Key Woman インタビュー「Leafian Flowers フローリスト Emmaさん」

2022/12/21

スクリーンショット (2331)草花の魅力と日本の伝統文化を香港へ
まるでそこに咲いているように
観る方の心が華やぐ花や植物を届けたい

mainここ香港で、ある飲食店開店祝いの花の中にひときわ存在感を放つアレンジメントがあった。
絶妙な色の組み合わせ、花や枝、葉の生み出す躍動感、植物からみなぎるエネルギーを感じられるその作品の評判は瞬く間に広がり、今では日本人をはじめ多くの客からオーダーを受けるオンラインフラワーショップがある。
今回は同ショップを2020年にオープンしたフローリストのEmmaさんにインタビュー。日本から香港へ移住したきっかけや、花や植物へかける想い、そして、日本文化に興味を持つ香港の人々から愛される作品づくりへのこだわりなどについてお話を伺った。

Emmaさんの生い立ちや香港へ移住したきっかけを教えてください。
1996年に華僑だった父と日本人の母の間に生まれました。日本で育った幼少期は、絵を描いたり工作したり、公園では泥だんごを作るなど物づくりが好きでした。中学からフラワーアレンジメントを始め、そのあと華道や茶道、箏曲のお稽古など、日本の伝統文化に触れながら過ごし、いけばな師範の資格を取得しました。専門学校では花以外のことにも目を向けてみましたが、園芸店などで働くうちに、やはり花や植物と接している時が一番楽しいと思うようになりました。しだいに日本にはない世界の植物に興味が出てきて、海外に出てみたいと旅に出たのが2018年。それがオーストラリアでした。
オーストラリアはその土地柄、南半球で育つネイティブプランツやワイルドフラワーと言われる珍しい草木が育つ土地です。語学学校に入り、現地で生活をしながら海外種の植物の写真を撮ったり独学で調べたりして知識を深めていきました。b 留学期間も終わりに近づき、次なる場所を考えていたところ、香港に住むことを真っ先に考えました。もともと父が香港の永住権を持ち、親戚も香港にいる関係で、日本と香港の往来を幼少期より繰り返していました。そのため、香港の文化や習慣にも馴染みがあり、治安が良く国際的な雰囲気が魅力的なこの街への移住を決めました。

移住後から現在までの生活の中でどんな出来事がありましたか?
2019年の移住後すぐにデモが始まりました。そのような状況下でしたがフラワーアレンジメントと語学学校のダブルスクールを何とか修了することができました。当時は英語が今ほど話せず、アレンジメントのスクールでは語学をカバーするために絵や写真でイメージを残し工夫していましたね。その甲斐もあり、フラワーCertificateとDiplomaの資格を取得しました。そのあと香港の花屋への就職を考えましたが自分の目指すものと少しズレを感じたため、自分でビジネスをスタートすることにしました。image0image3

作品づくりやオーダー品を作る際のこだわりは?
私が大切にしていることは「花や植物の本来の姿」です。まるで自然の中に咲いているように、植物が本来持っている表情や枝ぶりを表現したいと考えています。どのような植物にもイキイキと見える角度や表情があり、私はそれを作品で最大限引き出すように心がけています。
また、花の色合いは温かさを感じる組み合わせを重視しています。その理由は、観る方や受け取る方の心に寄り添う作品にしたいからです。例えば、お客さまが花束を贈りたいとオーダーをくださった時は、相手の方はどんな色が好きなのか、どんなことが趣味なのか、人柄を含め丁寧にヒアリングします。それを通して、私の頭の中におおよそのイメージを思い浮かべ、器や花を仕入れて作品を作っていきます。もともと両親の仕事の関係で、幼少期から自宅にはデザインブックや色見本の本がたくさんあったので、色をイメージすることやイラストを描くことは大好きでした。振り返ってみると、私の人生を形成してきたさまざまな要素が今の自分を作っているのだなと思います。

初めて開催したワークショップはいかがでしたか?
花のビジネスを始めて半年ほど経った頃、知り合いを通じてワークショップのお話がありました。初めは気が進みませんでしたが、勇気を振り絞って日本のいけばなを伝えることに。ワークショップをしてみて、こんなにも日本の文化に興味のある香港の方がいらっしゃるということに驚きました。それをきっかけに、日本の伝統的な要素を作品の中にも取り入れるようになりました。
春節の時期に、日本のお正月飾りであるしめ縄をおまかせデザインで始めたところ、大きな反響がありました。しめ縄の和飾りの一部は作品のデザインに合わせて手作りしており、他にはない一点ものとして多くのお客様に喜んで頂けました。今後はいけばなだけでなく、しめ縄のワークショップなども考えています。simage6wimage5

今後の展望をお聞かせください。
香港に住むたくさんの方々に花や植物を身近に感じていただけるよう草花のある暮らしの提案とともにそれに関わるグッズ販売などができたらいいなと思っています。
また、お庭やベランダがあまりない香港の物件でも草花を楽しんでいただけるよう、花だけでなく、カスタムメイドのインテリアプランツやガラスの中に入った植物を楽しめるテラリウムなども提案しています。
お客様のライフスタイルや物件の日当たり、風通し、ペットやお子様の有無などさまざまな条件に合った植物の提案や管理のお悩み解決ができるよう、今後はさらに力を入れていく所存です。t


Emmaさん
Leafian Flowers フローリスト
image2東京都出身。華僑だった父と日本人の母の間に1996年に出生。幼い頃は工作や土遊びなど物づくりが好きな少女だった。学生時代にさまざまな日本の伝統文化に触れ、いけばなの資格を取得。園芸店などで働きながら植物への知識を深めていった。オーストラリア留学後2019年に、ゆかりのあった香港へ移住。自身でオンラインフラワーショップを運営しながら、作品づくり、ワークショップの開催など多忙な日々を送る。

Leafian Flowerslogo
WhatsApp:(852)9340-8258
FB&IG:leafianflowers
Mail:leafianflowers@gmail.com

Pocket
LINEで送る