【第ニ回】“Road to Victory 2017”ダイヤモンドの輝きを放つ巨大LEDスクリーン劇的誕生! 三菱電機(香港)

2017/10/24

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SOGO銅鑼湾ダイヤモンドビジョンが商業運転開始される。プロジェクト開始の経緯から導入・納品に至るまでに現場を支えてきた三菱電機(香港)社会インフラ事業部(以下、同社事業部)の「技術力」「現場力」「人間力」の3本柱。今回の特集記事では「技術力」を取り上げて、普段は見ることのできない「技術力」を現場で活躍した方々にインタビューを行い、様々な角度から同事業部が行っているB to B事業の「見える化」を弊誌で伝えたい。

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技術力

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三菱電機 長崎製作所
中村 文吾 据付け指導員

「香港での巨大映像設営に初めて携わったのは今から約20年前です。当時は大型映像を設営した経験のある現地作業員がいなかったため苦労しましたが、今回はかつてのメンバーも数人いましたので、安全・品質管理の高い意識を持って一緒に作業が出来ました。LEDモジュール370枚を1枚の平面に見えるようにするために各々のモジュールの隙間を最大僅か0.6±0.2mm以内に収める必要がありましたが、チームと共になって精度の高い品質基準をクリアすることができました。プロフェッショナル集団と共に仕事が出来て誇らしく思います。」

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三菱電機(香港)社会インフラ事業部
STEVENK.C.LAIプロジェクトマネージャー

「私はハッピーバレー競馬場のダイヤモンドビジョン設営にも携わっていましたが、今回の現場は日中の気温が45~50度、夜間でも35度、そして高湿度という真夏の厳しい環境下での作業でした。それに加えて600mmという作業スペース、交通量が多いため夜間作業に制約される等、様々な困難を伴う現場でしたが経験豊富な香港人チームが日本人据付け指導員たちと共に安全作業に貢献してくれました。今回の設置を通じて、プロジェクトマネージャーとして自分自身の中で貴重な経験になりました。」

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三菱電機長崎製作所
脇﨑仁施設システム部 品質管理課

「SOGOでの据付け作業が開始する数か月前よりLEDモジュールを制作している長崎製作所と香港を何度も往復しました。SOGOダイヤモンドビジョンは370枚のLEDモジュールで構成されています。1枚のLEDモジュールの重量は約250キロ、据付けの現場スペースの幅はLEDモジュールの厚さを含めて僅か600mmしかない過酷な条件の下、長崎製作所の約10名のチームで、薄くなっても強度や製品の稼働に影響が出ないよう、そして品質管理課として鮮明で迫力のあるダイヤモンドビジョンをお客様に提供するために改良および検証を重ねた結果、通常よりも約100mm薄くすることに実現しました。」

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三菱電機(香港)社会インフラ事業部
池田 和彦 物流マネージャー

「今回の映像機材輸送に際し、2度にわたる大型台風により輸送スケジュールの変更が多く、また搬入が深夜ということもあり、輸送車両の手配に手間が掛かりましたが、建設部との連携により、タイムリーにLEDパネルの設置計画を入手し、工期に合わせた輸送ができました。そして6月より約4カ月にわたる輸送を無事完了し、安堵しています。もうすぐ香港最大の繁華街である銅鑼湾地区に香港最大のビル外壁設置大型LEDスクリーンが誕生します。縦19m、横72mの大画面に映る迫力の映像をご期待下さい。」

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三菱電機(香港)社会インフラ事業部
総経理 鳥海 寿郎(とりうみとしお)
兵庫県神戸市出身。香港赴任後4年目。
ニックネームはMr. W. P. Teddy。

2017年10月下旬、香港SOGO(以下、SOGO)にて三菱電機製巨大LEDスクリーン「ダイヤモンドビジョン」の商業運転が開始される。今回の設置に至ったエピソードを三菱電機(香港)社会インフラ事業部(以下、同社事業部)の鳥海寿郎(とりうみとしお)総経理(以下、鳥海氏)に話を伺った。

