香港のテンプスタッフとインテリジェンスが経営統合へ

2014/06/16

人材紹介・人事労務コンサル共に香港20年の実績アジア600名体制、最大級の人材会社へ

 

インテリジェンス

昨年4月、日本でテンプホールディングス株式会社による株式会社インテリジェンスホールディングスの買収が行われた。
1年を経て、香港においての事業再編成と拡大を進め、今年6月からインテリジェンスにブランド統合する経営陣、新しくインテリジェンス香港の代表になるテンプスタッフ香港の本多真由美氏、インテリジェンスSMCコンサルティングの飯泉雅明氏、インテリジェンス中国・香港事業責任者の黒崎幸良氏の3名にお話しを伺った。

●統合へのいきさつと体制について
PPW:香港でのブランド統合へのいきさつをお教えください。
本多:思いっきり競合してましたから、正直びっくりしましたよね。
黒崎:日本では派遣のテンプスタッフ、メディアと人材紹介のインテリジェンスと良いマッチングなのですが、さすがに香港では人材紹介で真正面からぶつかってましたからね。
本多:それでも日本が統合していくので、こうなるのは必然かなと思ってもいました。テンプグループはアジアNO.1の人材ビジネスを目指すと宣言しました。成長・変化スピードの速いアジア地域でお客様層・サービスラインや事業規模のさらなる拡大を実現するためには、テンプスタッフ・インテリジェンス両グループが統合し、資産・ノウハウを共有し、一貫した経営方針・管理のもとで事業拡大を目指すことが不可欠だ、となったわけです。
黒崎:テンプグループのアジア戦略上、香港とシンガポールにそれぞれ地域統括会社(RHQ)を置くことになりました。その統轄下では今回の統合で9か国/地域、39拠点従業員約600名となります。北アジアは韓国・中国・台湾・香港の地域を統括します。私は2012年から中国を兼務してますが、香港の人材紹介は本多さんに任せ、私は中国・香港地域統括を担当していきます。
本多:これで中国・香港で300人規模になるんです。
黒崎:香港だけでも紹介で31名、インテリジェンスSMCコンサルティング(以下SMC)が14名で50名弱ですね。これはかなり大きい組織だと思います。
本多:もともとテンプ香港が一番従業員数が多かったと思いますが、日系の紹介会社では最大規模でしょうね。責任重大です。より人材の供給力を上げられると思っています。
飯泉:SMCは22年目に突入しましたが、過去最大規模です。これはインテリジェンスの研修部門をSMCへ移管したこともありますが、人事労務だけでも日本人コンサル4名・韓国人コンサル1名・香港人コンサル4名と拡大しています。
本多:テンプスタッフ香港(以下テンプ)にこれまでになかったSMCのサービスをお客様にご紹介できるようになることも今回の統合のメリットです。
●統合によるお客様へのメリット
PPW:その統合メリットのことをもう少しお聞かせください。
黒崎:競合してましたから、そりゃお互い文句は言ってたんですけどね(笑)。
本多:ふたを開けてみると、それぞれの良いところが見えてきて面白くなってきました。まず先程も言いましたがインテリジェンス香港(以下インテ)にはコンサルや研修といったテンプにないサービスがある。
黒崎:テンプにはフットワークの良さやスピードがありました。金融にも強い。日本人紹介も強く、インテの倍以上やってましたね。インテは日本人には「敷居が高い」と言われていたようなんですよ。どうも私のせいらしく…。
本多:黒崎さんは前面に出ないのでもう大丈夫です(笑)。
黒崎:冗談はさておき、インテにない派遣サービスなど、統合することで企業向けにご提供できるサービスラインナップが拡充されることはメリットですね。

