森泉智哉個展「Life Portraits~生命的肖像~」

2017/02/27

森泉智哉

黃竹坑(ウォンチョクハン)のアートギャラリーでは、日本人若手画家、森泉智哉の香港初個展を開催中。彼が取り入れている「テンペラ」という技法は、油絵が誕生する前、12世紀から15世紀のヨーロッパの中世・ルネサンス期に主流とされていた技法で、ボッティチェッリが描いた「ビーナスの誕生」などが有名だ。レオナルド・ダヴィンチの「最後の晩餐」もテンペラ画で、壁画には合わないとされる同技法を採用したため、早期の劣化を招いてしまったともいわれている。

森泉智哉

今回、同個展には、そんな古典技法で描かれた人や動物の肖像画が並ぶ。画面いっぱいに描かれた「顔」に強いインパクトを受けるものの、色使いがポップでシンプルなものが多いため、比較的すんなりと受け入れることができる。しかし、その表情には現代社会に生きる者たちの複雑な感情がにじみ出ており、1人1人、一匹一匹の発する言葉にふと耳と心を傾けたくなる。黃竹坑といえば、昨年末のMTR南港線の開通でアクセスも便利になっており、駅前をはじめとして、隠れたお洒落カフェなどの情報もチラホラ。今、俄然注目を集めるエリアの探索もかねて、是非足を運んでみよう! 同じく現代に生きる自分自身の内面と向き合うことができるかもしれない。

“Life Portraits” by Tomoya Moriizumi
場所:Art Projects Gallery, Unit 17A, Regency Centre Phase 2, 43 Wong Chuk Hang Rd., Wong Chuk Hang
期間:~3月11日(土)
時間:月~土 11:00~18:00
電話:(852)2523-5688
料金:無料

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