口内炎の症状と対処法 楊さちこ中医美容学

2015/07/07

楊さちこ

口内炎とは、口腔内の粘膜や舌面に生じるびらんや潰瘍で、通常は発赤や痛みを伴います。口腔と多くの臓腑は関連を持っていて、口内炎はさまざまな臓腑の病変を反映しています。

 

熱病の経過に発生するものや全身に多発する潰瘍の一部として見られる口内炎は主症状ではないので、ここには含まないことにします。また、慢性で、しだいに憎悪する口内炎は悪性腫瘍の恐れがあるので、専門医を受診することをおすすめする。

口内炎は反復しやすい症状ですが、根本的な治療には、あまり目が向けられていないのが現状です。

一方、中医学では、口内炎を単なる局所的な炎症とはとらえず、内臓の異常の表れと考えます。そのため、問題が起こっている臓器を治療することで、炎症を鎮めるとともに、再発を防ぐことができます。口内の症状とかかわりが深い臓器は、「心(心臓)」と「脾胃」。特に、唇の裏や舌の奥には脾胃、舌の先は心の問題が現れやすいといわれていますが、決め手は胃腸症状の有無。胃腸症状があれば脾胃、なければ心を中心に考えます。

●心とは

心という臓器には、ポンプ作用によって血液を循環させる働きがある。血管が多く集まっている舌や顔面は、心との関わりが深いため、心に熱が発生すると、口内炎などの症状が現れやすい。

●熱の性質とは

自然界の熱が、ものを焼き尽くし、水分を蒸発させるのと同じように、体内の熱(熱邪)も、炎症を起こしたり、潤いを失わせる性質があります。また、上に昇りやすいという性質もあるので、熱による症状は、顔などからだの上部に現れやすい。

■口内炎の症状と対処法■

脾胃に主な原因がある場合

●炎症が強く、胃に灼熱感がある

赤みや痛みが強い口内炎で、胃に灼熱感がある、のどが異常に渇く、冷たいものを飲みたがる、といった症状をともなうのは、胃に発生した熱が原因と考えられます。

◆枇杷茶

材料:枇杷葉2枚分、水400cc(1日分の量)

作り方:材料を鍋に入れて水の量が半分になるまで煎じる。

●口内炎が慢性化し、胃腸の調子が悪い

普段から胃腸の調子がすぐれず、口内炎が反復してできるような場合には、胃と腸のバランスがくずれて、湿熱が発生しやすくなっていることが考えられるので、胃と腸のバランスを整えましょう。

◆黄耆ドリンク

材料:人参の髭6g、黄耆6g、クコ3g、紅棗1個、熱湯400cc

作り方:急須や蓋つきのコップにすべての材料を入れて5分くらい蒸らしてから飲む。

●もともと胃腸が弱く、口内炎が治りにくい

口内炎は主に熱が起こす症状ですが、赤みも痛みも少なく、治りにくい口内炎の中には、からだの防衛能力の不足が原因となっていることがあります。この場合、胃腸が弱い、疲れやすい、かぜをひきやすいといった症状も現れやすくなります。まず気を補って自然治癒力を助けることが大切です。

◆シナモンティー

材料:ティーバックの紅茶、牛乳70cc、シナモンパウダー、砂糖適量

作り方:①牛乳を温めてそれにティーバックをいれる。②紅茶の色が出たらシナモンパウダーと砂糖を入れて飲む。

●ストレスが強く、胃腸の調子が悪い

ストレスが原因で胃腸の調子がくずれ、口内炎ができる場合があります。イライラしやすく、月経不順などをともなう女性の口内炎に。

◆柴胡ドリンク

材料:柴胡 12g、甘草4g、紅棗3個、熱湯500cc

作り方:①柴胡と、紅棗はきれいに洗って薄切りにする。②急須や蓋つきのコップにすべての材料を入れて5分くらい蒸らしてから飲む。

【楊さちこ先生のプロフィール】
1961年大阪生まれ。南京中医薬大学。
中医美容教授・中医学博士。
日本と香港・中国のアジアンコスメブームに火
をつけた第一人者。アジア各地において商品開
発から美に関するトータルプロデュースを手が
けるほか、各地において美容セミナーを開き、「楊
さちこ式美容メソッド」「脱ファンデーション」を伝
え、幅広い年齢層の男女から絶大な信頼と支持
を得ている。
楊さちこのアジアンビューティースタイル公式サイト
Repeque®-レピーク
http://www.yo-sachiko.com
香港ときどき海外発!
中医学博士・楊さちこの『アジアンビューティ
まっしぐら』@アメブロ
http://www.asian-cosme.asia

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◆著書のおしらせ
「全部やろう!」なんて思わなくていい――。綺麗になると決めた日に、1つだけ始めよう。美しさを日々更新するための98の美容実践術をまとめた中医美容学の第一人者が教える美人への“最初の一歩”『昨日よりも綺麗になる魔法の習慣』(光文社知恵の森文庫)発売中

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