「ダイヤモンドビジョンは日本国内外の商業施設、競馬場やスポーツ施設に設置されている世界ブランド商品です。SOGOの親会社である利福国際集団の会長がニューヨーク訪問の際、マリオットホテル外壁に設置された幅70mもあるダイヤモンドビジョンを見たのがきっかけとなり、今回の商談につながりました。SOGOは以前より当社の昇降機を100%採用していることから当社製品を提案する機会を得ました。」と鳥海氏は語ってくれた。昇降機販売会社からの連絡を受け、同社事業部が三菱電機グループとしてSOGOへ訪問したのが2015年1月2日だったという。「当社は昇降機で実績がありましたので、高品質・高信頼を訴求するお客様に対してダイヤモンドビジョンを高く評価していただきました。当社の柵山正樹(さくやままさき)社長(以下、柵山社長)が掲げる“OneMELCOActivity”連携営業活動の一環でビル及び空港向けに当社製品を組み合わせて、トータルソリューションを提案する活動を行っておりますが、これらの提案活動を通じてSOGOダイヤモンドビジョン誕生という成果につながりました。」

以前、SOGOは中国製映像機器を設置したことがあったが、5年も経つと鮮明度が落ちたことに加え、適切なメンテナンスが実施されなかったという。一方で同社の昇降機は品質に優れ、アフターサービスも充実しているので同社製品への信頼は高かった。巨大映像の入札の結果、中国(深圳)企業や米国企業、同社の3社が選ばれ、2日間にわたって上海で評価試験を実施した。「下からスクリーンを見上げた際、太陽光が当たっている条件下で他社製品では影が出てしまいますが、当社製品は画像鮮明度が変わらないことを評価試験で明らかにすることができました。」と語る鳥海氏は、「1976年に当社事業部が香港で初めて電力機器を供給して以来、長年培ってきたノウハウの蓄積により、機器供給だけでなく据付け試験まで責任を持って対応するという点、またトラブルの際には日本国内の製作所と連携して迅速に対応することができるという点においても高い評価をいただいている」と、鳥海氏は同社事業部の強みについて語った。

今回のダイヤモンドビジョン設置を通じて、今後の同社事業部の事業展開や抱負について鳥海氏は「2021年、旧啓徳(カイタック)空港跡地でMTRの新駅(カイタック駅)が開通しますが、SOGOは同駅の目の前に3号店を2021年にオープンします。同店はツインタワーで、銅羅灣(コーズウェイベイ)店の約倍の面積を有していますが、同店にも巨大なダイヤモンドビジョンを設置すること目指します。香港では2018年、広州南/九龍西を結ぶ新幹線や珠海/澳門/ランタオ島を結ぶ大橋の開通により、ランタオ島や西九龍でインフラ整備が急務となり、ショッピングモール、商業ビル向け大型映像設置の需要増が見込まれます。利福国際集団会長がニューヨークで観たエピソードのように、香港を訪れる世界中の人々が我々の巨大なダイヤモンドビジョンを観て度胆を抜かれるでしょう。香港以外ですと中国本土、そして今後は台湾向け大型映像の商機拡大を考えています。プロジェクト経験豊富な香港人スタッフが活躍できる機会は増えていく、と確信しています。今後の抱負としては、柵山社長の言葉、“One MELCO Activity”連携営業活動をまず日本人の我々が理解して、自ら動き、それをナショナルスタッフと共有する。これが結果的に将来の事業拡大に繋がる、と考えます。私自身、3つのミッションとして「現地化」、「商機拡大」、「歩く広告塔」を挙げています。特に現地化については、当社事業部を牽引するナショナルスタッフを一人でも多く育て、自分の後継者として真のリーダーを育てることが、自分の果たすべき役割です。その思いが、“Dramatically Change”というスローガンに込められています。」と熱い想いを語ってくれた。

現場力
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LEDモジュールを手作業で上方へ運搬している様子。1枚あたり、縦1920mm、横1920mm、厚さ250mm、重さ約250kgのLEDモジュールを0.6mm間隔の精度で据付けることで、縦約19m、横約72mの巨大LEDスクリーンを構築している。

人間力
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香港人ナショナルスタッフを擁する三菱電機(香港)と製造元である長崎製作所の緻密なチームワークにより、製造、輸送、据付け、試験を完遂した。

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三菱電機(香港)有限公司
住所:20/F., Cityplaza One, 1111 Kingʼs Rd., Taikoo Shing
電話:(852)2510-0555
ウェブ:hk.mitsubishielectric.com

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