「旧世代OSの活用」兆星電脳有限公司(広東省佛山市)

2017/03/13

兆星中国華南地区にて長年IT サービスの仕事に携わっている著者です。先日お客様の会社を訪問した際に、「昔のOS は今でも業務に使えるのか」という質問を受けましたので今回のコラムで紹介します。

結論から述べると、多少の制限はありますが現在でも2 世代前くらいまでのOSを使用することは可能です。OS の基本的な役割やユーザーインターフェイス、操作方法や使用目的に関しては昔も今も大きく変化したわけではありません。最新版のOS では様々な機能追加が成されセキュリティも向上しましたが、最新版でないと仕事にならないというわけではないと思います。一点留意すべきなのは、メーカーのOS サポート期限が切れてしまうと、どうしてもセキュリティ的に脆弱な部分が出てくるだけでなく問題発生時の復旧が困難になるケースに陥りがちです。この点だけにフォーカスするのであれば、OS はサポート期限内のバージョンを使い、常にアップデートをかけて最新版の状態で使うのがベスト、という選択肢は無難です。但し、特殊なソフトウェアを使用している場合等、旧世代OS のみに対応しているケースも多々あり、その際はサポート期限が失効していても継続利用することになります。

現在の殆どの企業における業務用PC はWindows 7 もしくは Windows 10 が主流となっていますが、既にマイクロソフトのサポート期限の切れたWindows XPを継続利用しているところも多くあります。旧世代のOSを使い続ける利点はソフト面、ハード面共に最新版を導入する費用を節約できることや、旧世代OS 上のみに対応しているソフトウェアの継続利用が可能であることです。通常のオフィス業務に限って言えば、旧世代のOSでも難なく業務はできますし、必ずしもインターネットアクセスが必要というわけではない環境下では「オフライン」での作業に限定することでセキュリティ上のリスクはかなり軽減されます。その際も、USB メモリなど外部メディアによるデータの共有は極力限られた機材間に限定し、ネット上の外界から基本的に接続できない状況を保てるのであれば旧OS でも特に問題はありません。

モノづくりの設計段階から実際の製造段階で機械にデータを移す際など、10 年前と変わらぬ方法で行っている会社も多数ありますが、特に問題が多いという話は聞きません。これらの会社は製品の設計時の端末を完全にオフライン(ネットに接続されていない状態)で使用しており、所定のデータを所定の機械に所定のフォーマットで移しているだけの限定利用というマニュアル通りの使用法で運用しているので問題が起きないわけです。

個人的に使っているノートPC 等の端末は常に最新版にしておいた方が気分が良い、という方も多くいらっしゃいますのでそれはそれでOK。企業利用のPC 端末で最新版に更新することに何らかの制約がある場合はいかにうまく安全に旧世代のOS(もしくは旧世代のPC端末)を使い続けるかを考える必要があります。

上記からわかるのは、どの世代のOS を使うかではなく、OS をどのように利用し仕事に役立てていくかというアプローチの方がはるかに重要であるということですね。

 赤座 卓也( あかざ たくや)

兆星電脳有限公司
TERASTARS Computer Ltd.
広東省佛山市順徳区大良街道宜新路1号銀海大厦14楼A8
Tel:(86)757-2238-3352 Fax:(86)757-2238-3353
Web:www.terastars.com

Pocket
LINEで送る