口内炎の対処法 楊さちこ中医美容学

2015/06/23

楊さちこの中医美容学的 口内炎の対処法 その1

口内炎とは、口腔内の粘膜や舌面に生じるびらんや潰瘍で、通常は発赤や痛みを伴います。
口腔と多くの臓腑は関連を持っていて、口内炎はさまざまな臓腑の病変を反映しています。

熱病の経過に発生するものや全身に多発する潰瘍の一部として見られる口内炎は主症状ではないので、ここには含まないことにします。また、慢性で、しだいに憎悪する口内炎は悪性腫瘍の恐れがあるので、専門医を受診することをおすすめします。

口内炎は反復しやすい症状ですが、根本的な治療には、あまり目が向けられていないのが現状です。

一方、中医学では、口内炎を単なる局所的な炎症とはとらえず、内臓の異常の表れと考えます。そのため、問題が起こっている臓器を治療することで、炎症を鎮めるとともに、再発を防ぐことができます。口内の症状とかかわりが深い臓器は、「心(心臓)」と「脾胃」。特に、唇の裏や舌の奥には脾胃、舌の先は心の問題が現れやすいといわれていますが、決め手は胃腸症状の有無。胃腸症状があれば脾胃、なければ心を中心に考えます。

●心とは
心という臓器には、ポンプ作用によって血液を循環させる働きがあります。血管が多く集まっている舌や顔面は、心との関わりが深いため、心に熱が発生すると、口内炎などの症状が現れやすい。

●熱の性質とは
自然界の熱が、ものを焼き尽くし、水分を蒸発させるのと同じように、体内の熱(熱邪)も、炎症を起こしたり、潤いを失わせる性質があります。また、上に昇りやすいという性質もあるので、熱による症状は、顔などからだの上部に現れやすい。

■口内炎の症状と対処法■ 心に主な原因がある場合

●炎症が強く、舌に黄色い苔がある
心に発生した余分な熱が関係しているので、熱を取り除くようにしましょう。

◆黄連うがいぐすり
材料:黄連8g、水400cc
作り方:すべての材料を鍋に入れ、水の量が半分になるまで煎じる。
使い方:冷ましてから、しばらく口に含んでうがいをする。

●口内炎の色が白っぽく、あまり痛まない
からだに必要な水分が不足したために、水と熱のバランスがくずれ、心の熱が相対的に余った状態。この場合、舌の苔は少なく、手のひらや足の裏がほてる、寝汗をかく、のどが渇くなどの症状を伴います。からだの水分を調節し、心の熱を冷ましましょう。

◆蓮の実ドリンク
材料:蓮の実15g、雪耳15g、はと麦20g、水500cc、氷砂糖適量
作り方:①蓮の実を30分水につける②雪耳を1時間水につける③すべての材料を器に入れて1時間蒸す④最後に氷砂糖を入れる

●口内炎が治りにくく、反復する
からだに必要な水分と血がともに不足すると、口の中が乾いて熱をもちやすくなり、口内炎が反復してできることがあります。このほか、皮膚が乾燥する、顔につやがないなどの症状をともない、口内炎が慢性化しているときは、潤いと血の不足を補いましょう。

◆玉竹スープ
材料:玉竹15g、白芷12g、クコ12g、麦門冬10g、豚肉スペアリブ250g、水2ℓ
作り方:全部を鍋に入れて煮る。好みによって紅棗をいれて味を調節する。

【楊さちこ先生のプロフィール】

楊さちこ
1961年大阪生まれ。南京中医薬大学。
中医美容教授・中医学博士。
日本と香港・中国のアジアンコスメブームに火をつけた第一人者。アジア各地において商品開発から美に関するトータルプロデュースを手がけるほか、各地において美容セミナーを開き、「楊さちこ式美容メソッド」「脱ファンデーション」を伝え、幅広い年齢層の男女から絶大な信頼と支持を得ている。

楊さちこのアジアンビューティースタイル公式サイト
Repeque®-レピーク
http://www.yo-sachiko.com
香港ときどき海外発!
中医学博士・楊さちこの『アジアンビューティまっしぐら』@アメブロ
http://www.asian-cosme.asia

◆著書のおしらせ
「全部やろう!」なんて思わなくていい――。綺麗になると決めた日に、1つだけ始めよう。美しさを日々更新するための98の美容実践術をまとめた中医美容学の第一人者が教える美人への“最初の一歩”『昨日よりも綺麗になる魔法の習慣』(光文社知恵の森文庫)発売中

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