香港最大級の人材会社を目指す「インテリジェンス」

2015/06/15

香港のテンプスタッフとインテリジェンスの経営統合から1年

昨年6月、香港でテンプスタッフとインテリジェンスがブランド統合し、あれから1年。昨年12月には4か所あったオフィスを統一し、更にはテンプホールディングスのジョイントベンチャー先であるケリーサービス香港社ともオフィスを統合。

ブランド統合やオフィス統合を遂行してきた経営陣に今の状況とこれからの目標を語って頂いた。インテリジェンス香港代表の本多真由美氏、インテリジェンスSMCコンサルティングの飯泉雅明氏、更にケリーサービス香港のアラン・ウォン氏。アラン氏は香港内グループ会社をまとめる香港地域統括責任者も兼務している。

PPW:テンプスタッフとインテリジェンスのブランド統合後、早1年経ちましたね。この1年は如何でしたか?
本多:この1年は怒涛の1年でしたね。特に統合してから最初の半年はなかなか大変でした。

PPW:どの辺りが一番大変だったのでしょうか?
本多:自分としても初めての会社統合です。二つの異なる会社を一つに統一するというのは、思った以上に神経を使い、考える事が細部に渡ってあるのだという経験をしました。対外的にも内部的にもです。目指すところは同じなのですが、考え方もオペレーション一つとっても違いはありましたね。また、グループ会社が隣にいたことがないので、グループ会社への情報共有などを私が伝え忘れたり、遅れたりすることがしばしばあったことが思い起こされます。

PPW:「目指すところが同じ」とはどのようなところなのですか?
本多:お客様とご登録者のご希望を十分に把握し、ご満足いただけるマッチングが出来、長くお勤め頂くというところです。そこはもちろん一緒で、それを目指して始まったものでした。

PPW:昨年ブランド統合をされてからの半年間は、オフィスもバラバラだったとお聞きしました。そして、12月にオフィスを移転されたと。
本多:はい、やっと一緒になれました。オフィスがバラバラで、それも4か所のオフィスに散らばっていましたので、統合してからは本当にコミュニケーションが取りやすくなりました。

PPW:SMCさんは以前にテンプスタッフ香港のオフィスがあったチムサーチョイ(尖沙咀)のGatewayのオフィスに移られたのですよね?
飯泉:はい。1,000スクエアフィートの事務所内に現在12名が働いておりますので、人口密度が極めて高い状況です(笑)。でもそのおかげで社内コミュニケーションは以前よりよくなりました。研修部門のスタッフ2名はセントラルの事務所内で就業しているんですけどね。

PPW:さて、2012年にさかのぼりますが、テンプスタッフは米系の人材会社で世界5位のケリーサービス社とジョイントベンチャーの会社を香港に作りましたね。
本多:はい、ケリーサービスは弊社の親会社であるテンプスタッフ会長の篠原が長く懇意にしていたアメリカの人材会社です。その合弁によりケリーサービス香港とテンプスタッフ香港は兄弟会社となったのです。ただ、同じセントラルの道を挟んだ向かいに双方が事務所を構えていたものの、この3年はそれ程緊密にはビジネスをしていませんでした。オフィス統合を機に、結びつきが強くなりました。

PPW:それは昨年12月にオフィスを統合されたことを契機に、ということですね。ほぼ半年となりますが、新しいオフィスはいかがですか?
本多:はい。2015年5月第5号の表紙に掲載していただいた写真をご覧いただくとわかるのですが、やっとスペースのあるオフィスに移れました。セントラルのハチソンハウスです。アドミラルティへも近いですよ。

PPW:人事労務管理コンサルティング部門とのビジネスのコラボレーションについては如何ですか?
飯泉:現在500社のメンバー企業様にサービスを提供させていただいておりますが、統合後も多くの新規のお客様をインテリジェンス香港から紹介してもらっています。
本多:統合前テンプスタッフのみがお付き合いさせていただいていたお客様に対しても、現在積極的にSMCのコンサルティングサービスをご紹介させていただいております。
アラン:今後、特に欧米系のクライアント様へもSMCのサービスが提供できればと思っています。当地にはSMCと同じサービスを提供する欧米系コンサルティング会社はあまりありませんので、新たなマーケットと考えることができます。

