流行事情「高温補貼」

2016/07/07

中国には日本では見られない手当制度がある。夏の期間限定で支給される「高温補貼」と呼ばれる手当だ。中国政府が、労働者を酷暑から守るために各事業者に支給を義務付けている。この手当が生まれたのは、異常気象が相次ぎ、労働者が過酷な環境下で働く中で事故が続いたことが背景にある。高温手当の対象となるのは、最高気温が35度以上の時に屋外で働く労働者、または仕事場を33度以下に設定することができない所で働く労働者となっている。

「高温補貼」は、黒龍江省、チベット自治区、青海省などを除く中国の大部分の省で制定されている。金額や期間は各地で異なる。例えば、北京では6月から8月の3か月間で、支給額は室外が月額180元、室内が月額120元。上海では6月から9月の4か月間で、支給額は月額200元。広東省の場合は、これらの地域と比べて暑い期間が長いため、6月から10月と支給期間が長く設定されている。ただし、支給額は月額150元となっている。支給期間が一番長いのは海南島で4月から10月の7か月間となっている。もっともこうした制度があるものの、実際には手当を支給していない事業者も多いのだとか。

小暑から立秋までの期間を中国語で「三伏天」という。この期間が一年で最も蒸し暑い季節となる。そのため、過酷な環境の中で働く労働者には高温手当のほかにも熱中症予防のための制度が用意されている。例えば、飲料の提供、健康診断の受診、医薬品の提供、交替休憩などがある。高温補貼

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