「被褐懐玉」を体現する広州の懐石料理店「友」広州市天河区

2016/02/04

友2 懐石料理については諸説あるが、老子が著した『徳経』(『老子道徳経』下篇)第70章にある「是以聖人被褐懐玉」(是を以って聖人は、褐[かつ]を被[き]て玉[ぎょく]を懐[いだ]く)に由来するとも言われる。「被褐懐玉」とは、うわべは粗末な服を着ながらふところに玉を隠している、つまり、すぐれた才能を持っているが表面には出さないという意味だ。外見をひけらかすことではなく内面の価値を重視する茶道の「わび・さび」精神とも通じるものがある。それで、茶道の形式に則った食事のことを、玉を石に置き換え「懐石」としたとか……。
本当に良い料理は人を幸せにする。この幸福感はただ舌で味わうおいしいという感覚や目で楽しむきれいという感覚だけによってもたらされるのではなく、一連の体験によるものだ。「目・耳・鼻・舌・身・意」の六内処を使って、「色・音・香・味・触・法」の六外所を感じる。食物は料理人の手が加わることでそれを食べる者に癒やしをもたらせるようになる。食事によってこれまで見たこともない場所にいざなわれ、感じたことのない感覚をもたらしてくれる。これが心の癒しとなり、幸せな気持ちへとつながる。
「友」は広州でいち早く本格懐石料理を手がけた店だ。料理は季節に応じた旬の食材だけで作られる。季節感を重視すると同時に、食材そのものの色合い、香り、味を最大限生かしているのも同店の特徴だ。奇抜な飾りをほどこすことはなく、使用する調味料も極力おさえる。料理人が手を加え過ぎないことで、自然に育まれた食材そのものの味を十分に引き出してい友1る。とはいえ、同じ魚でも、異なる料理人、異なる包丁、異なる包丁さばきで全く異なる味になる。「おいしい!」の決め手は”人“にあり、”人“を抜きにおいしい料理を語ることができないのも事実だ。高級食材が身近になり家庭でも調理できるようなった今でも、プロの料理人が料理を振る舞う店が賑わっているのはそのためだ。料理人の魂が吹き込まれた一品はそう簡単に真似できるものではない。友懐石料理の板長は、その豊かな板前経験を存分に発揮して、季節に最も合った旬の料理を提供する。通常のコースは、先付(おつまみ)、前菜(サラダ)、向付(刺身)、焼き物、炊合せ物(煮物)、ステーキ、ご飯(寿司、基本は3貫、追加も可能)、椀物(味噌汁)、デザートとなる。大切なお客さんをもてなすのにここなら間違いない。日頃がんばっている自分へのご褒美としてたまにはこんなところで食事をするのもいいものだ。お店からのご挨拶:これまでたくさんのお客様に支えられてきたこと、心より感謝しております。この度、珠江新城にも分店を出店させる運びとなりました。きっかけはこれまでと同様とても単純明快なものです。それは、お客様皆様に本場の日本料理を味わっていただきたい、多くの人に喜んでいただきたいという信念によります。天河南店と比べ、珠江新城店ではより多くの日本食材を用意し、さらなるクオリティーの向上を目指しております。これまで天河南店を利用してくださった方も、またそうでない方も、ぜひ新しい珠江新城店にいらしてみてください。皆様からの貴重なご意見もお待ちしております。

友3
天河店
住所:広州市天河区天河南一路112号104
電話:(86)20-8643-2535
時間:12:00~14:30、16:00~22:00( L.O. 21:00)
珠江新城店
住所:広州市天河区珠江新城馬場路16号富力盈盛大厦101之2(「喜士多」隣り)
電話:(86)20-3720-9859
時間:12:00~14:30、16:00~22:00(L.O.21:00)

Pocket
LINEで送る