総合健康診断サービス「メディポート」健康コラム:栄養と健康 糖質も必要な栄養素

2021/02/24

健康コラム 栄養と健康 糖質も必要な栄養素

 

 hori prof このところ話題といえば新型コロナのことばかり。一時帰国したくてもなかなか帰れない、旅行したくても飛行機に乗ることすらままならない。そればかりか食事するにも人数や時間の制限までされてしまいます。せっかくの休暇なのに香港にいるしかないのは受け入れるにしても、日常の行動まで制限されてしまうのは大きなストレスに直結する懸念が生じます。投資の世界では、持ち株が値下がりして売るに売れない状況を大閘蟹(上海蟹)と言います。全身をワラでくくられて身動きできない上海蟹の状態に重ねているわけですが、いま私たちが置かれている状況も、気持ちとしては同じですね。新型コロナウイルスに感染したくなければ、行動制限を受けたり自粛したりするのは仕方がありません。これは自分から他人への感染を予防するためでもあります。もう少し感染状況が落ち着いてくるまでじっと我慢するしかありません。しかし、いくら動かなくても腹は減るもの。いつ何時でも食べるのを忘れてしまうなどありえません。普段は何も意識せず食事していますが、今回は栄養と健康について少しだけ考えてみましょう。

 

身体の要素

 人体は何から構成されているのか? その組成を元素で分類すると、多いほうから酸素65%、炭素20%、水素10%、窒素3%、カルシウム1.5%などですが、思いのほか酸素が多いのに驚きます。またタンパク質の構成要素である窒素が少ないのは意外ですね。さらに人体に健康被害を与えるものとして誰もが認識している水銀、カドミウム、ヒ素といった重金属も、ほんのわずかですが人体を構成する元素なのです。重金属ではありませんが亜鉛が不足すると味覚異常を起こすように、たとえごく微量であっても何らかの働きを担っており、不足すると障害が起きます。これらはすべて口から取り込まれたもの、つまり食物から100%摂取されたものです。ちなみに哺乳動物ではこの構成要素に大きな違いはないものと思われます。

 

栄養素

 栄養素という観点で考えると、原子レベルの要素を並べたところで意味はなく、分子レベルで見なければいけません。この場合、体重の7割が水です。栄養と言えるものではありませんが、生きるために絶対的に必要な物質です。3大栄養素として糖質、脂質、たんぱく質があり、さらにビタミンやミネラルを加えて5大栄養素と呼ぶことは、昔、学校で習いましたね。

 糖質や脂質を中心とする活動エネルギー源、筋肉や血液などをつくるためのタンパク質などが重要な要素ですが、そのほかに「体調を整える」という役割があるビタミンやミネラルもあります。これは私が子供の頃の疑問ですが、「身体を整える」とはいったいどういうことを指しているのでしょうか。漠然としていてその意味を理解できなかったものです。これらは身体の構成成分になるものではない栄養素であって、様々な生体活動に必要不可欠なものなのです。必要とされるのはごく微量であり、不足しても直ちに生存を脅かすものではありませんが、長い目で見るととても大きな役割を担っています。

 

食生活と栄養

 三大栄養素から微量元素にいたるまで、食品によって成分が大きく違うので、すべての栄養素を摂るには多くの食品を万遍なく食べなければいけません。より健康的に生きるためにはそれが理想かもしれませんが、とても現実的な食生活ではありません。今でこそ物流が盛んになり、世界中どこにいても色々なものを食べることが可能ですが、昔は北国では肉を、南国ではイモばかりを食べなければいけない民族もありました。しかし基本的な栄養はそれで満たされていたのです。細かな説明は省きますが、栄養というものはそれほど厳密に考える必要はないというのが私の持論です。ヒトの身体はとても堅牢です。

 

米の栄養

 「腹が減っては、戦はできぬ」と言います。つまり「力が出ない」のです。正に食べる行為はエネルギーを取り込むのが最大の目的であり、米などの炭水化物を嫌うのは、自然の摂理に反していることになります。急激な血糖値の上昇が悪いように言われますが、脳の働きに必要なのはグルコース(血糖)だけです。その脳が血糖不足を訴えているのに、血糖値が上がらない食事を続けて脳に問題が生じた事例があるそうです。米はタンパク質を豊富に含むなど思いのほか栄養素に満たされており、まさに主食として素晴らしい食品です。

 

現代の栄養失調

 食生活がとても豊かな現代に栄養失調があるなどにわかには信じられませんが、最近、カルシウムをはじめとするミネラルやビタミン類の不足が指摘されています。摂取する食品の種類が多く、カロリー摂取が多くなっている割には必要とされる栄養素が摂れていないのが実情です。糖質制限することばかり考えずに、食生活全体を見直さなければいけません。ご飯を中心にみそ汁と干物、そして漬物少々といった、昔の日本の食事を思い描くのも悪くありません。現在の食生活は、身体に良いと思われるものを積極的に摂ろうとする傾向が強いのですが、「何を除くべきか」を少しだけでも考えてみる機会を持つことをお勧めします。

 

 


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