PPW:人材紹介の主なサービス内容はどのようなものですか?
本多:インテリジェンス香港は正社員のご紹介がメインサービスです。他に派遣・採用代行をさせて頂いております。ご登録者は香港人の方々が全体の7割ですが、日本人その他アジア人の方々にも数多くご登録を頂いております。お客様は8割方が日系です。

アラン:ケリーサービスは、主に欧米系へ人材のご紹介をさせて頂いており、ご登録者は主に香港人ミドル層が中心です。IT・保険・人事・経理・財務などの管理部門への正社員のご紹介部門から、その他IT系の契約社員派遣や展示会時の短期的な派遣をさせて頂いております。今後は採用代行などのOS事業を伸ばして、お客様へ人事のワンストップサービスがご提供できればと考えております。

また、ケリーサービスは別ブランドでBTIというエグゼクティブサーチの会社を持っております。
本多:オフィスが一緒になり、シナジー効果を発揮し始めている分野が多くなりました。インテリジェンス側のお客様から頂くご依頼で、日本語が必要なく日系以外の会社での経験があるマネジャークラス以上の求人に対して、ケリーサービスのコンサルタントと協力をして人材をご紹介させて頂けるようになりました。これによって日系・欧米系の会社での経験がある方々を一緒に見て頂き、お選び頂く際の選択肢も広げられるようになりました。ご紹介させて頂ける人材の層がかなり広がったといえます。人事分野のエキスパートやITのマネジャーなど、この半年でご採用された実績も出てまいりました。
アラン:オフィスが一緒になったことによって社員同士の交流が確実に増えています。オフィス内のカフェテリアなどで談笑している風景などを見ると、ビジネスへもっと良い影響が出てくると確信しています。

PPW:オフィスが一緒になり、統括の機能もできたそうですね。
アラン:はい。グループ会社3社をまとめるバックオフィス部隊です。徐々にグループ会社全体のサポートができる機能を目指しています。財務・経理・総務・人事・受付と、ここで統括管理をしています。更には派遣のスタッフの方々が多いため、給与計算等の部分も機能させていくつもりです。トータルすると400名くらいは派遣の方々が常に稼働しております。IT派遣と短期的な派遣ではケリーは香港でもトップレベルのサービスで、”The Most Trusted IT Recruitment Partner Award 2015”にも選ばれているんです。

PPW:最後に今後のビジネス展開を教えて下さい。
飯泉:人事労務コンサルティングは現在香港と中国4拠点、それにインドネシアでサービスを展開しておりますが、今後はアセアン地区への進出もより積極的に行っていく予定です。東南アジア全体で20拠点を目指しています。
本多:インテリジェンス香港は、質とスピードと豊富な情報量をお客様にもご登録者様へもご提供をしていきたいと思っています。SMCとの連携やケリーサービスとの連携を増やし、日系のお客様向けにご提案できるサービスをもっと増やしていきたいですし、ご登録者へもご案内できるお仕事をもっと増やしていきたいと思っております。
アラン:グループ会社全体で目指していることは、市場をしっかり把握し、常に最適なソリューションを包括的に提供していくこと。それぞれのスペシャリティーを持って、お客様とご登録者へ様々なサービスをご提供出来ればと考えております。

インテリジェンス経営陣

左から本多氏、ウォン氏、飯泉氏

【経営陣プロフィール】
飯泉雅明氏
外資系保険会社を経て、1993年にStaff Management Consultancy Ltd.を設立して代表に就任。2011年7月インテリジェンス中国グループとの経営統合により、インテリジェンスSMCコンサルティング董事長に就任。香港在住35年。

本多真由美氏
英国の大学を卒業後、大手人材派遣会社での外資系クライアント向け営業を担当。1994年に香港の日系銀行に勤務後、2000年テンプスタッフへ入社。2004年テンプスタッフ香港代表に就任。香港在住21年。

Alan Wong氏
オーストラリアの大学を卒業後、IT企業を経て2005年より人材会社へ。幅広いプロジェクトマネジメントとコンサルティングの経験を持つ。2013年にKelly Service & BTI Consultantsの代表に就任。

インテリジェンス住所:402-412,Hutchison House,
10 Harcourt Rd.,Central
電話:(852)2525-8121
ウェブ:http://www.inte.com.hk


インテリジェンス SMC Consulting
住所:Suite 1803,18/F.,Tower 1,
The Gateway,25 Canton Rd.,TST
電話:(852)2833-0192
ウェブ:http://www.smcltd.com.hk

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