「日本経済新聞国際版ニュースの活用方法」東芝家用電気销售有限公司 風間毛東夫

2015/08/03

香港・華南地区をはじめ、海外で活躍する日系企業の方たちに不可欠な情報源となっているのが「日本経済新聞国際版」。
今回は東芝家用電気销售有限公司 董事 総経理の風間毛東夫さんに、ニュースを仕事や生活に活かす読み方のポイントを伺った。

東芝家用電気销售有限公司 董事 総経理の風間毛東夫日本経済新聞国際版をどんな形で読んでいますか。
パソコンで電子版を読んでいます。電子版は、北京や上海に出張へ行く時もパソコンで読めるので便利です。また、会社では紙媒体を購読しているので、毎朝、紙媒体でも愛読しています。日本経済新聞国際版は、世界経済の情報を多く掲載しているので、ビジネスマンには欠かせない新聞だと思います。
どんな記事をご覧になっていますか。
中国関連の記事は必ずチェックしています。中国に関する論説は、分析に長けていて、冷静で鋭い切り口に驚かされることがあります。中国政府や経済が動くときも、いち早く情報を掲載してくれるのが日本経済新聞です。駐在している記者の方の数が多いのではないでしょうか。
他の日本の新聞にも目を通していますが、その中でも日本経済新聞の記者の方は、比較的フェアな立場で記事を書いていると感じています。他紙の多くの記者は、ある出来事に対して、自分なりの仮説を立てて「今後はこうなっていく」という記事の書き方をします。そういった分析方法では内容が右や左に極端に傾くことがあります。ひとつの事例だけをもとに極端な予測をしている場合も多々見受けられます。しかし、日本経済新聞では、その記者なりの分析方法はありますが、“そこにある事実”を積み重ねて中立かつ丹念に分析している記事が多いのでとても参考になりますね。
貴社の事業について教えていただけますか。
東芝ブランドの冷蔵庫・洗濯機を中心とした家庭用電器製品の販売を行っており、当社から車で30分程のところに日本・中国向けの冷蔵庫・洗濯機の製造工場があります。
ご存知の通り、中国では13億人という人口と経済発展が大きな市場を生み出しています。テレビにしても、冷蔵庫・洗濯機などの白物家電にしても、中国市場でナンバー1になることは、世界市場でナンバー1になることと言っても過言ではないですね。例えば、冷蔵庫の世界市場は約1億台ですが、中国では3,500万台の市場があります。これは日本の国内市場の約9倍です。中国最大のメーカーとなれば、大量生産による低コスト化も強みとなるでしょう。
とはいえ、中国政府もローカルメーカーの育成に力を入れており、冷蔵庫の中国市場のシェアをみると、ローカルブランドが7割、外資ブランドが3割。ローカルメーカーの技術発展によって、外資メーカーは苦戦を強いられているのが現状です。しかし、外資ブランドのシェアが3割でも1,000万台以上
ですから魅力的な市場ではあると思います。
今後の事業展開について教えてください。
私たちのような外資メーカーが今後中国市場で戦っていくためには、技術力を前面に押し出した”高付加価値商品”に特化した製品で展開していくことが大事だと考えています。例えば、冷蔵庫では、変温室や1度刻み温度表示等の中国人が好む機能を備えたローカルフィットの「マルチドア冷蔵庫」。洗濯機では、二層式でなく乾燥機能も備えた一体型の「ドラム式全自動洗濯機」ですね。今後も、中国国内の市場について調査をした上で販売戦略を立案し実行に移していきます。中国はもちろん世界市場の情報を把握し、自分達の方向性を決めるためにも、参考となるのが欧米や日本の新聞です。中でもフェアな立場で優良な情報を届けてくれる日本経済新聞は、私達のビジネスになくてはならない情報源となってくると思います。

風間 毛東夫(かざま もとお)東芝家用電器销售(南海)有限公司
董事 総経理
風間 毛東夫(かざま もとお)さん
長野県出身。大学を卒業後、東芝に入社。PC販売マーケティングの営業としてアメリカ、オランダ、フィリピン、上海の駐在も経験。各国で民族の違いを感じながら仕事をしてきたという。中国は今年で8年目となる。

東芝家用電器销售(南海)有限公司
140年の歴史を持つ東芝グループの一員として、広東省佛山市で冷蔵庫・洗濯機を中心とした家庭用電器製品の販売・アフターサービスを手掛ける。また広東省佛山市南海区には、東芝グループで最大の白物家電の生産工場を有し、ここで生産された製品は、主に日本市場と一部中国市場に出荷されている。
住所:広東省佛山市南海区南海大道北57号 南海新聞中心大楼7楼
電話:(86)757-8629-1978

日本経済新聞 国際版、電子版のお問い合わせは日経中国(香港)社までTel:(852)2598-1771 E-mail:nikkei@nikkei.com.hk

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