「中国の会社法改正について」ワイズコンサルティング

2014/03/17

中国の会社法改正について

 

中国では、2013年12月28日に会社法が改正され公布されました。しかし、関連する法令法規がそれに対応していませんでした。最近になり、ようやく関連する法令法規が修正・整備され、改正会社法に対応するようになりました。以下、主な改正項目のポイントを整理してみます。
(1)会社設立要件の緩和(払込資本登記制度から授権資本登記制度へ)
・最低資本金の撤廃
「有限公司の登録資本金は3万元、一人有限公司の登録資本金は10万元、株式有限公司(股份有限公司)の登録資本金は500万元を下回ってはならない」(公司注册资本登记管理规第十条)が削除。「登録資本金は、生産性企業30万元、卸売企業50万元、小売企業30万元、サービス企業10万元、その他の企業3万元を下回ってはならない」(企业法人登记管理条例施行细则第十四条第一款第(七))が削除。
「外資企業の登録資本はその経営規模に適応しなければならない」(中华人民共和国外资企业法实施细则第二十条第二款)が削除。
・初回出資額および出資期限の撤廃
「有限公司全体の株主の初回払込額は、公司登録資本金の20%を下回ってはならず、かつ法定最低資本金を下回ってはならない。残額は公司設立の日より2年以内に払い込まなければならない。但し、投資公司は5年以内に払い込まなければならない」(公司注册资本登记管理规第十一条)が削除「外国投資者は出資金を分割して納付してもよいが、最終回の出資は営業許可証の発行日より3年以内に全て払い終えなければならない。その内第一期の出資は外国投資者が払い込みを認めた出資額の15%を下回ってはならず、外資企業の営業許可証発行日より90日以内に全て払い終えなければならない」(中华人民共和国外资企业法实施细则第三十条)が削除。
「外商投資有限公司の株主の初回払込額は、法律および行政法規に規定に合致しなければならず、残額は公司設立の日より2年以内に払込まなければならい。但し、投資公司は5年以内に払込まなければならい」(中华人民共和国公司登记管理条例第二十条第三款)が削除。
「一括で出資する場合、合弁双方は営業許可証の発効日から6ヶ月以内に払い込まなければならない。分割して出資する場合、合弁双方の第一回目の出資は出資引受額の15%を下回らない額を営業許可証の発効日から3ヶ月以内に払い込まなければならない。」(中外合资经营企业合营各方出资的若干规定第四条)が削除。

・現金出資比率の撤廃
「公司全体の株主又は発起人の貨幣による出資金額は、公司登録資本金の30%を下回ってはならない」(公司注册资本登记管理规第十条第二款)が削除。

・現物出資に係る評価の撤廃
現物出資の際の財産評価報告書提出義務(中华人民共和国公司登记管理条例第二十条、二十一条、第三十一条、第三十二条、公司注册资本登记管理规第七条、第十条、第十二条、第十九条、第二十条、第二十一条)が削除。

・会計事務所による験資
会社設立時および増資等の資本変動時における試資報告書提出義務(公司注册资本登记管理规第六条、第十三条、第十九条)が削除。

・住所登記手続の簡便化
「企業設立登記の申請に際して、住所および経営場所使用証明書(産権証、不動産契約書(不動産契約は1年以上でなければならない))を提出しなければならない」(企业法人登记管理条例施行细则第三十二条第六款)が削除。
(2)年度検査から年度報告開示税度への変更
(3)営業ライセンス電子化および登記管理の電子化
(4)債権による出資を明記
債権者は、法律内において中国において設立された公司に係る債権を持分に転換することができる(公司注册资本登记管理规第七条)。

山本圭一郎

Pocket
LINEで送る