騒々しく、大規模のクラスで迷ってしまう生徒達

2017/10/03

保護者達はしばしば、大人数のグループでは子供たちが混乱しがちになることや、子供達が先生から十分な注意をむけられないことを恐れる。

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30人以上のクラスの場合、たしかに物静かでシャイな子供には理想的とは言えない。残念なことに、教育現場、特に国際的なシステムと圧力は近い将来に変わる可能性は低そうだ。

30人の生徒を有する、忙しく時に騒々しい教室は、静かで、落ち着いた雰囲気を好む子供には負担が大きく、教師がすべての生徒にきめ細やかな注意を払うことは難しい。

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クラスの規模を小さくすれば、より効果的な教育を受けることができるのか?これは長年にわたり議論されてきたことであり、様々な研究結果も多くは決定打に欠ける。自発的に行動し、自信と能力のある子ども達は、大人数のクラスでもうまく適応してのびのびと過ごすことができるが、クラスの大きさは、授業への積極的関与に影響を及ぼすことがあるという。たとえばクラスが小さくなると、生徒は質問に答える頻度は高まる。小人数のクラスは、大人数のクラスでは黙っていることの多い、達成率の低い生徒にとって特に有益といえよう。

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しかし、教育専門家の中には、クラスの大きさを減らすよりも、教師の質を向上させることが重要だと主張する人もいる。たしかに優れた教師は、クリエイティブで柔軟なグループ分けを活用し、効果的かつ適切に業務を差別化し、集中的なグループワークを通じて生徒をサポートすることができる。

興味深いことに、Pisa(国際学生評価プログラム)の結果によると、香港や上海を含むアジアのいくつかの地域では、地方教育システムによる比較的大きなクラスに属する学生は、標準化されたテストでよい結果を出す傾向がある。ただそんななかでも、学力の向上よりも批判的思考のスキルと、学生たちの協調性や自主性を育てるためにクラス規模は縮小化される傾向があり、個別指導、高いレベルの親のサポート、教育を重視する文化的要因など、学力が向上した理由は他にも複数あったといえる。

結論として、保護者は様々な要因を考慮する必要があるということが言える。子供のソーシャルグループは、学校内外で楽しく過ごすために不可欠であり、親が転校することを考えている場合にも、考慮すべき重要な事項となる。どの学校にいようと仲の良いグループがあるということは、子供達が落ち着き、自信を持って行動するのを助ける。

大きなクラスでは、先生が明るい子供たちを盛り立て、低~中程度の能力で静かに勉強している生徒により細かいサポートを与えるよう努めるため、優秀な生徒が忘れられがちになる。また問題行動のある子供たちも、教師の時間を奪う。監督なしに放置すれば、破壊的になったり集中できないからだ。

クラスサイズの縮小による、目に見える利益は自ずと発生するものではなく、教育自体の質ももう一つの重要な要素といえる。また最も重要視すべきことは、子どもの自信と自尊心を育てることだ。子供たちが学ぶことに積極的な気持ちになるよう、サポートすることを心がけよう。

 

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