風水の奥義を行く! 第63回 しくじり先生、失敗から学ぶ、の巻

2017/05/09

中国で生まれ五千年以上の歴史ある風水。ここでは香港の伝統的な風水をご紹介しながら風水の奥義に迫ります。

◆しくじり先生◆
良い運気はずっと続くとは限りません。運気の波に乗らないと大きな痛手を受けることだってあります。
過去に大きな失敗をしてしまった芸能人やアスリートが授業を行うテレビ番組「しくじり先生・俺みたいになるな!」では、先回、森脇健児さんが教佃をふるっていました。彼の所属事務所の情報から彼の四柱推命の命式を出すと以下のようになります。

風水591

寅(とら)月生まれの庚金(かのえきん)の人。月干にある「壬(みずのえ)」は、彼にとっては食神と呼ばれるエネルギーで「子」という根がしっかりあります。陽気で明るく人気者、そして強運の持ち主です。幼い頃から20代の終わりまで水の運を歩み、この時期は食神・傷官星特有の欲しいものを手にいれる力が後押しされます。頭の回転がよく人気が高まり、それが大きな稼ぎにつながる運気を歩んでいきます。
ちなみに、生まれた日が金エネルギーの人にとっては水エネルギーが、水の人にとっては木エネルギーが、木の人にとっては火エネルギー、火の人にとっては土エネルギー、土の人にとっては金エネルギーが食神・傷官星にあたります。

風水591 2

◆過ぎたるは及ばざるがごとし?◆  
この食神・傷官星は芸能人にはなくてはならないキラキラのエネルギーで、その力が強くなるタイミングを若くして迎えることはとてもラッキーなことです。しかし、この星が強過ぎると自分中心に物事を考え、周囲の迷惑を考えずやりたいことをやってしまい、挙げ句の果てに自分はすごいと誤解し天狗になってしまいます。番組では、それが原因で温厚な先輩芸能人から嫌われてしまい、それがしくじりの原因になったと伝えていました。
四柱推命では、木、火、土、金、水の五行の中で何か一つのエネルギーに偏ることを「病(やまい)」と呼びます。例えば、五行の「水エネルギー」が強すぎる場合は「水エネルギー」が病となる可能性大です。
また、四柱推命では陰陽五行のバランスを重要視します。五行のバランスが取れていれば、人は大きな荒波にのまれることなく、失敗することもなく、穏やかな日々を過ごすことができます。
五行のバランスが取れていることはとても素晴らしいことです。ところが、名著「五言独歩」では「有病方為貴(病があってはじめて貴くなる)」と言っています。傷がない命式は素晴らしい命式ではない、欠点のない命式は実に平凡であると。

◆孟意堂的有病方為貴を生かす奥義◆
四柱推命は、私たちが生まれた時の生年月日と時間を見て先天的な運命を推命するものですが、生きる上でのヒントを教えてくれることもあります。
病はそのまま放置しておけば大きな問題を起こす引き金になります。しかし、「五言独歩」では、病という欠点がある人は歩んでいく運でそれが取り除かれたときに発福する、と明言しています。それを生かす方法さえ理解していれば、病は大きな武器になるのです。
前述の森脇さんの場合、食神星である水エネルギーとそれをせき止める土エネルギーが人生の伴を握ります。水の流れをせき止めてしまう土は彼の個性を奪ってしまいますが、その土がうまく水をコントロールできれば彼の人生はもっと素晴らしいものになることでしょう。運気が良い時にこのことに気がつかずに失敗しても、その後頭を切り替え、「有病方為貴」を地でやっているような彼を見ていると、人としてより味のある魅力的な人になっているなあと嬉しく思います。

彦坂 久美子
<プロフィール>
名古屋市出身。中国古代からの知恵である風水に魅かれ、著名ブランドが認めた風水師デビッド•ソー先生の弟子として無常派風水に師事。易経を含めた玄学に長年携わり、漢五派第七十三代嫡系・孟意堂として住宅、事務所、店舗等の風水、開業や引越し、結婚等の日取りの選定、四柱推命で人生の様々な問題やニーズに対応している。著書に「金運を引き寄せる孟意堂風水(廣済堂出版)」がある。

孟意堂
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