総合健康診断サービス「メディポート」健康コラム:運動しよう

2021/09/22

健康コラム 運動しよう 総合健康診断サービス メディポート

 hori prof 厳しい残暑が続いていますが、吹く風は心地よく季節は確実に秋に向かっています。香港はじめ中国華南地方は、まもなくベストシーズンに入ります。湿度が低く天候も安定した毎日が来年の春節くらいまで続きます。何をするにしても気持ち良く、実に爽快な季節です。猛暑の季節が去った今こそ運動を始めるのにふさわしい時期ですが、我々はいったいなぜ運動が必要なのでしょうか? 運動が身体に良いということは誰もが疑いませんが、それがなぜなのかと聞かれても、多くの人はきっとうまく答えられないと思います。

 どのような生き物でも生きるためには身体を動かさねばなりません。それは餌を求める行動と危険の回避が基本であって、そこには無駄な動きが一切ありません。彼らにとって過剰な動作は、最悪の場合、生存を脅かす行為にもなりかねません。

 木々を渡りあるくサルでも鉄棒はしません。馬も、自然界でやたらと走り回っているわけではありません。イルカにボールを投げても、知能が高いので若干興味を示すのかもしれませんが、水族館でさせられている演技などするわけがありません。当たり前ですよね。

 

昔の生活を想像する

 およそ600万年前にアフリカ中央部でサルから分化したヒトは、その後急速に進化しました。しかし食物を得る行動でほとんど一日を費やしてしまう野生動物と同じような生活はその後も長く続きました。自分たちの食糧をすべて自然から得られるものに頼っていたわけですから、必死になって食べものを探していたに違いありません。その時代は、摂取カロリーの制限が叫ばれる現代とは全く反対で、食べものを十分にかつ安定的に得られず、消費エネルギーが摂取カロリーを上回ることも多かったはずです。満腹感を得られるのは稀で、常に空腹状態が続いていたのではないでしょうか。

 

日常生活に運動を取り込む

 おそらく産業革命以降、「動力」が様々な分野で使われる時代となり、ヒトが自身で動かなければいけない範囲が狭くなりました。仕事はもちろん日常生活でも消費エネルギーはかなり減ってきたのではないでしょうか。肉体的に「楽」になってきたわけです。この意味は、生きて行くうえで筋力を使わなければいけない動作が減っていることをあらわし、ヒトのエネルギー消費の減少に直結するものです。現代生活は便利さを極めています。たとえば自動車に代表されるように、とても便利になった反面、移動するためのエネルギーをすっかり使わなくなってきたわけです。農耕で食糧を得ていた時代であれば、ヒトは、日中、農作業に忙しく、それで十分な運動量の確保につながったはずです。産業分化した現代人でも、今おかれている環境でいかに筋肉を使うかを常に考えた方が良いのです。無意識でいると楽な方に流れてしまうので、「運動」を常に意識しての行動が求められます。

 

スポーツとは

 野生動物は弱肉強食の世界です。獲物を追う時、食われまいと逃げるとき、餌を奪い合うのは日常です。現代人はこれらの行動がとりあえず不要になったわけですが、その生物学的性質は遺伝子に残されているのかもしれません。このような行動がヒトの世界では高度に進化して、まったく違う形でスポーツへと昇華したと考えられます。オリンピック競技を思い出してください。主要な競技にあるものは、走る、飛ぶ、投げること。これらすべて動物が生きるための行動に共通します。また球技は、獲物を追いかけたり、追い込んだり、奪い合ったりすることと同じです。格闘技は野生の世界で命を懸けて戦うのと同じです。個人的に思うことですが、生きるために強いられている動物の生存競争とは違い、ヒトが必死になって行うスポーツ(過度な運動)は、反対に自身の生存を脅かすものなのかもしれません。楽しんでやっている分には良いのですが、記録を出そうとして必死になるのは、「健康」から遠ざかる行動であるともいえます。

 

運動量と摂取カロリーのバランス

 体重が増加し始めると、多くの人は運動不足だと言い訳します。確かに運動はエネルギーを消費しますが、身体を動かすためのエネルギー量は思ったほど大きくありません。おおざっぱですが、脂肪を100グラム消費するには、およそ10キロメートルもマラソンしなければいけません。日常、最も多くのカロリーが消費されるのは体温を保持するためです。生きている限り体温を36度程度に維持しなければいけませんが、このために要するエネルギー量は莫大です。

 痩せるためには、運動するより食事制限したほうがはるかに効率的であり、そのうえで適度な運動を加えるのが理想的だと思われます。現代人は生活が便利になって消費エネルギーが減っているにも関わらず、摂取カロリーが多くなりすぎているのが現状です。

 

運動の必要性

 心肺機能の維持増進、筋肉の強化、骨粗鬆症の予防など、適度な運動によって様々な効果が期待できます。その最終的な目的は、死ぬまで元気でいること。ピンピンコロリです。誰もが100歳を迎える可能性があるのです。超高齢期を寝たきりで迎えるのではなく、どんなに年をとってもトイレぐらいは自分で行けるようにしておくのはとても大切です。

 気候が良くなる今から、しっかりと歩きましょう。


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