本多:私は第一に人材紹介供給力が上がることだと思っています。転職希望者にとっても企業紹介供給力が上がること。採用・転職が成功することがなによりです。そのための案件・人材供給力。そしてこれだけの規模になれば、日系企業だけでなく営業展開できる。日系企業・日本語人材に強いだけでなく、香港の全ての企業に対してサービスを展開していきたいですね。
黒崎:その意味ではアメリカ大手人材ビジネス企業のケリーサービスとの協働も話さねばなりませんね。ケリー香港のボスのAlanも呼べば良かった。本多:そうですね。テンプ香港は2012年にアメリカ人材ビジネス大手のケリーと合弁しており、今年またインテリジェンスとで激変しています。
黒崎:欧米系企業・人材とのネットワーク拡大は、日系のお客様にも転職希望者にも可能性増大が見込めますよね。
飯泉:SMCは年間1万件以上のお問い合わせがありますが、欧米系企業の情報もさらに取り込めるようになれば、もっとお役にたてるようになりますね。
●組織統合について
PPW:組織統合はどのようにしていくのですか。
本多:人材紹介事業としての旧テンプ・旧インテは新しいインテリジェンスとして6月からオフィスも各拠点も統合しています。看板も差し替わっていきます。急な展開だったので、オフィスはこれまでのセントラル(中環)・チムサーチョイ(尖沙咀)のゲートウエイとミラマー・東九龍の4拠点のままですが。
黒崎:経営統合は昨今我々のお客様でも多いテーマです。PMI=Post Merge Integrationといいますが、大手企業を中心にこれからもお問い合わせが多くなるものだと思っています。
飯泉:幸運なことに、我々はこのテーマを人事労務のプロとしてアドバイスしてきたものですので、大変ですが経験済みです。
黒崎:それでも組織文化統合は我々にとって最大のテーマになるでしょうね。内向きになるのではなく、お客様志向でありつづけること。我々自身が良い組織統合のモデルにならなければなりません。PMIのタスクリストが多くてなかなか大変です。
本多:その点、企業と転職希望者の双方に真摯にサービスを提供しようというスタンスが一緒だったのが、スタートをうまく切れるのではないかという自信に繋がってると思います。
PPW:しかし、実際は統合にはいろいろな葛藤があったのではないですか?
本多:テンプ香港は今年で創業20周年。インテ香港より歴史があります。それでもテンプスタッフの名前が消え、ブランドカラーのピンクからブルーに変わっていくことには正直抵抗がありました。が、北アジアでは韓国・台湾などインテがない地域でさえ目的のためにブランド統合します。今では、色々できるようになるため、わくわくしているんです。

黒崎:様々な人が様々な想いでいることは確かです。しかし本多さんがおっしゃったように、前を向いて未来と機会にフォーカスする。お客様への価値の増大を目指して行くべきだと思うんです。
飯泉:お客様がどう思っていらっしゃるか?こちら側だけの都合を押しつけていないか。我々経営陣から自問自答して、従業員たちとも話していきたいと思います。お客様の為になることを目指して、あるいは従業員達の未来も考えて香港の統合を決断しました。お客様のお声をぜひとも聞かせていただきたいと思っております。
本多:それはぜひとも。至らないことも多々あると思いますが、何卒よろしくお願い申し上げます。

【経営陣プロフィール】
飯泉雅明氏
外資系保険会社を経て、1980年より日系保険ブローカーで香港法人社長。1993年にStaff Management Consultancy Ltd.を設立して代表に就任。2011年7月インテリジェンス中国グループとの経営統合により、インテリジェンスSMCコンサルティング董事長に就任。香港在住34年。
本多真由美氏
英国の大学を卒業後、新卒で入社した大手人材派遣会社で外資系クライアント向け営業を担当。1994年に香港の日系銀行にて勤務後、2000年テンプスタッフ香港へ入社。2004年テンプスタッフ香港総経理に就任。香港在住20年。
黒崎幸良氏
1986年大手人材ビジネス会社に入社し、1991年より同社中国プロジェクトのリーダー。2002年Anchor HRM Consulting Ltd.を香港に立上げ、同社C.E.O.に就任。2011年7月インテリジェンス中国との経営統合により、Intelligence HongKong Ltd.董事長に就任、2012年11月インテリジェンス中国総経理を兼任。香港在住12年。

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ADD : 11/F., Kailey Tower, 16 Staney St., Central
TEL : (852)2525-8121
Web : インテリジェンス香港 http://www.inte.com.hk
テンプスタッフ香港http://www.tempstaff.com.hk

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