製造業 移り変わりと展望(前編)

2019/08/21

「中国進出が決まったが、何から始めたらいいかわからない。」
「現地法人の会計内容がわからない。財務諸表を日本語で見たい。」
「会社を運営していく上で、香港、中国の税務処理がわからない。」
などと言った、中国における会社経営者であれば誰もが持つ悩みを解決し、香港にて会計事務所として多くの日系企業を抱えてきた華南地区における日系製造業界の縁の下の力持ち、Tri-Pros(トライプロス)社の宮永氏に華南の製造業についてQ&Aでお話を伺った。今回は前編。

 

PPW:まず始めに、どのような事業をされてますか。

宮永氏:弊社はメインは香港の会計事務所ですので、香港にご進出されている日系の香港法人の会計監査、税務申告を主にお手伝いさせていただいております。また中国事務所においては、中国法人の税務申告やコンサルティングを中心にサービスを提供しております。昨今中国法人、特に独資工場において、会計スタッフや地元会計事務所とのコミュニケーションに悩んでいらっしゃるというご相談が増えており、会計スタッフや地元会計事務所との橋渡し的な役割のお仕事も増えてきており会計スタッフや地元会計事務所との橋渡し的な役割のお仕事も増えてきております。

 

PPW:ここ10年の間で大きく変わったことはどのような点でしょう。

er宮永氏:2000年代後半2010年前半は、広東省の工場の形態がそれまでの来料加工工場からいわゆる独資工場に変化した時期でした。また、経済成長に伴い、コストが10年で大幅に変わりました。2000年代後半はだいたい最低賃金が1000元だったものが、現在深圳は最低賃金2200元、同じく東莞市で1720元になりましたし、賃金だけでなく、人が集まりにくいという状況にあります。1990年代から衣類・繊維産業などから電子部品が中心になり、2000年代初めから広東省の主流が自動車産業へ。まだOA等電子部品も残ってはいますが東南アジアへ移り、広州は自動車産業がメインとなりました。
 製造対象物に関して、顧客の中でも昔はカメラの部品を扱っていた工場も今は自動車部品であったりと、製品自体が変わってきています。
 e対象物以外でも10年20年からキープレイヤーが変わってきました。一番上が日系のメーカーで、自動車などは未だそうですが、最終のメーカーというのが中国のメーカーも大きく育ってきているという状況です。新しい中国の企業が増え、いわゆるキープレイヤーが変わってきています。
 賃金も上がりライフスタイルも変化してきており、昔は仕事が終わった後に外食などできませんでしたが、今では一般人が仕事終わりにイタリアンレストランなど外食が盛んになってきています。昔はレストランの客層といえば日本人や欧米人など外国人が主流だったのが、今では現地中国人が多く割合を占めるようになってきています。

 

PPW:今現在製造業として世界から見た中国の立ち位置とは何でしょうか。

宮永氏:昔はコストが低く働く人も大勢いて、労働集約型の製造業が主流であり、世界の工場といわれる程に大きな規模でありました。そして中国で物を作って世界に売っていく、という立ち位置でした。ところがコストが上がってきて今現在はどちらかというと中国で作って中国で売る、という流れになってきました。購買力など、中国経済自体も変化したためかと思います。

 

PPW:現在の中国の情勢における影響はどのようなものでしょう。

宮永氏:私の顧客からの話を聞くには、直接中国からとある国への輸出は一旦ベトナムなど第三国にて組み立ててから輸出、というのが出てきているようです。また米中の貿易戦争の中で、中国企業が海外からの資材調達という点にも支障が出ているという話も耳にしますので、実際のところ色々な面でマイナスなのが現状なのでしょう。

 

PPW:今後、在中国日系企業に起こりうるであろう課題はありますか。

宮永氏:経済も含めて今後どのようになるかは不明でありまして、あくまで私の主観でありますが、実際景気が減速していると言われている一方、新しい産業が次々に出てきています。例えば深圳の街中で電気自動車が多く走っており、宅配に関しては自動宅配車が開発されているという話も出ています。このような新しい分野、新しい産業が芽を出しています。日本では法律によって縛られてしまっているものが、中国は割とはやいのです。そういう新しいものに対するスピードがあり、秘められているポテンシャルは目を見張るものがあります。また、海外で教育を受けた中国人が、中国に帰ってきて、ドローンなど新しい分野携わる、といった話も聞きます。技術や特許も大事ですが、アイディアも含め行動力や発想力は中国は強いですね。
 r現在の日系企業はどうしてもコストダウンが主眼となっており、中国企業からの話では日系企業と付き合っていると定期的にコストダウンを訴えてくるようです。そう言った企業に物を売るよりは、本当に理解してくれている企業に売った方が良い、という考えを持つ中国企業さんもいらっしゃいます。



Mr.宮永 TRI-PROS香港・華南地区で25年!
会計、税務サポートはトライプロスまで
中国内の日系製造業様の実績多数!
経験豊富な日本人スタッフが
情勢や法制度を踏まえた上で
御社に最適なプランを提案いたします。

 

ty香港本社:Tri-Pros CPA Limited Tri-Pros Management Consultants Limited

住所:Unit A2, 4/F., Blk. A, Po Yip Bldg.,62-70 Texaco Rd., Tsuen Wan
電話:(852)2493-0175 担当:宮永、一ノ瀬
メール:miyanaga@3pros.com.hk
ウェブ:www.3pros.com

 

 

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