金か、ビットコインか?現代の資産に関して知っておきたいこと

2017/08/24

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“金かビットコインか?”という考え方はいまや徐々に浸透し始めてきてる。人々は、世界の銀行システムが危険にさらされていることを認識して代替案を検討しており、世界の主要都市にある非公開の外国人向けアパートに人気があるのは、銀行に資産を所有したがるのと同じような衝動によるものだという人もいる。

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たしかに金とビットコインは幾分補完的な存在であるといえる。それらの強みは弱点でもあり、逆もまたしかりだ。これは、金とビットコインが共に私たちの将来にいくらか役割を果たすかもしれないことを示唆している。

金には、価値の安定した物質として役割を果たしてきた何千年もの歴史があり、この安定性により、金は価格設定や長期契約(ローンや雇用契約など)の基準としても使用される。また、世界には約7兆ドル相当の金があり、これは330億ドルのビットコインに比べて非常に多い。ビットコインは、銀行独自のデジタルシステムとは独立していても、仮想の通貨に過ぎず、仮にシステムがダウンするなどのトラブルがあれば、その価値は揺らぐ。そんな時でも金の価値は変わらない。金は匿名性が高く、輸送や取引が比較的容易で、ポケットに入れて運べるゴールドの1キロバーは約4万ドルの価値を持つ。

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しかし、時代はよりスマートな取引を望んでいる。ビットコインは、移民労働者が外国の家族に送金する際などの長距離取引に広く使われている。これまでは、ウェスタンユニオンのようなサービスが必要だったが、これは手数料の負担が大きかった。また、ビットコインはほとんど無期限に細分化することができ、小規模な取引でも効果的だ。最も小さい10セントオンス(約3.1グラム)の金貨はまだ約120ドルの価値があるが、ビットコインは倍の値段が付くかもしれない。しかしそれは信頼できる蓄え、または価値基準ではないことは明らかだ。このため、価格設定や長期契約のための基礎としてビットコインを効果的に使用することは難しい。

そのため、私達は金を「普通預金口座」、ビットコインを「当座預金口座」のように使い、トランザクションアカウントを補充したり、長期資産に価値を移すために、必要に応じてビットコインを金に換えたり金をビットコインに換えたりしていくことを考えた。価格や契約は金で表記されるかもしれないが、日々のマーケットレートでビットコインで支払われる。ドルで指定された商品やサービスではすでに一般的なことで、ビットコインは支払いに利用される。

このモデルは、私たちが世界中で見てきた同様の取り決めと実際のところ大差ない。例えばトルコでは、信頼価値の低い通貨を持つその他の国のように表記がユーロだが、実際の取引はトルコのリラで行うことができる。

小規模な電子取引のためには、ビットコインのようなオプションが付いた、金に基づいた統合システムを確立するのがよいと私は思う。GoldMoneyはこのようなサービスを提供しているが、金銭取引に関する問い合わせ、匿名性の欠如、電子プラットフォームによる金取引の税制上の結果など、何らかの理由で人々はビットコインを好むようだ。理由の1つに中央銀行が関与していないように見えるということがあるというが、それはたしかにそうかもしれない。

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