総合健康診断サービス「メディポート」健康コラム:ダイエットとは?

2016/03/03

春節を前にして、赤や黄そして金色など街は暖かく賑やかな装いに包まれてくる今の時季、二度目の忘年会と称して外食の機会が多くなっている人もいることでしょうね。つい先日まで新正月の新年会に連日参加していたばかりなのに、今度は旧正月を迎える前に忘年会だと言っているわけです。クリスマスから新春、旧正月明けまで、一番太りやすい季節であることは間違いなさそうです。この時期に帰国する人も少なくはないと思いますが、たまの帰国で、やはり食べ過ぎてしまうという話もよく聞きます。暖かくなる頃には減量が避けられなくなって、膨れたお腹を見て反省しているという人の姿が目に浮かびます。メディポート

ところで「ダイエット」というとイコール「減量」だと思い込んでいる人も少なくはないと思います。もちろんこれは間違いではありませんが、この単語にはもっと深い意味があるのです。第一に食事そのもののこと。「適切な食事」ということで「Adequate diet」

という表現をします。さらに糖尿病の患者向けの低カロリー食、高血圧症や腎疾患の患者向けの低塩食といった病気の治療やその悪化を防ぐための食事もダイエットです。そして、現在もっとも一般的に認識されているダイエットの意味としては美容や肥満改善のための低カロリー食があげられます。少なくとも日本では、摂取カロリーを制限する一方で運動量を増やして体重を落とすということが、一般的な「ダイエット」の意味として認識されているようです。

ダイエットに関して極端なものにアメリカで提唱されたアトキンスダイエットというものがあります。糖質、つまり炭水化物の摂取を極端に落として、その反対に肉類の摂取を大幅に増やすというもので、2003~4年頃には優れたダイエット法としてアメリカで流行したものの、同時に医学的な問題が多数指摘されたことから、このダイエット法は理論的に破綻したともいえます。ところがなぜか最近、特に日本でその信奉者が増え続けており、ご飯などの炭水化物を絶対悪とみなすような風潮があり、とても気になります。
さて前置きが長くなりましたが、なぜダイエットが必要であるのか? 漫然とダイエットするといっても長続きしないばかりか、リバウンドを繰り返しているうちにさらに肥満傾向が著しくなって失敗する場合も多いようです。ダイエットは当然のことながら健康維持増進のために行われるものであり、無理なダイエットで健康を害してしまってはそれこそ本末転倒です。太っていることが悪いのではないので、やみくもなダイエットは決してお勧めすることはできません。肥満、特にお腹がポッコリと出る中年男性の内臓脂肪型肥満こそ、一日も早くダイエットしなければいけないタイプとなります。健康診断などで脂質異常症、高血糖、高血圧症などといった循環器系疾患のリスクを指摘された場合、さらにメタボリック症候群であると診断を受けた場合にはただちにダイエットを開始するべきです。メタボリック症候群の診断を受けるということは、平均寿命より早く死亡するであろうということを断定されたものと捉えても間違いではありません。ただし医学が格段に進歩した現代は、昔のように簡単には死なせてくれません。たとえ脳梗塞で倒れてもポックリと逝かせてくれることは少なく、病院で何とか生かされてしまう可能性が少なくはないのです。この場合、最悪、寝たきりで長く生き続けなければいけないこともあり得ることです。たとえ寝たきりにはならずに済んだとしても、生涯介護を受けることに耐えながら生きていかなければいけなくなることもあります。中には長生きなんかしたくはない、好きに生きて、太く短く、最期はポックリと死ぬことができれば良いといって、健康のことなど一切考えずに生きていたいという人もあるようですが、残念ながらそのような人は本人の意に反して、細く長い辛い人生を送らなければいけないリスクが大きくなることに気が付かないかのようです。

この先さらに寿命が伸び続けると思われ、100歳人口がますます増えることは確実です。自分がその仲間入りする可能性も決して少なくはないのです。どうせ長生きしてしまうのであれば、とことん元気でいたほうが得です。統計上死因の大きな部分を占めるのは、がんと循環器系疾患です。このうち循環器系疾患のリスクは自身の努力によって確実に小さくすることができるのです。

ダイエットの最大の目的は、健康を増進して元気で長生きすること。もちろん美容を目的とすることが間違っているわけではありませんが、たとえそうであっても結局のところ健康増進に直結するわけです。もちろん状況によっては減量してはいけない場合もあります。ダイエットの意味を正しく理解したうえで、自身の状態にあった方法で適切に行ってほしいところです。無理なダイエットは健康増進どころか、命を削ることになりかねません。自身がどのような健康状態であるのか客観的にしっかりととらえた上で、必要であればしっかりとダイエットに挑んで欲しいと思います。

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