低炭水化物ダイエット

2018/01/29

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【定義】
低炭水化物ダイエットは、穀類、デンプン質の野菜や果実などの炭水化物摂取を制限する一方、タンパク質や脂肪が多い食品を摂る。様々な種類が存在し、食べられる炭水化物の種類と量に制限がある。

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【目的】 
一般的には体重を減らすために行うが、ある種の方法は2型糖尿病やメタボリックシンドロームなどの健康上の利点もあるといわれる。例えば以下のような人にはお勧めできる。
1.特定の炭水化物を制限して減量したい
2.食生活を全体的に変えたい
3.低炭水化物ダイエットに特化した食品の種類と量を楽しみたい 
但し、糖尿病や心臓病などの持病がある場合は、始める前に医師に確認を取ること。

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【詳細】
天然に存在する炭水化物の一般的な供給源には、穀類、果物、野菜、牛乳、ナッツ、種子類、豆類等がある。一方人工的なものとしては食品製造業者が生産した白パンやパスタ、クッキー、ケーキ、飴、加糖のソーダや飲み物等の加工食品がある。

炭水化物には単純炭水化物と複合炭水化物がある。人間の体は主なエネルギー源として炭水化物を使い、どちらも消化中に糖分に分解されて血流に吸収される。これがいわゆる血糖である。一般的に、天然の複合炭水化物はゆっくりと消化され、血糖にあまり影響しない。

血糖値が上昇すると体内のインスリンが放出される。インスリンはグルコースが体内の細胞に入るのを助けてエネルギーとして使用され、人間の全ての活動に使われる。余ったブドウ糖は通常、肝臓、筋肉や他の細胞に貯蔵されるか、脂肪に変換される。

このダイエットの狙いは、炭水化物の摂取減がインシュリンレベルを低下させ、体が蓄積脂肪をエネルギーとして燃焼させることにより体重の減少を目指すというものだ。

【食事】
様々な種類のメソッドが広まっているが、大抵は肉や魚、卵、非デンプン質の野菜を含むタンパク質を中心にした食事を摂り、ほとんどの穀類、マメ科植物、果物、パン、菓子、パスタおよびデンプン質の野菜、場合によってはナッツおよび種子類も除外又は制限する。1日の炭水化物摂取量はおよそ20~60g/80~240カロリー程度にとどめる。

【減量】
低炭水化物ダイエット、特に非常に低炭水化物ダイエットは、低脂肪ダイエットよりも短期間で体重減少の効果があるとされているが、ほとんどの研究では、1~2年間の低炭水化物ダイエットのメリットはあまり大きくないことが分かっている。カロリーや炭水化物のカットが、体重減少の絶対的要因なわけでは
なく、タンパク質と脂肪を多く摂ることで満腹感が持続し、食事量が減って体重減に繋がっているという研究結果もある。

【健康上のメリット】
食事制限により、メタボリックシンドローム、糖尿病、高血圧および心臓血管疾患などの重篤な健康状態を予防または改善するのに寄与する可能性がある。また食べ物のチョイスにもよるが低炭水化物ダイエットは、中程度に炭水化物を摂るダイエットよりも高比重リポたんぱく質(HDLコレステロール)およびトリグリセリド値をわずかに上昇させる可能性がある。

【リスク】 
必要な栄養素を十分に摂れない可能性があることから、ダイエット初心者や思春期の人の減量法としては勧められない。また、炭水化物を過度に(1日20g以下)に制限するとエネルギーのために十分な糖分(グルコース)が無くなり、蓄積された脂肪を分解して体内にケトンが発生する。これをケトーシスといい、吐き気、頭痛、精神的および肉体的疲労、口臭などの副作用が報告されている。

またこのダイエットに関する研究はどれも開始されておよそ1年足らずなので、長期的な健康リスクの可能性は明らかになっていない。動物由来の大量の脂肪やタンパク質を摂ることで、心臓病や特定の癌のリスクが増加する可能性があると警鐘を鳴らす専門家もいる。

脂肪分とタンパク質をバランス良く含んだ低炭水化物の食事をしたいなら、健康的な不飽和脂肪とタンパク質を含む食品を選ぶことが重要だ。肉、高脂肪乳製品、加工クラッカー、ペストリーなどの飽和脂肪酸、トランス脂肪を含むものは控えよう。

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