総合健康診断サービス「メディポート」健康コラム:睡眠時無呼吸検査を受けてみた

2016/04/27

メディポート家族の大きないびきに悩まされている人は決して少なくはないようです。巷ではいびきが原因で別々の部屋で寝ている夫婦もあると聞きますが、大きないびきが時として命を削っていることもあるので、ただうるさいと言って本人を遠ざけるだけではなく、是非いびきのリズムに異常がないかを確認して欲しいと思います。

大きないびきがうるさくて眠れない、と思っていたら突然いびきが止まり、30秒から1分くらい静かになることはありませんか?静かになったなとホッとするのも束の間、ひときわ大きないびきを合図に再開されるということを毎晩繰り返してはいませんか?実は静かな時は呼吸をしていない可能性、つまり睡眠時無呼吸が起きている可能性が大きいので、呼吸の有無を是非一度確認してみてください。

10秒以上の無呼吸状態が一晩に30回以上、あるいは1時間に5回以上あることが睡眠時無呼吸症候群の診断基準です。無呼吸で睡眠が妨げられ熟睡できないので、いくら寝ても寝起きが悪く昼間も頭がぼうっとした状態になってしまいます。睡眠が浅い、良く眠れないということは自覚できていても、その原因は本人にもわかっていないことが多く、潜在的な問題を抱えたままでいる人も少なくはないものと思われます。会議中に寝てしまうという大失態を演じて社内での立場が悪くなる程度であればまだ良い方です。人命に関わる自動車事故等の原因にもなるため、睡眠時無呼吸症候群は社会的にとても大きな問題をはらんでいるのです。もちろん循環器系への負担から高血圧症の原因にもなります。さらには突然死の危険性をも高くしてしまうこともあるので、睡眠時無呼吸が疑われる場合は必ず検査を受けることを勧めます。肥満が大きな原因ではありますが、患者は必ずしも肥満体型だけに限られるわけではありませんから、いびきがうるさい場合はとにかく家族から受診を促すようにしてください。

従来、睡眠時無呼吸症候群の検査は病院に1泊して行われるものでしたが、最近は自宅でできる簡易検査が広く行われるようになってきました。医療機関で検査器具の装着方法のデモンストレーションを受け、自宅にて実施します。就寝前に言われたとおりに機器を装着し、スイッチオン。後は寝るだけです。検査機器が装着されているので、なかなか寝付けないかもしれませんが、自宅でリラックスして検査することができる点は大きなメリットです。翌日は検査機器を返却し、解析結果を待つことになります。

検査睡眠時無呼吸症候群と診断された場合、睡眠時に装着する呼吸の補助装置(CPAP等)を使用することが勧められます。睡眠中に呼吸が止まることがなくなり睡眠の質が向上するので、日中の眠気から開放されることになります。さらに心臓への負担も少なくなるので、長年の高血圧症が改善されることも期待できます。もちろん肥満が原因で発症したのであれば、減量することで補助装置を必要とはしなくなる可能性も小さくはありません。毎晩補助装置を装着して寝るのは面倒なことかもしれませんが、得られるメリットはとっても大きなものがあります。

なおCPAPですが、日本では病院でレンタルすることになり、定期的に診察を受けなければいけませんが、香港では購入することになります。最近の機械はコンパクトになっており、出張などに持っていけるようなサイズもありとても使いやすくなっています。また程度によっては就寝時にマウスピースを装着するという治療もあります。医師と相談して自分にあった治療法を選択してもらってください。

睡眠時無呼吸は身体的な負担が思いのほか大きな病気です。いびきがうるさいと家人から煙たがられているような人は、是非検査を受けることをお勧めします。
メディポートINFO

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