて
Dog Licence

香港では、生後5か月を超える犬を飼う場合、ライセンスを取得する必要がある。これは法律で定められており、規則を守らなかった場合は、HKD10,000の罰金が命ぜられるため注意したい。ライセンスの取得は、下記の政府機関または香港内の15ヵ所にあるライセンスセンターで行う。15分ほどで手続きは完了するが、HKD80のライセンス料が必要となり、その期限は3年で失効するため、3年後新しいライセンスを取得しなければならない。さらに譲ることもできないため、飼い主の交換をする場合や住所が変わる場合は必ず申告が必要だ。

くわしい情報はココでチェック!
◆漁農自然護理署 http://www.pets.gov.hk
〈新界地区〉
New Territories North Animal Management Centre
住所:13 Jockey Club Rd., Sheung Shui
時間:9:00~12:00、13:00~16:30(定休日なし)
New Territories South Animal Management Centre
住所:9 To Shek Path, Sha Tin
時間:9:00~12:00、13:00~16:30(定休日なし)
〈九龍地区〉
Kowloon Animal Management Centre
住所:102 Sung Wong Toi Rd., Tokwawan
時間:9:00~13:00、 14:00~16:30(定休日なし)
〈香港地区〉
Hong Kong Animal Management Centre
住所:688 Victoria Rd., Pokfulam
時間:9:00~13:00、14:00~16:30(定休日なし)

香港の動物保護団体

SPCA   香港で最も歴史ある動物保護団体、大切な命を守るエキスパート集団

SPCA(The Society of the Prevention of Cruelty to Animals 愛護動物協会)は1903年に立ち上げられた香港で最も歴史のある動物保護団体。病気や怪我で苦しんでいる動物の保護、動物保護法の整備の促進、避妊手術の促進、里親探し、そして適切な飼育をするための情報発信などを行っている。
動物保護の呼びかけも積極的に行っており、10月9日は動物をモチーフにした服やアクセサリーを身に付け、SPCAをサポートしている旨を表明する「第1回niform Day」の日としている。同イベントを通してHKD100を寄付することで限定のAniformDayブレスレットも貰う事ができる。気になる方は9日までにウェブから申込みをしよう。
歴史ある保護団体だが、運営はほとんどを寄付金に頼っている。寄付は随時可能で、さらに協会をサポートするSPCA会員となればペットの病気の際の診察や、一時預かり、グルーミング、しつけ教室の料金などが優遇代金で受けられる。可愛い動物を守る運動に参加したいけど、様々な都合から飼育はできないと考えている方は、まずはウェブから彼らの活動内容を見てみてはいかがだろうか。

The Society of the Prevention of Cruelty to AnimalsThe Society of the Prevention of Cruelty to Animals
(愛護動物協会)
ウェブ:http://www.spca.org.hk
SPCA会員費:年間HKD200から

 

SAA  可哀想な動物を救え!動物保護のためのチャリティー団体

動物保護を目的とした「SAA(保護遺棄動物協会)」のモットーは「Love  Animal, Respect Life, No Killing or Abandoning(動物を愛し、敬おう。虐待、遺棄反対)」。そのスローガンの通り、1998年の立ち上げ以降多くのペット動物を救い、香港最大の動物愛護団体として活躍してきた。
同協会の事業は、飼い主が経済的、健康的、あるいは住居の問題などでペットを育てることが困難になった場合に引き取ったり、里親を探したり、さらには動物血液のドナーデータバンクを作成したりなど、多岐に亘る。2005年には野犬増加に歯止めをかけるため「動物メディカルセンター」を設立。「Trap(捕獲)/Neuter(去勢)/Return(帰還)(TNR)」と呼ばれる運動に参加し、野犬去勢手術を促進してきた。また、動物ホットラインではペットの育て方、病気、振る舞い、さらには迷子になってしまったペットの相談にも乗り、飼い主の悩みにも親身に応えている。
同協会が現在保護している動物は約300匹にも上る。体に障害や病気を持っている動物は里親がなかなか見つからないため、寿命が尽きるまで同協会が見守っているそう。支援は月々HKD99から可能なので、動物保護を支援したいがどのような形で行ったらいいか迷っている方は、ぜひ一度ホームページを覗いてみよう。

Society for Abandoned Animals Limited
(保護遺棄動物協会)
住所:Section 1, Pak Sha Village, Kiu Hing Rd., Yuen Long
時間:水、金、土、日、祝日 13:00~16:00
電話:(852)2838-0633、 (852)2778-3988
ウェブ:http://Fwww.saa.org.hk

 

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