「めまい」の症状と原因楊さちこ中医美容学

2015/06/09

「めまい」の原因とは？
「めまい」とは、静止している周辺の景色や物体が揺れ動いたり、回転するように見えたり、自分のからだがふらついたり、目がかすんで安定しないことをいいます。激しい回転性のめまいで、嘔吐したり、意識を失うような重症から、立ちくらみ程度の軽症まであり、長年にわたり反復するものや、一過性のものもみられます。「めまい」にも、さまざまな症状と原因があります。

●強いめまい
周囲が回転したり揺れ動き、船に乗っているように感じたり、倒れそうになったり、何かにつかまらないと歩けなかったり、起き上がるのが困難であったり、吐き気、嘔吐、頭痛、耳鳴りなどを伴ったり、ひどいときには意識障害を起こす状態。
１．「吐き気」「嘔吐」がともなう「めまい」（痰濁上擾）
水分代謝の失調により生じた痰が頭部に上昇するために、内耳、眼球、脳の機能を阻害するために起こる。「めまい」のうちでは、もっとも一般的であり、メニエール病はこの範疇に入ることが多い。

①めまい・吐き気・嘔吐に加え、普段から、食欲不振、おなかのはり、だるい、頭が重い、便が柔らかい、舌が白いなどの症状がある場合（風痰上擾）
原因：疲労、緊張、イライラ、睡眠不足、暴飲暴食など

②めまい・吐き気・嘔吐に加え、イライラ、怒りっぽい、不眠、口が苦く感じる舌が黄色いなどの症状がある場合（痰熱上擾）
原因：精神的ストレス、怒り、辛いものの摂取や、慢性的飲みすぎ

２．「ふらつき」「頭痛」がともなう「めまい」（風火上煽）
高血圧症、更年期障害、自律神経失調症でよくみられ、自律神経系の興奮が代謝の亢進や脳の充血をもたらし、めまいや頭痛をひきおこす。

①強いめまい、ふらつき、頭が割れるような持続性頭痛、難聴、耳鳴り、イライラ、怒りっぽい、のぼせ、顔が赤い、眼の充血などがある場合（肝陽化風）
原因：精神的ストレス、激しい怒り、感情の鬱積など

②めまい、頭痛、ふらつきが反復し、目や皮膚や口が乾燥、のぼせ、ほてり、寝汗、焦燥感などの症状がある場合（陰虚陽亢）
原因：先天性虚弱、慢性病や、熱病が長引いた場合

●めまい感、ふらつき
１．動作時にふらっときたり、あたまがボーっとして目がくらみ倒れそうな気がするといった軽度のめまい。頭部に栄養や循環が十分でないためにおきる（清陽不昇）
①立ちくらみ、動作時のふらつき、疲れやすい、元気がない、食欲不振などがともなうめまい（気虚下陥）
原因：先天性虚弱、慢性病、老化、過労など

②首やからだを動かすとふらっとなる、ふだんから頭がぼんやりしている、かすみ目、目の乾燥、顔色が悪い、四肢の痺れを伴うめまい（血虚）
原因：先天的虚弱、産後、出血、慢性病などで血が不足している

③慢性的な頭のふらつき、思考力減退、耳鳴り、物忘れ、かすみ目、手足がだるいなどを伴うめまい（腎精不足）
原因：先天性虚弱、老化、過度の性生活、多産などにより、腎精が不足している

２．体内に発生した余分なものがからだの正常な動きを阻止しておきる（阻滞清陽）

①むくみ、吐き気、嘔吐、下痢をともなう発作性のめまい（水飲阻滞）
原因：先天性虚弱、慢性病、老化などにより頭部に十分な血液が送られない

②ふだんから、頭痛、肩こり、耳鳴りがあり、天候体調によって生じるめまい（お血阻滞）
原因：頭部打撲、鞭打ちなどの後遺症F

その中でもよくみられる、気虚下陥、血虚に対応するものをご紹介します。
材料：辛夷15g、蒼耳子9g、白蕋30g、薄荷葉15g
作り方：ミキサーにかけて粉末にし、毎食後、1回6gづつ白湯で服用

【楊さちこ先生のプロフィール】
1961年大阪生まれ。南京中医薬大学。
中医美容教授・中医学博士。
日本と香港・中国のアジアンコスメブームに火をつけた第一人者。アジア各地において商品開発から美に関するトータルプロデュースを手がけるほか、各地において美容セミナーを開き、「楊さちこ式美容メソッド」「脱ファンデーション」を伝え、幅広い年齢層の男女から絶大な信頼と支持を得ている。