総合健康診断サービス「メディポート」健康コラム:とにかく歩こう!

2016/03/03

世は空前の健康ブーム。誰もが健康に気を使うようになってきました。食事であれば、食材の産地を気にすることはもちろん、食べる順番にまでこだわる人もいるようです。食用油の種類にさえも優劣を付ける人が少なくはありません。一生懸命運動に励む人がとても多くなりました。ジムに通う人がいれば競技スポーツに打ち込む人もいますが、圧倒的な人気は何と言ってもジョッギングでしょうね。コストもかからず、誰でもすぐに始めることができることも人気の理由です。日本全国各地でマラソン大会が開催されるようになり、観光を兼ねて参加している人も少なくはないようです。今やマラソンは世界的なブームであると言っても良いほどにまで愛好者があふれています。メディポート

そんな健康ブームに水をさすわけではありませんが、必ずしも運動が健康増進に役立つとはいえないのです。最近、日本の若者に痛風患者が増えているとのこと。中高年の代表的な病気であり昔は贅沢病とも呼ばれた痛風が、現代の若者に増えていると言われてもにわかには信じられません。しかし、これは過剰な運動による「運動性高尿酸血症」というものであり、遺伝的に尿酸排泄能力の弱い人、つまり将来の「痛風予備軍」である若者が、運動をしすぎて血液中の尿酸値が高くなってしまった結果です。また激しい運動は活性酸素の発生を促すことでも問題となります。体内でのその処理が追いつかず、細胞を損傷してしまうのです。

野生動物は普段走り回るようなことはしません。獲物を追うときや天敵に追われるときにしか全力で走るようなことはせず、通常はゆったりと過ごしている時間のほうが多いものです。余計なエネルギー使ってしまうことは、生存に関わることを本能的に理解しているのでしょうね。

ところで、現代社会はとにかく便利になりすぎてしまって、自分の体をあまり使わなくても生活できるようになってしまいました。我々はたとえ寝ていたとしても長距離を簡単に移動できるなど、本来の「運動能力」を著しく上回ることでも、自動車などの乗物を使っていとも簡単にできることが当たり前の世の中になっています。便利になって人生の楽しみが増えたと言っても決して過言ではありませんが、その一方でヒトが動物としての能力を著しく失いつつあることも事実でしょう。

動物の世界に、もし言葉があったとしても「運動」という単語はなかったのではないでしょうか。野生動物は日々動きまわって餌を探し続けなければいけないわけであり、強いて運動することがなくても、日々かなりの運動量をこなしていることになります。餌を探すときには決して走り回るということはしません。もちろん肉食獣がこれぞと思った獲物に襲いかかるときには全力疾走します。獲物を捕えることは生存にとって必要なことですが、そんな肉食獣でも普段はのんびりして過ごしているわけです。

ヒトは社会性をもって生活する高度に進化した動物で、餌(食物)を探しまわることをせずとも飢えることはありません。実はここ数十年間、日本人の平均摂取カロリーは大きな変化はないにもかかわらず、性別や年齢に関わることなく肥満人口が増加しています。最近は小児肥満という問題もクローズアップされてきました。基本的な運動量が激減している証拠ではないかと思われます。

とにかく歩きましょう。一駅くらいは歩くようにする、エスカレーターをなるべく使わないようにして階段を使うなど、日常生活を利用してできる限り歩くことがとても重要となります。便利すぎる社会では、常に意識して身体を動かさないと、太りやすくなるばかりか、身体能力も衰えるばかりです。何も激しい運動をすることはないのです。歩くときには背筋を伸ばして少しだけ早歩きしてみましょう。年齢とともに歩く速さが遅くなるそうです。いつまでも若さを保つためにも歩きましょう。

人が多くて歩けないなどと歩かない理由を並べていても始まりません。四の五の言わずにとにかく歩くことが健康に直結します。長寿社会ではいつまでも元気で長生きしようと意識することが、健康寿命を伸ばし寝たきりになることを防ぐことはもちろん、介護をなるべく受けないようにする上でもとても大切です。たとえ長生きはしたくはないと思っていても、簡単に死なせてくれる時代ではありません。自身が超高齢を迎える数十年先、100歳人口は確実に増えており、自分もその仲間入りする可能性が高いのです。であれば、ぜひ「ピンピンコロリ」を目指したいものです。

メディポートINFO

 

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