「ITの外部委託」兆星電脳有限公司(広東省佛山市)

2016/01/11

【やはり社内ITは外注がベストです】

IT サービスの仕事で広東省内を忙しく走り回っている著者です。当コラムでは、日常皆様がお使いのIT デバイス評価や仕事に兆星1役立つソフトの紹介、それからちょっとした工夫で仕事の効率UP を図るIT 改善ノウハウを提供しています。
先日ある日系企業より連絡があり、「とにかく助けてほしい」とお願いされました。詳しい話を聞いてみると、同社に数年在籍していたIT 担当者(社内のPC 端末やサーバ等を管理する方)が全く引き継ぎをせずに急に辞めてしまい、社内ネットワーク機器やサーバのパスワードなども一切わからなくなってしまったとのこと。ネットワークの配線図や各ユーザのアカウント情報なども不完全で、社内のIT 環境が全く把握できなくなってしまったようです。連絡をしてきたこの方は相当切羽詰った様子でしたが、我々IT サービス側の人間としては「いつもの事」、つまり社内のIT 管理を自社スタッフが行っているどの企業でも起こりうるごく日常的な出来事でした。
IT サービスを外部業者に頼むと情報漏えいの可能性がある、コスト高となる、常駐しているわけではないので毎回問題発生時に呼ぶのは面倒、といった懸念があることは承知していますが、自社内でIT 環境を整備する場合に一番陥りがちなのは上記のような継続性の欠如です。IT 環境はインフラですので、常に保守が必要になります。過去に行った機材導入歴や設定履歴、各ユーザの設定状況など、全てを一元管理できてこそうまく運用しつづけられるものです。途中で担当が変わることで全てが分からなくなってしまうようでは企業の運営上問題があります。その上、IT スキルを持つエンジニアはたとえ高待遇で雇っても更に条件の良い職場があればすぐに移る傾向がありますので、長く雇用し続けるのはかなり難しいのが現状です。本来は、自社でIT 管理者を雇用する際に業務のガイドラインをきちんと定め、いつ当該の担当者が不在となっても問題なくIT 環境の保守を継続できる体制を整えることが重要なのですが、そこまで管理が行き届いている企業は本当に少ないと言わざるを得ません。
冒頭の会社のように、単にパスワード等の引き継ぎが行われなかっただけの場合は比較的早く復旧が可能ですが、会社と何等かの問題を起こしたIT 担当者を解雇する場合、故意に社内サーバのデータを削除して辞めるようなケースもあります。(実際に多くの会社で発生しています)。会社内で何年間も蓄積してきた様々な業務データをそのような理由で無くしてしまうのは何とも惜しいですね。そのような会社に限ってバックアップも取っていない場合が多いのです。
もう少しで中国は春節休暇に突入します。人の入れ替わりが多いこの時期、最低でも現状のIT 環境を維持する手立てを考えておくのが良いと思います。業務データは休暇前にバックアップを取るように心がけるだけでも、万一の状況には備えとなります。IT サービスの仕事を長年やっていますが、企業のIT 管理はやはり外部の専門会社に委託するのが一番良いのではと思うこの頃です。
赤座 卓也(あかざ たくや)

兆星電脳有限公司
TERASTARS Computer Ltd.
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