月刊スターツ通信 vol.11

2020/03/04

2020年2月の不動産市場〜香港編〜

23ヶ国36都市に展開し、年間1,000社以上の企業相談を受け持つ不動産の専門家・スターツが、香港・華南地区の不動産市場を毎月解説。

テナント支援としての、賃料削減へ

　政府発表のデータを見ると、オフィス賃料の全体平均は10月から12月まで3か月連続下落しています。エリア別オフィス賃料単価は、中環HKD135/sqft、湾仔、銅羅湾HKD75/sqft、北角、鰂魚涌HKD56/sqft、尖沙咀HKD54/sqft、九龍湾、観塘HKD35/sqft、（Aグレードオフィスでの12月の概算平均賃料単価）でした。

　IFCモールなどを含む数多くのショッピングモールを所有する大手デベロッパーがテナントの賃料を下げるとのニュースが出ております。小売り、飲食、ケータリング、教育機関などのテナントの基本賃料をHenderson Land Development（ヘンダーソンランド）は20％から最大60％。Sun hung kai（サンフンカイ）は30％から最大60％。下げるとのことです。これは、香港の財務長官の呼びかけに応じたもので、ビジネスが厳しいテナントに対して大幅な賃料引き下げを提供することで社会的責任を果たすよう、不動産所有者へ訴えたものです。Ｌink Ｒeal Estate Invest TrustはコミュニティーモールへのHKD8000万の補助を決定。賃料支払いの分割払いの許可、延滞金利およびサービス料の免除、賃料無料期間の付与、賃料の削減などの措置だそうです。ある専門家は、より大きな開発者や不動産所有者が先導すれば、より多くの地主が追従するでしょうとも述べております。オフィス賃料、住宅賃料もこれに追従してくることも予想されるのではないでしょうか？

参照URL
https://www.scmp.com/business/companies/article/3050437/henderson-land-cutsrents-60-cent-hong-kong-issues-sos-suppor（t2020年2月13日掲載）
https://www.scmp.com/business/article/3050309/sun-hung-kailkf-group-fulfil-social-responsibilities-cut-rents-response（2020年２月12日掲載）

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