香港在住者体験談「オートロックドアのトラブル」

2015/11/17

The Lock Out オートロックドアは便利で、不便で、怖いもの!?

笑っているそこのあなた、「明日は我が身」かもしれませんよ。

体験談 其の一 香港在住3年駐在員奥様Aさん
あの日のことは思い出したくもありません。
それは、私が日本から戻ってきた日で、あいにく、主人が出張で帰りが遅い日の出来事でした。

私は無事に日本から戻り、2つの荷物を部屋へ入れようとしていました。1つの荷物(スーツケース)を入れ、そのスーツケースをドアストッパー代わりにオートロックのドアを押さえにし、ハンドバッグをテーブルの上に置き、もう1つの荷物を部屋へ入れようとした時に事件は起りました。
スーツケースで押さえていたはずのドアが閉まったのです。(汗)エ~、嘘でしょう!ドアノブを触ったところで開く訳ないのに、触っている自分がいました。携帯とお金、鍵はハンドバックの中で、手元にあるのは日本から持ってきた荷物があるだけです。
頼りの主人は帰りが遅いし、どうしよう???途方に暮れる私・・・。しかし、このままの状態で主人の帰りを待つわけにはいかず、言葉が出来ないながらも私は取り合えず管理人さんのところへ向かいました。
つたない英語(?)で閉め出されたことを伝えると、「オーナーの電話番号分かるか?」と聞かれましたが、携帯も持ってないし、何もわからないと返答。主人の電話番号さえも覚えてない(涙)。
管理人スタッフさんがオーナーに連絡を入れてくれ、その後、約2時間後にオーナーさんが登場し、入室できました。自分の浅はかさな油断で、みなさんにご迷惑をお掛けしてしまいました。
その後、ゴミ出しや外出時には何度も鍵と携帯の所持を確認している私がいます。
オートロックは便利だけど、注意も必要です!(笑)

体験談 其の二 香港在住10数年男性会社員Bさん
私が住むアパートは、1970年代後半に建てられた古いビル。いわゆる「唐楼」タイプではないが、築40年に迫ろうかという物件だ。当然いろいろな所にガタが来ている。先日、体重をかけてドンッと押し込まないと閉まらなかった裏口のドアを大家に頼んで修理してもらった。以後は「ス~~」っとも何ともいわず、「カチッ」と、とても気持ちよく閉まるようになった。
妻が日本に帰ってしまったある日のこと…。誰にも文句を言われないのを良い事に昼間から立て続けにビールを空け、好きな音楽をいつもより大きめのボリュームで流しつつ日曜の午後の開放感を満喫していた私は、ちょいと裏口からゴミ捨て(主にビールの空き缶)に出た。特に何も意識しない何気ない行動だ。非常階段の踊り場にあるゴミ箱にゴミを投げ入れ、振り向こうとしたその瞬間、背後で「カチリ。」と乾いた金属音を聴いた。「もしや?」も何もない。やっちまったのだ。思わず「まじか」と声が出てしまう動揺を押さえつつ、なす術もなく木製の旧いドアを撫でてみる。中からはアニタ・オデイの歌声が虚しく幽かにに聞こえてくるのみ…。落ち着くのだ。こんな時のためにスペアの鍵はオフィスにキープしているではないか。慌てることはない。会社に行けばなんとか、、、、、って、おいおい!今の自分の姿を良く見ろ。ヨレヨレのTシャツに短パン、室内用サンダル履きの「丸腰」。♪はぁ~財布もねぇ電話もねぇこれでどうやって会社さ行ぐだ?よしんばどうにか会社に行けたとしても、今日は日曜、オフィスには誰もいない。会社のドアを開ける鍵もない。同僚を呼び出そうにも携帯は部屋の中だ。あるのは右手に握った飲みかけのサンミゲルだけではないか!
ドア街の「鍵屋」を呼ぶしかない。「法外な金額を吹っかけられる」というウワサを聞いた事があるが、こうなっては致し方ない。カネなら部屋にさえ入れれば多少はある。さて、どうやって呼ぶ?この安アパート、下に管理人はいるが、日曜は休みで無人だ。ご近所さんに頼るしかない。電話と電話帳を借りて鍵屋を呼ぶのだ。我が家のお向かいはずっと空き家のままなので、階下の老夫婦に助けを求める。
「あらま、やっちまったの?そこの○×△街のコンビニの手前の鍵屋に師夫がいるよ。とってもいい人だよ」と、笑って教えてくれた。確かに近所に鍵のコピーを作ってくれる店(?)がある。いつもおばちゃんが所在なさそうに店番してる路上店だ。あんなとこに鍵開けの師夫いるのか?と、半信半疑ながら、とりあえず室内サンダル履き短パン姿で行ってみる。歩いて2分。おばちゃんに事の次第を告げると電話で師夫を呼んでくれた。1分後に路地から袋をさげてやって来たのは、時折近所で見かけたことのある「大男」だ。というか、いわゆる「肥仔(フェイチャイ)」である。元お相撲さんみたいなこの肥仔が鍵開け師夫?!ともかくこの大男を伴ってウチに戻る。肥仔はドアと鍵を見るなり「うわ、こーりゃ古いね。30年くらい前のじゃない?開いたとしても壊れちゃうかもしれないけど、いい?」(意外にも巨体に似合わぬ優しくか細い声の持ち主だった)って、念押しされてもこちらに他の選択肢があろうハズもない。「やってくれい!」と答えるしかないのだ。
L字型の金具を鍵穴に差し入れる繊細な作業がグローブのような肥仔の手と対称的だ。おもちゃのピストルの先端に針金が突き出ているような道具をやはり鍵穴に差し入れ、パシン、パシンと引き金を引く作業を繰り返す。どういう仕組みなのか見当もつかないが、L時型の金具を回すと、鍵は壊れることもなく静かに開いた。お見事。あっけないほど簡単だ。作業に1分もかかっただろうか?
わずか数分で料金はHKD380。
「あられもない姿」で自宅とオフィスを往復することを考えれば安いものではないか。と、自分を慰める。ホッとするなり、冷蔵庫から取り出した冷えたビールの美味いこと!
我が家の近所はどんな身なりでうろつこうとも、誰も眉をひそめる人などいない「どっぷりローカル地域」だが、そうもいかない所にお住まいの方も多いはず。言葉の問題で意思疏通がままならない管理人に事情を説明したり、大家さんに連絡を取ったりと、めんどくさい事も多いかと…。お部屋のロックアウトにはご用心!です。

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