国内生命保険と海外生命保険の比較方法Vol.2(Borderless Management & Investment)

2014/01/13

国内生命保険と海外生命保険の比較方法(2)

生命保険にはある程度の期間の保険料を支払った後に解約をする場合、「解約返戻金」という払い戻しが受けられる。解約返戻金は以下の公式で計算される。払込済保険料ー保険会社の事業費・運営費+運用利益生命保険に支払った保険料は100%が保険金の原資として使われるわけではなく、会社の経費やなどが引かれて、残った金額が責任準備金として保険金支払の原資として積立・運用される。解約返戻金はその責任準備金の中から支払われることになるのだ。つまり、契約後すぐの解約ということになると多くの経費が引かれて運用がまったく進んでいない状態なので解約返戻金はほとんど戻ってこないか、あるいは戻って来てもほんのわずかということになる。

契約期間が長ければ長いほど、責任準備金の運用が進んで解約返戻金は増えてくる。一般に日本の生保の場合、およそ30年ほど契約を続ければ解約返戻金が積立てた保険料の合計をようやく超えるようになるようだ。※保険会社やプランによって差がある海外生命保険のSL社の場合は、解約返戻金も15~20年程度で積立保険料の合計額を超えるケースが多い。

※運用の成績によって差異は出る国内の生命保険と海外の生命保険を比較した場合、どうして解約返戻金においてもこの程度の差が出るのかというと、まず第一に生命保険会社を含む、日本の金融機関の人件費などの経費の高さが挙げられるだろう。また、日本の生命保険会社は機関投資家として日本国債の有力な引受先であり約40%ほどを国債で運用しているといわれているが10年ものでも1%を超えない日本国債の運用利回りは低く、これが先に述べた予定利率が上がらない(=保険料が高い)原因であり、解約返戻金がなかなか増えない理由でもある。

海外の保険会社はそれよりずっと利回りの良い金融商品で運用しているので解約返戻金が増える速度も速いのである。

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玉利将彦 Borderless Management & Investment

 

 

 

 

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