教育相談室 第5回

2018/09/26

第5回「塾へ通わせることを検討している親御さんへ」

 

塾に行こう(行かせよう)と思い立つ主なキッカケは学校の成績を上げたい、または難関校に合格したいというこれらの2つの理由のどちらかによります。

しかし、親御さんにおいては「塾には勉強にとどまらない効果がある」ことをしっかりと理解することで、勉強の成績を上げること以上の成果を塾に期待することができます。

では、塾に期待できるものとは何なのか、そもそも子どもに合った塾を見つけるにはどうしたらいいのかを今回はアドバイスさせていただきます。

 

【塾で出会える2人の存在】 

まず、覚えておいてほしいことは塾で出会える2人の存在についてです。

1人は学校にはいないようなライバル的存在、もう1人は家族、学校の先生以外の大人の存在です。

スポーツでも強力なライバルと信頼できるコーチがパフォーマンス向上には不可欠なように、勉強において、ひいては人生においてもこれらの2つの存在は重要で、塾に通うことでそういった人たちに出会える可能性は増えます。

 

【塾のカリキュラムって…】

テレビでCMをやっているような大手だろうと自宅の一室を教室にしている個人経営の小さな塾だろうと勉強する内容に特に変わりはありません。

ですから、塾を選ぶ際にカリキュラムにこだわる必要はありません。

 

【体験授業は…】

1つの塾の体験授業に参加するだけではその塾の良さがよく分からないので、時間が許すのであれば2つ以上の塾で体験授業を受けさせることをおすすめします。集団授業、個別指導をそれぞれ受けさせるのも良しです。そうすることで、どの塾、どの授業が自分に合っているか子ども自身でより確信が持てるはずです。

 

【入塾の決め手は…】

最終的に塾選びの決め手となるのは、その塾にいる人々です。

塾の規模、知名度、合格実績、設備などの要素も大切ですが、授業というものは先生と子どもの間のやり取りによって構成されているので、結局は両者の相性が一番大事になります。

もしかしたら、わが子に相性の合った先生は大学生のアルバイト講師かもしれませんし、強面の教室長かもしれません。

いずれにしても実際に行ってみない限りその答えは分かりません。

また親御さん自身もそれぞれの先生や受付スタッフなどの態度や受け答えをしっかりと観察する必要があります。親からの質問にめんどくさそうに答えるような先生は子どもからの質問にも同じ態度を示します。

 

【塾がストレスのはけ口に】

子どもたちも多くの悩みやストレスを抱えていますが、経験や知識が未熟なためにそれらのストレスを発散する方法が分かりません。

そういう不安定な状態の中、塾に通うことで成績があがる、分からないことが分かるようになる、失敗しても励ましてくれる先生がいる、一緒に頑張る仲間がいる、というような体験をすることはかれらの抱える日々のストレスを和らげる手助けになります。

つまり、塾に通うことで自分のサポーターが増えるということです。

このことは親御さんにとっても同じことが言えて、学校の先生以外に相談できる人がいることは大きいです。時に、学校と塾と家のそれぞれの環境で異なる姿を見せる子どももいます。

そういった場合は、それぞれの先生たちとよくコミュニケー ションをとることで、自分のお子さんのことをよりよく知ることができます。

 

【塾は通う必要あるの?】

正直、塾は通わなくてもいい場所です。

だからこそ、通わせるからにはしっかりと選別するようにしてください。なぜなら、そこで信頼できる仲間や先生に出会えれば、お子さんに大きな自信と目標を持ってもらうことができるからです。

ですので、もし最初の体験授業や面談を通して良い感触を得られたのでしたら、是非入塾することをおすすめします。

 

 


さかもと りゅういち

筆者プロフィール
さかもと りゅういち
筑波大学体育専門学群卒業後、訪問営業、塾講師、日本語講師を経験しながら韓国、中国を渡り歩いたあと、香港にて学習塾開業プロジェクトに携わる。現在はドイツの粉ミルクを中国人に売る日本人として新しい業種での仕事に奮闘中。休日は香港人の子どもたちに柔道を指導しながら香港文化を学ぶ。

 

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