「企業物流」のプロ集団日新運輸倉庫(香港)有限公司

2017/11/21

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日新倉庫(香港)有限公司 角本 翔太郎 航空支店長

日本の物流大手企業、株式会社日新の中国事業が1955年から始まったことは本誌2016年7月8日号(547号)で紹介したが、ここで改めて同社と中国との関係について紹介したい。1950年初頭、「国際商品展示会」の日中相互開催が決定。1955年には中国国外初の中国商品展覧会が東京・大阪で、翌1956年には戦後初の日本商品展覧会が北京・上海で催されることとなり、その双方の展示品の輸送作業を同社が担ったことが株式会社日新と中国との関係の始まりである。その後、1963年には日本の運輸業界として初めて中国国際貿易促進委員会より“友好企業”の指定を受けた。1972年、日本と中国は国交の正常化を果たしたが、株式会社日新はそのおよそ20年前から中国事業を展開させてきた、中国物流のパイオニアといえる。1974年、香港に日新運輸倉庫(香港)有限公司を設立。これは同社にとってアメリカに次ぐ世界で2番目の海外拠点となった。日新運輸倉庫(香港)は1980年に中国主要港および香港経由でのコンテナによるドア・ツー・ドアサービスを開始。同社(香港)の設立当初は華南地区工場への設備機械や家電製品の日本からの輸入が殆どであった。当時、華南地区の港には十分な設備が整っていなかったため、こうした日本からの輸入品は香港を経由して蛇口、珠海、深セン、仏山へとトラック輸送していた。中国が世界の生産拠点として発展した現在は輸出貨物が増加し、同社(香港)の取扱いも香港から日本向けの輸出が輸入量を上回っている。日新グループの中期計画としては、自動車関連部品、化学品、食品などの日本を含む世界各地との輸出入増加を目指しており、昨今では日本食材の引き合いが増加している。特に、食品の海外輸出に積極的な九州からの海産物やいちご、北海道からの帆立やなまこの輸入も伸びている。華南地区から日本への輸出では電子部品や自動車関連部品が多いが、近年増加しているのはネット通販・E-コマース関連会社向けの雑貨類だそうだ。

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日新グループではIP(Information Platform)システム©で荷主からお預かりした貨物のデータを反映させており、ネット環境のもと割り当てられたIDとパスワードを入力することで、世界中どこからでも在庫状況や出荷スケジュール、船積書類(インボイス・B/L等)などを荷主が確認可能なサービスを提供している。また、同社(香港)の航空貨物倉庫は香港空港ターミナルに隣接しているため、締切間近までお客様からの荷受けが可能なのも特徴だ。具体的には、午前中に華南地区工場から出荷された電子部品(車載用品、基板等)が夕方に香港に到着、その日の日本向け深夜便での出荷アレンジが可能だという。昨今では華南における香港の役割は変化しているが、一帯一路政策が物流面でどのような影響や変化を及ぼすのか、新たなビジネスチャンスを生み出すのではないかと同社(香港)では期待を寄せている。

日新
日新運輸倉庫(香港)有限公司
住所:13/F., China Insurance Bldg., 48 Cameron Rd., TST
電話:(852)2520-1636
メール:sales@nissinhkltd.com.hk
ウェブ:www.nissinhkltd.com.hk

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