香港にある「投函口のない青いポスト」の正体は?

2016/02/22

香港なんで528香港でたまに見かける青いポスト。これなんだろう?と思ったことがある方も多いのでは。赤色ポストは英国統治時代のポストだし、緑のポストは返還後に設置されたポストだし、そもそも青いポストは投函口がないから手紙を出すためではないらしい…。しかしそれにしては緑のポストと仲良く並んで立っている…。いったいなんで?!
この謎を解明するためにPPW編集部は毎日配達に来てくれる郵便配達員のTsangさんに突撃インタビューをしてみた。すると驚くべき回答が得られた! 「青いポストは郵便配達員用のポストなんですよ。」なぬ? 郵便配達員さん用のポストとな?「配達員はみんなカバンに担当エリアの手紙を詰め込んで配達に出ます。手紙が多い時は当然1つのカバンに収まりきらないので2つ3つ、多い時は4つほどカバンを抱えなければならなくなります。大きなカバンを4つも抱えてはスムーズな配達はできません。なので、この青いポストに一時的にカバンを入れて、1袋ずつ配達をするんです。」なるほど! 聞けばこの青いポスト、郵便局員さんが持っている鍵でしか開けられないのだという。日本ではバイクや車に乗った郵便局員さんが配達をしてくれるが、ここは狭い道路事情の香港。配達中に路上駐車をするのが難しいところも多く、そのため郵便局員さんは毎日郵便局から出発する循環バスに乗り、担当エリアで降りて足を使って配達し、また循環バスに乗って郵便局まで帰っているのだそうだ。「お店が休みであったり、住所が間違っていたりすると配達ができません。そのような手紙も一度青いポストで保管して、配達できるまで待ったり、地図を見ながら住所を探してもう一度配達したりしてるんですよ。」
郵便局には未配達部署という配達先が分からない手紙が集まる部署があるらしいのだが、極力配達員さんはそこには届けず、字が汚くて読めない手紙や、間違った住所が書かれた手紙などの解読に努めているのだという。「手紙は暖かい気持ちや特別な感情までも運んでくれますよね」と優しい笑顔で語るTsangさん。テクノロジーが発達した時代でも、気持ちを運んでくれるのはやはり人なのだ。

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