PPWビジネス通信 × アナシス Vol 4

2018/03/20

人事労務のアナシスによる誌上相談会

「低い評価はどうフィードバックすればいいのか?」

 

PPW:パフォーマンスのよくない社員に低い評価をしたいのですが、フィードバックは必要でしょうか?どうすればよいのでしょうか。

評価を行う目的に戻って考えてみましょう。昇給や賞与を抑えたい、ということもあるかもしれません。ただ、評価は賃金・賞与などの待遇決定だけでなく、従業員の育成も意図しています。会社としてとって欲しい行動を指し示していくものです。そこで ここで は「 低 い 評 価 の 人 へ のチャンスを与えること」という文脈で回答していきます。

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低い評価を部下が理解するには条件があります。それは「1.評価基準が予め設定し伝えられていること 2.評価の根拠となる事実があること 3.上司が評価者として受け入れられ、信頼されていること 4.日常上司とコミュニケーションがとれていること 5.次はどうすれば評価が高くなるかの具体案を部下が納得できること」

これは日常のマネジメントそのものです。納得のいく目標の共有と日常からのフィードバックがあってこそ、はじめて理解されます。これらの条件があったうえで、なおかつ低い評価である場合には事実をベースにした論理的な説明が必要となります。

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さて、実際にその低い評価を伝える時の鉄則には二つあります。ひとつは「悪い重い話は詳細が先、結論が後」ということです。ビジネスの世界では「結論から言う」のがコミュニケーションの鉄則だと思います。しかし重い話は別です。詳細を話していると結論を相手が想像できるようになり、突然結論を言われた場合と比べ、聞く側も心の準備ができると言われています。もうひとつの鉄則はサンドイッチ話法。悪い評価をいい評価に挟んで話すというものです。まず高い評価の中でできることから話します。そして低い評価へ。そしてもう一度良い評価の話に戻って、その部下の全体評価と将来への動機付けをするというステップとなります。

それでも低い評価結果は、部下達にとってはなかなか受け入れられないものです。昇給や賞与の額にも影響が出ますので、当然その論理性・公正さを求めてきます。あらゆる角度から反論してくるかも知れません。事実の見方への反論、「なぜあの人は?」といった他者との比較、そもそもの目標の妥当性、あるいは全く関係ない私的な状況の訴えまで、本当にさまざまです。だからこそ事前準備が必要なのです。

 部下達の成長を心から願い、その成長の可能性を信じること。これができる上司ならば、部下がその低い評価を受け入れることもあるでしょう。可能性を信じるからこそ勇気を持って、耳の痛いフィードバックができるのです。当面の人間関係の悪化回避が最優先であれば、フィードバックしないという選択肢もあります。ただ、茶を濁す決断はクセになる。癖になったマネジメントは、なかなか変わらないものです。低い評価の人を奮起させるのもマネジメントの醍醐味ではないでしょうか。

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